純正シーケンシャルウインカーが見送られた、レクサスUXの流し方
シーケンシャルウインカーが見送られたレクサスUX。しかしデザイン的には「いかにも流れそう」なだけに、シーケンシャルが確実にハマると言える。ではどのように流すか。レクサスにもシーケンシャル化にも強い〈球屋〉で取材した。
純正では流れないレクサスUXのシーケンシャルウインカー化に成功
-
「レクサスUXのヘッドライトを加工者目線でレビュー」でお伝えした通り、UXではここ最近のレクサスの流れだった、シーケンシャルウインカーが見送られています。
DIYラボ レポーター:イルミちゃん
-
そこでさっそく、レクサスUXの前後シーケンシャルウインカー加工に取り組んでいる、球屋からレポートします。
-
まずフロントは、純正LEDを生かした形でシーケンシャルウインカー加工できました。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
-
つまり、流れないLEDウインカーを、流れるLEDウインカーに変えたんだ。
-
レクサスUXのウインカーは、2段構造になってます。下段は短いので、序盤は2列で流していって……
-
途中から、上段のみで流れていきます。
-
うーむ。「最初からこうだった」ようにしか見えない自然さです。
-
レクサスUXのフロントウインカーは、もともと横長ですからね。
-
純正で流さなかったのが、改めて不思議なデザイン。
-
もともと純正LEDが横に並んでいる構造ですのでそのまま生かし、流れる回路に変えただけ、という感じですね。
-
ということは、外観は完全に純正と同じ状態。
-
そうなんです。光っていない時に見たら、まんま純正ですね。
-
純正LEDがどんどん明るくなってきているので、違うLEDを使って作るとなると、それは逆に難しい話です。
-
DIYで昔から使われてきた4本足のフラックスや、3チップLEDなどで加工するのは……
-
まったく太刀打ちできない明るさですね。いわゆるパワーLEDが、小型のチップサイズになっているのが、今の純正LEDですから。
-
となると、純正LEDを生かすのが加工のトレンドになるのかな。
-
ただ、それはあくまでも純正LEDが横に複数並んでいるケースに限られますよね。
-
ふむ。
-
例えば、ミラーウインカーのシーケンシャル加工です。
純正はLEDの点滅ウインカー
レクサスUXのドアミラーウインカーのシーケンシャル化はシビアだが可能
-
例えばレクサスUXでも、ミラーウインカーに関しては光源ひとつのLEDウインカーなんですよ。
-
純正は端ッコに1個だけLEDが入っていて、それを導光板で飛ばしているんです。
-
そんな手法で、明るさは出せているんでしょうか。
-
まあ、LEDが進化していますからね。3年位前の純正ミラーウインカーに比べたら、だいぶ明るいですよ。
-
……とはいえ純正LEDが1個では、どう回路をいじっても流れる回路にはできませんね。
-
こういう場合は、LEDを増設した上で、流れる回路を組みます。
-
これは、まさに加工中の試作モデルですが……
-
キレイに流れるウインカーになってるな~。
-
ここでは、純正がフロントウインカーで使っているのと同じLEDを並べてみました。
-
ほお。
では、フロントウインカー並に明るくなるの!? -
う~ん。フロントウインカーのような集光レンズ的なものがないので、フロント同レベルとはいきませんよ。
-
ふむ。
-
それと、ドアミラーウインカーの場合は、とにかく場所が狭いですから、放熱もシビアです。
-
……確かに狭そうですねぇ。
-
幅1センチくらいの細長い基板に、チップ型のパワーLEDを並べているんですが……
-
基板の後ろから、配線を出す空間もないような狭さです。
-
……え? でも、シーケンシャル化するなら配線はいっぱい出てきますよね?
-
だから、基板状で回路を作っていかないといけない。
-
む、難しそう。
-
普通のシーケンシャルウインカー加工に比べると、難しいってわけではないけど、とにかくやりにくいです。
-
ドMな加工者向きですね。
〈球屋〉にはピッタリ。 -
というわけで、同じパワーLEDを使ってはいますが、フロントに比べるとだいぶ電流を控えめに流しているんですよ。
-
それも熱対策かぁ。
-
ですからフロントウインカーほど明るくは作れませんが、十分な明るさは出ています。
-
ヘッドライトのフロントウインカーとセットで流れるサマは、非常に美しい。
-
両方同時に視界に入るので、違和感ないように、どちらも6ブロック流しで統一しています。
-
そっか。そういうところを合わせているのも、見栄えの良さにつながるんだ。
-
そうなんです。LEDの数は10個以上並べているので、ミラーウインカーだけなら10段階で細かく流すこともできますが……
-
普通はそうやりたくなるけど、なにがダメなの?
-
しかし、単にブロック数を細かくすることばかり考えていると、流れ終わるタイミングが揃いませんので。
-
あー!
なるほど。 -
レクサスの場合は、NXなどもそうですが、純正シーケンシャルはだいたい5~6段階ぐらいで流れています。
-
フムフム。
-
そういう場合は、ドアミラーウインカーにLEDが10個並ぶからといって、10ブロックに分けるのがいいとは限りません。
-
フロントウインカーとドアミラーウインカーで、違和感が生じてしまう。
-
そうですね。もっともレクサスUXの場合は、純正で流れる部分がまったくないから、さほど気にしなくていい問題ではありますが。
-
なるほど。そういうのも、「純正っぽく加工する」秘訣のひとつと言えそうです。
純正のミラーウインカー
✔ 純正の導光板は生かしつつ、その向こうにLEDを増設している。
1ブロックあたりの長さの目安
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
関連記事
- レクサスUXのヘッドライトを加工者目線でレビュー
- 殻割りが変わる!? レクサスUXヘッドライトに見る最新事情
- レクサスUXのテールランプを加工者目線でレビュー
- シーケンシャルウインカー専用リレーユニットの大本命登場か!?
- シーケンシャルウインカー自作教室(第1回)
- シーケンシャルウインカーの仕組みを初心者向きに解説
- パワーLEDは普通のLEDとどう違う? パワーLED自作のきほん
- 日亜化学のウインカー用パワーLEDは、要注目の存在
- パワーLEDの種類。自作・加工で扱いやすいモデルはどれ?
- パワーLEDでシーケンシャルウインカーを作るなら、どれが向き?
- パワーLEDを直列に3個つないで光らせる方法
- 純正LEDを生かした流れるウインカー加工とは?
- 流れるウインカー加工は、どんな車種でもできるのか?
- 純正風のシーケンシャルウインカー加工がハマる車の実例集