流れるウインカー加工は、どんな車種でもできるのか?
レクサスやC-HRのような流れるウインカーにしたいけれど、どんな車でも後付けは可能なのか? 純正ヘッドライトのウインカー部分が小さい車種でも、流れるウインカーにできるのか? そんな疑問が、最近急増中。
ウインカースペースが小さい車種はどうする!?
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「流れるウインカー加工ができる車と、できない車」について、解説したいと思います。最近、とてもよくある質問なので。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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後付け加工は、どんな車種でもできるわけではない?
●レポーター:イルミちゃん
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手段を選ばなければできますよ。ただ、そういう話ではなくて、現実的にカッコ良い流れるウインカーが作れるかどうか、という視点も大切です。
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それはそうだ。
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ポイントは純正ウインカーのスペースの問題です。例として、下の50プリウスのようにウインカー部分が小さい場合にどうするか、ということ。
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ウ〜ム。
このウインカーは、ゼッタイ横には流せませんねぇ。 -
こういうケースでは、2パターンの方法が考えられます。
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まず、パターン1のやり方は?
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「純正のウインカースペース内でLED加工を行い、短い連数でも流す」という方法。
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……あんまり流れている感が出ない気がしますけど。
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そうですよね。
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それではパターン2は?
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「純正ウインカースペース以外の場所で、流れるウインカーにできそうな場所があればそこに移設する」方法。
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おお!!
その手があったか! -
86前期の例だと、ポジションランプ部が狙い目です。(※純正のウインカー位置はフロントバンパー)
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これはまるで、流れるウインカーにしなよ! と言わんばかりのスペース。
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こういうケースなら移設できますよね。
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でもスモールランプがなくなりますよ?
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アクリル埋め込みやイカリングをスモール点灯させる場合は、純正スモールはむしろいらないってことになるし。
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そういうことか〜。
50プリウスのウインカーは……
内部で見るとリフレクター形状がよく分かる
スモールランプは別の場所で増設
イカリングとアクリルがスモール点灯。
ウインカーとしての光量確保が大前提
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……とはいえ。
移設すれば問題解決とは限りません。 -
……え!?
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移設先のスペースや奥行きの問題で、「光量が十分出ないだろう」と思われるケースでは、球屋の場合は「やめておいたほうがいい」と案内しています。
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特にウインカーは、光量が大切ですもんねぇ。
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そうなんですよ。イルミネーションとは違う、重要な機能ランプなので、光量の確保は優先事項です。
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じゃあ、インナーをバッサリ切ってウインカースペースをどーんと広げれば……、
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……それでカッコ良く作れるならいいんですけど、難しい話です。特に、最近の車のヘッドライトでは。
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それも確かに。切った貼ったの大加工は、どんどん難しくなっている印象。
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球屋でもいろいろな車の人から問い合わせを頂くんですが、結果的に、「できなくはないが、やめておいたほうが良いです」と回答するケースは多いです。
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そのへんが実に球屋らしい。
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純正では当然のごとくパワーLEDを使っているこの時代、狭い場所で砲弾型LEDや帽子型LEDを並べても、光量不足感がぬぐえません。
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え〜っと、じゃあ、後付けもパワーLED(↓)を使えばいいのでは?
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30アルファードで、実際にパワーLEDを使った例(↓)がありますよ。
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これは合計10発のパワーLEDを入れて、流しています。
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これなら、明るさも確保しつつ流せますね。
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ただ、パワーLEDは放熱対策をしっかり取らないと使えません。
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それと、できる限りLEDの粒々(光源)を見せないようにしたい、という点も球屋ではこだわっているので……、
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アクリルを使ったりするのも、そのためですもんね。
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そうなんですが、アクリルを通した上でウインカーとして必要な光量を出すためには、それなりの奥行きが必要になるんですよ。スモール点灯とは違うんです。
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やっぱりスペースの問題がついて回るのか〜。
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30アルファードは奥行きの問題もクリアできているから出来ますが、同じ手がどの車種でも使えるわけではない。
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いろいろ考え出すと、「ライト加工すれば何でもアリ」っていうのも違うなぁ、確かに。
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「カッコ良く自然な見た目で流せる」。そして「ウインカーとしての光量が確保できる」の2点を条件とすると、「無理にやらないほうがいいケース」も、たくさんあると思いますよ。
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流れるウインカーブームに流されないのも大切ってことですね!
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……(;^_^A
50プリウスのヘッドライト
普通のLEDとは、1発あたりの光量が比べものにならない。詳しくは「パワーLED自作のきほん/普通のLEDとどう違う?」参照。
放熱性を高めるため、アルミで基板から製作
アルミは電気を通してしまうので、当然ながらショート対策もぬかりなく行う。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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