フロントにキャンバー角を付ける方法

基本的なフロントキャンバー角の付け方は「車高調のアッパーマウントでキャンバー調整する方法」で解説しているが、アッパー調整だけではほとんど倒れて見えないミニバンやコンパクトカーの場合はどうするのか!? その場合の対策について、プロに教わる。

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  フロントのキャンバー角は、リアと違ってピロアッパーなどで倒せるのがいいですよね。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  そうなんですけど、普通車のコンパクトカーとかミニバン系は、「車高が低くなればなるほどフロントのキャンバー角が付きにくい」車種が意外と多いのです。

  ●アドバイザー：Jライン 氏家研究員

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  え？ 車高って下げれば下げるほど、キャンバー角が付くイメージだったんですけど？

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  そうですね。セダン系とかはまさにそうですよね。ところがアルファードとかのミニバン系、それとプリウスもそうなんですけど、「車高を下げるほど逆にキャンバー角が起きてくる」車種も多いのです。

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  ええー!?
  それって「ハの字」にならないのでは？

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  タイヤにカブるほどの低車高になると完全に上側が開いてしまうので、極端な言い方をすると「ハの字」どころか、「ソの字」に近づくイメージですね。

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  「ソの字」
  ……カッコ悪ッ。

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  足まわりの構造上、そういう動きをするんですよね。

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  でもノーマル車高で1度位のキャンバー角は付いている、という話がありましたが？（※「リアキャンバー角の深い話」）

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  それが車高を落とすと逆に起きてくるわけです。

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  ということはピロアッパーの効果を打ち消してしまう？

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  そうなんですよ。30アルファードを例にすると、低車高にした場合、ピロアッパーを全開倒ししてもほとんど真っ直ぐ立っているようにしか見えないですから。

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  そんなぁ……。

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  だからこの手の車種は、車高調のピロアッパーマウントだけでなく、キャンバーボルトも併用して……で、ようやくこの位のキャンバー角が付くんです。

ピロアッパー＋キャンバーボルトでこの位

Jラインの30アルファード。ピロアッパーとキャンバーボルトを併用しても極端に倒れてはいない。

30アルファードのデモカーは試作品のフロントロアアームを装着。

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  アレ？ 考えてみるとキャンバーボルトも普通車用って、Jラインは出してませんよね？ 確か軽自動車だけだったような……

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  普通車用のキャンバーボルトは、「製品版」としてはやってないんですよね。

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  なんですか。そのビミョウな言い方は。

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  お店に直接来るお客サンに「ワンオフ対応」という形ではやっていたのです。

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  出たー。「車高のズルイ話」!!  つまりJラインの普通車用キャンバーボルト自体は存在していると？

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  そうなんです。でも公表はしてないしホームページにも載せてません。

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  相変わらず商売気のない。ちゃんと製品化したら、欲しい人が続出すると思いますが…。

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  実はちゃんと製品化する予定もあるんですよ。

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  え、J-LINEが普通車用のキャンバーボルトも発売すると？ コレまたスクープ☆✩

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  現在開発中です。普通車用は車種ごとに足まわりも違うので、何種類かのキャンバーボルトを同時に開発しています。それで時間がかかるのです。

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  では幅広い車種に対応できる？

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  コンパクトカーから大型のミニバンまで。車種ごとの適合を、今いろいろと調べていまして……これがまた大変で…。

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  早く出してくださいよ！ 待ってる人がいっぱいいるんですから。

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  え〜っと量産にも時間がかかるので、発売は5月頃かな〜と思います。

Jラインのキャンバーボルト

写真は超ロングセラーの軽自動車用。Jライン製は強度・精度の面で安心できるのが人気の秘密。

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  とまあ、いろいろな方法を紹介してきましたけど…

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  正直、キャンバー角重視の人からすると、ここまでやっても物足りないと思うかも知れません。

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  確かに。
  でもそれが限界なんですよね？

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  他の手段としてはショックのブラケットを加工して（長穴加工する）、ショックの角度そのものを倒す方法などもあります。

  ※「車高調のブラケット加工でキャンバー角を付ける」参照。

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  そういうのをワンオフ加工でやる場合もある？

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  ミニバン系ではよくあります。ピロアッパー＋キャンバーボルトだけでは物足りない、という人が多いので。

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  その場合は、もちろんロアアームも交換する前提ですか？

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  そうですね。それはやらないと、ドライブシャフトがドン突きしてしまいます。

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  リスクも増えるわけですね。

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  それと左右ショックを厳密に同条件で加工するためには、精密な切削機械がないとできません。どこででもできる加工というわけではないです。

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  Jラインに直接クルマを持ち込める人なら、こういった多彩なメニューでフロントキャンバー角を付けることが可能ってことですね〜。

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クルマを直接持ち込めば、メニューの幅は増える！ 足まわりに強くなりたいならJ-LINEに行くのが一番の近道。