車を便利にする電装DIY
増設用シガーソケット(電源ソケット)の選び方
今や増設用シガーソケットはいろいろあって、いざ増やしたいとなっても選ぶのが面倒になるレベル。そこでカー用品量販店でもネットでも買える、定番のエーモン製を例に、シガーソケットの選び方を解説。自分に合った電源ソケットを絞り込める。
シガーソケットが足りないなら、増設用の電源ソケットで増やす
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シガーソケット(※)は車内の電源ですが、アウトドアや車中泊では「純正のソケット1個じゃ足りない!」場面も多いと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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純正シガーソケットにドライブレコーダーがつなぎっぱなしになっていると、そもそも、ほかの電装品はつなげませんしね。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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アウトドアや車中泊となると、いよいよ足りない。
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そういうときは、シガーソケット(電源ソケット)の増設を考えましょう。
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エーモンからは、増設用のソケットが何種類も出ていますよね。
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「電源ソケット」という製品シリーズになりますが、4種類ありますね。
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それは、どうやって選んだらいいのか?……全部ソケットなんでしょう???
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では、シガーソケット(電源ソケット)の選び方から解説していきましょう。
※ ひとくちメモ
今どきはシガーソケットというよりは、シガーライター無しの、電源用途に特化した「アクセサリーソケット」「電源ソケット」といった言い方に変わりつつある。エーモンの呼び方だと「電源ソケット」。
日常的に抜き差しするシガーソケットなのか、つなぎっぱなしなのか?
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まず、大きな違いとしては、「貼り付けタイプ」と「プラグロックタイプ」の2つに分かれます。それぞれに2種類ずつあります。
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貼り付けとプラグロック……ってどう違うの?
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貼り付けタイプはその名の通り、車内のどこか好きな位置に貼り付け固定するシガーソケットですね。
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では、プラグロックタイプは?
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プラグロックタイプは、基本的には裏側など見えない位置に隠す前提のシガーソケットです。
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隠したら、抜き差しできませんね?
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そうです。だから代表的な使い方例でいうと、ドライブレコーダーやレーダー探知機など、つなぎっぱなしになる電装品の電源用ですね。
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確かにドライブレコーダーは抜かない。
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抜き差ししないなら、シガーソケットごと裏に隠すほうが、配線も見えなくなるのでスマートです。
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なるほど。つなぎっぱなしなら、配線をオモテ側に出しておく必要はないですね。
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ただ、裏側でつなぐ場合、知らない間に振動で抜けたりすると困るので、ロック機構が付いているんですよ。
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差し込んだプラグをロックするから、プラグロックタイプと呼びます。
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そういうことね。
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実際のところ、電装品についているシガープラグのサイズには若干バラツキもあるので、組み合わせによってはユルくて抜けやすい状態というのも考えられます。
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なるほど。
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プラグロックタイプのシガーソケットなら、抜ける心配がありませんね。
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そう聞くと、プラグロックタイプのほうがいいような気もしてきますが……
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しかし、ガッチリ固定してしまいますから、頻繁に抜き差しする用途のシガーソケットには向きません。
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アウトドア用途だとすると、抜き差しして使いそうですね。
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いろいろな電装品を抜き差しして使いたいなら、貼り付けタイプの電源ソケットをオモテに増設するほうが、使い勝手がいいですよね。
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ようするに、オモテ側で抜き差しするなら「貼り付けタイプ」、抜き差しせずに裏側に隠すなら「プラグロックタイプ」が向いている。
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あとは、それぞれに2種類ずつあるので、その違いも解説しておきましょう。
普通の電源ソケットのほか「タイマー付き電源ソケット」もある
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貼り付けタイプの増設用シガーソケットとして、オーソドックスなのが「電源ソケット・貼り付けタイプ」です。
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もうひとつの貼り付けタイプは?
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固定方法は同じですが、「電源ソケット・OFFタイマー機能付き」モデルがあります。
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シガーソケットにタイマーが付くと、どんなメリットがあるのでしょうか?
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通常のシガーソケットは、エンジンオフで電源が遮断されるように取り付けますが、タイマー付きならば、一定時間電源を供給し続けることが可能。
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エンジンオフになっても、しばらく電装品を差して使えるってことか。
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例えば家に着いたけど、しばらく空気清浄機を回しておきたい、なんていう用途では便利です。
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アウトドアで車を使うと、バーベキューをやったときのケムリの匂いとかけっこう車内に残っていたりするので、空気清浄機は回しておきたいところです。
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ナルホド。アウトドアから帰ってきたときのことまで想定しているのか。
Amazonでも販売されているエーモン 電源ソケット 貼り付けタイプ(1540)
タイマー付きのシガーソケットに、空気清浄機をつないでいる。
プラグロックタイプのシガーソケット(電源ソケット)にも2種類あるが、その違いは?
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プラグロックタイプの標準的なモデルは、この「電源ソケット・プラグロックタイプ」です。
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もうひとつは、電源ソケットと、ヒューズ電源がセットになっているタイプです。
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そもそもシガーソケットを増設するにあたっては、どこかから電源を取らないといけません。
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……ふむ。
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純正配線から分岐で電源を取って、シガーソケットを増設する方法もありますし……
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この場合は、エレクトロタップなどを使って、純正配線を分岐させて電源を取ることになりますが……
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そして、純正配線分岐ではなくて、ヒューズボックスから電源を取る、という方法もあります。
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ヒューズから取るなら、内張りの分解作業などがいらないメリットがありますね。
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ただ、この場合は、ヒューズ電源が必要になります。
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電源ソケットとヒューズ電源を別々に買って組み合わせてもいいんですが、「電源ソケット・ヒューズ電源タイプ」なら、ヒューズから電源を取り出すためのコード(※)が付属しています。
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ヒューズから電源を取る、と決めているなら、最初から「1542」を買えばいいんだ。
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ハイ。電源ソケットの構造そのものは、どちらも同じプラグロックタイプで、違いはありません。
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どのシガーソケットを選べばよいかは、どういう増設パターンにしたいのか……で、見えてきますね。
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そしてもうひとつ、シガーソケットを選ぶときに考えてほしいのが「使用可能電力」の問題です。
✔ 使い方を知らない人は、「エレクトロタップ(配線コネクター)の正しい使い方」参照。
ヒューズボックスからシガーソケット用の電源を取る
✔ タイマー付きモデルを除けば、増設用シガーソケットの電源は「ACC電源」を使うのが妥当。エンジンオフで電源が遮断されるためだ。
✔ タイマー付きモデルの場合は、エンジン停止後も一定時間電源を供給するため、「ACC電源」と「常時電源」の2つが必要になる。いずれもヒューズから取り出すことが可能だ。
✔ エーモンのヒューズ電源。単独で購入するなら、「ヒューズ電源の種類と選び方」参照。
※ ヒューズ形状には主に「平型」「ミニ平型」「低背(ていはい)」の3種類があるが、どのタイプがきても対応できるように、3タイプのコードが付属する。
シガーソケットを増設するときはまず、電源ソケットの選び方に注意しましょう。どれでも同じと思っていたら大間違い! そのあたりの注意点はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeで解説しています。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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