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黄色フォグランプは車検に通らない、という誤解。「淡黄色」とは何か?
「黄色フォグランプは車検に通らない」と誤解している人が多いのだが、それは一体なぜなのか。保安基準で規定されているフォグランプの色は「白または淡黄色」。聞き慣れない・見慣れない「淡黄色」とは何か。改めて明確に解説する。
フォグランプの色は黄色でも合法!
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今日の議題は、「黄色フォグランプと車検」について。
●レポーター:イルミちゃん
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フォグランプの色は、「白」または「黄色」なら車検には通りますよ。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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そのことは以前、「車検に通るフォグランプの条件」で教わりましたが……。でもですよ!? 市川研究員。
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ハイ。
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「黄色フォグランプは車検に通らない」と誤解している人が、世の中にはまだまだ大勢いるみたいです。
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あー、確かに。「黄色はダメ」と思っている人は、意外と多いようですね。
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ですので、改めてハッキリさせておくべきかと!
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「フォグの黄色がダメ」というのは、まずヘッドライト(ロービームとハイビーム)の話と、混同してしまっているのかも知れませんね。
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ヘッドライトは、(今の車は)白色でないとダメですね。
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平成17年12月31日以前の車は「黄色」もOKでしたが、平成18年1月1日以降の車では、「白色」しか認められていません。
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しかし、黄色がNGとなったのはヘッドライトのみですね。
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そうです。
フォグランプは、昔も今も「黄色もOK」です。 -
まずは、この点が誤解の原因その1、といったところでしょうか。
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そもそもの話ですが、IPFの黄色フォグランプは、自動車メーカーに純正オプションとしても採用されていますよ〜。
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この他、ディープイエローフォグバルブも純正採用されています。
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車検に通らないモノが、純正採用されるわけありませんね。
スズキ車で純正採用されているIPF製フォグランプ。※写真は白だが黄色もある。
「淡黄色」って「黄色」とどう違うの?
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次によくある誤解が、「淡黄色(※)」という表現の問題。DIYラボでは分かりやすく「黄色」と表現していますが……
(※)「たんおうしょく」と読まれることがあるが、正確には「たんこうしょく」と読む
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保安基準の規定では、フォグランプの色は「白または淡黄色」という表現が使われていますね。
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そうなんです。それで、「淡黄色なら車検に通るけれど、普通の黄色はダメ」と思っている人もいるんです。
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淡黄色という言い方が、誤解を招いているケースはありますね。実際。
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「淡黄色」って、淡い黄色と書きますから、「黄色より薄い黄色」という風にとらえてしまう向きもあるみたい。
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確かに言葉通りに受け取ると、そんなイメージかもしれません。
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そのせいで、「黄色は車検NGでも、薄いレモンイエローなら車検に通る」などの解釈も出てくるようなんですが……
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その認識はちょっと違いますね。自動車ランプにおける「淡黄色」は実質、黄色のことですから。
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「黄色ランプ」とは別に「淡黄色ランプ」があるわけではない?
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淡黄色の光は、皆さんが一般的に考える黄色です。日本の法規は欧州に沿っている面が強いですが、欧州の規格では「イエロー」とうたわれています。
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イエローってことはつまり、「黄色」だ。
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そうなんです。イエローが日本語の法規(保安基準)の文言では、「淡黄色」となっています。
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ならば、最初から「黄色」でいいのに!
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まあ、そうなんですが、「橙黄色(※)」も出てくるので、それよりは薄い黄色という意味で、淡黄色の表現が使われるようになったのかも知れませんね。
(※)「とうおうしょく」とも読まれるが、「とうこうしょく」と読む。
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……なんですか?
その橙黄色って? -
ウインカーのアンバー色のことです。黄色をオレンジ寄りにしたような色ですよね。
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ふむふむ。
それは明確に、黄色とは別の色ですね。
「橙黄色」はオレンジに近い黄色。それに対して、「淡黄色」が普通の黄色という関係性です
法規上の表記 | 読み方 | |
---|---|---|
淡黄色 | たんこうしょく | █(イエロー) |
橙黄色 | とうこうしょく | █(アンバー) |
「淡黄色の範囲」は規格で決まっている
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「淡黄色の範囲」とは、ケルビン数のことでしょうか?
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いいえ、違います。色の定義として「座標」みたいなものがありまして……
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座標……ですか。
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「色度座標」というのがあるんですが、X軸がいくつで、Y軸がいくつなら、この黄色! と、実はJIS規格で厳密に決まっているのです。
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へぇ〜。
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で、「淡黄色」の範囲というのは、こうなっているんです(↓)
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色っていうのは、つまるところ座標で表現できるんですね。
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そうなんです。
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そして、淡黄色の座標はひとつではなくて、範囲があるんだ。
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IPFでは黄色いフォグバルブを開発するにあたって、この中に収まるように、厳密に開発しています。
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ど真ん中を突くってこと?
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いいえ。IPF製の黄色フォグLEDバルブは、「濃い黄色」にこだわっていますので……
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そういえば一般的なレモンイエローとは違う、ディープイエローがウリでしたね。
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そうなんです。
「濃い黄色」だけど、「淡黄色の範囲」です。 -
この点からも、「薄いレモンイエローじゃないとダメ」というのは、完全に誤解だということが分かります。
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というか、むしろLEDバルブの場合は、レモンイエロー色だと淡黄色の範囲から外れてしまう可能性があるんですよ、実は。
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ええー! ということは厳密に言ったら、そっちのほうが車検NGの可能性もあるってこと?
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そうなんですが、車検の色判断は目視です。薄い黄色でも、人間の目には黄色と見えますからね。
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なるほどね。まあレモンイエロー問題はさておき、「淡黄色」というビミョウな表現で、「普通の黄色がNG」と誤解しないように注意しましょう。
色度範囲図。
IPFの黄色のこだわりは、「フォグランプを黄色にする意外なメリット」参照。
フォグランプをLED化するときの注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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