ドレスアップの気になる話題
フォグランプを黄色にする意外なメリット
フォグランプの光の色は白が一番人気。しかし「黄色」という選択肢もある。よく知られている一般的な黄色フォグのメリットは、悪天候時に濡れた路面が見やすいことだが、ドレスアップ的な観点からの意外なメリットもある。読むと「黄色」を選びたくなるかも。
悪天候時に黄色が見やすい、と言われる理由
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フォグランプには、「黄色」という選択肢もありますよね。
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。ヘッドライトと違って年式に関係なく、黄色フォグでも車検に通りますから。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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となると、白フォグと黄色フォグって、どっちがいいんだろう?
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スタンダードなのはもちろん白ですね。IPFのフォグの例だと、75%の人が白、25%の人が黄色を選ぶデータがあります。
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少数派とはいえ、黄色派もいるわけだ。黄色を選ぶメリットってありますか?
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見やすさでいうと、悪天候時に強いのが黄色ですね。白はHIDでもLEDでも、路面が濡れていると見づらくなりますので。
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なぜ、色によって見やすさに差が出るんですか?
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そもそも夜間、人間の目に路面が見えるのは、実際には路面に反射した光が人間の目に戻ってくるからなんですよ。
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ところが雨が降って地面に水が溜まると、光が路面に届く前に、水面に乱反射してしまったりします。つまり人間の目に戻ってくる光の量が減る。
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だから路面が見づらくなる。
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そうなんですよ。ところが黄色の光は、白よりも波長が長い。それで水を貫通して、路面に届く光の量が増えます。
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それで「悪天候時には黄色が強い」と言われるのかー。
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ただし! LEDフォグランプの黄色に関しては、デメリットもあります。
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デメリット?
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LEDは消費電力が小さくて発熱しないので、雪が降った場合にはレンズ面に付着した雪が溶けません。
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う〜む。
意外な盲点ですね。 -
というわけで、黄色LEDフォグが悪天候に強いというのは、あくまでも「雨」に限っての話なんですね。
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悪天候に黄色が強いといっても、雪はまた別ってことか。
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だから雪国で一番見やすいフォグは、「黄色LED」ではなく「黄色ハロゲン」ということになりますね。
4人に1人は黄色フォグを選んでいた
人間の目は、路面に反射して戻ってきた光を見ている
ヘッドライトとフォグの色合わせは厳密には難しい
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ヘッドライトにHIDやLEDなどを付けていて、フォグランプと色を合わせたい! という人は多いですよね。
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ドレスアップの手法としては定番ですね。そもそもポジションLEDの目的だって、色合わせだし。
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そうなんですけど、白と白で厳密に色合わせするのって、現実的には難しいんですよ。
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同じケルビン数のバルブで揃えればいいのでは?
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まず、同じケルビン数でもメーカーによって色味が異なります。
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じゃあ、どっちも同じIPFの6500ケルビンで統一すればカンペキでしょう?
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ところがそれでも、まったく同じ色にはなりません。
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えー!!
なんでですか? -
そのバルブを収める灯体が違うからですよ。ヘッドライトとフォグランプでは、灯体サイズが全然違う。
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それもそうか。
フォグランプは小さいですよね。 -
だから色の密度が違うっていうか、同じケルビン数のバルブを入れても同じ色に見えなかったりします。
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ハスラーはまだ合っているほうです。ヘッドライトがプロジェクターだった場合は、プロジェクター自体の色味みたいなものも出てきます。
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そういえば……。中にはヘッドライトのレンズに色が付いている車種もありますね。
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その場合は完全に合わないですよね。一部ホンダ車とかでありますね。ベゼルの作りで、青っぽく見せていたり。
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そもそもヘッドライトとフォグランプでは、作りが違うんだなぁ。
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車種にもよりますが、上手く色が合わない車種はけっこう多いと思います。
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言われてみれば。
ドレスアップの泣き所ですね。 -
だいたい色が合っていればいいよ、という人はいいですけどね。
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カンペキな色合わせを望むと難しい。
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だから「どうせキッチリ合わないんだったら、全然違う色……黄色に振ってしまおう!」というのはドレスアップ的にもアリです。
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なるほど。白×白で色が微妙に合ってない状態より、白×黄色ってことか。
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そうなんです。
好みの問題ですけれど。
どっちも6500ケルビンのLEDで統一
ヘッドライト白、フォグ黄色というスタイル
黄色にもケルビン数の違いがある!
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IPFの白LEDフォグランプは、6500ケルビンなんですよね。では黄色は?
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2400ケルビンです。IPFの黄色フォグは、一般的な黄色LEDバルブよりケルビン数が低めです。
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あれ?
白は高めがこだわりなのに、黄色は低めがこだわり? -
ですね。黄色を濃く出したかった。一般的なレモンイエローではなく、ディープイエローになってます。
「極黄」がウリのIPF製LEDフォグバルブ
IPFのLEDフォグランプバルブ。写真はH8/11/16兼用タイプ(104FLB)だが、HB4タイプ(154FLB)、PSX26Wタイプ(164FLB)も設定されている。
同じLEDバルブでも、明るいのは黄色より白?
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なお、ルーメンでいうと白LEDフォグは2700ルーメン(左右合計値)なのに対して、黄色は2000ルーメンになります。
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え? ケルビン数だけじゃなくて、ルーメンも違うんですか??
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そうなんですよ。
ルーメン値でいうと白のほうが明るいです。 -
へぇ、そんな違いもあるんですね。
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これはバルブの作りの違いです。白のLEDフォグバルブは、LEDチップの光をそのままダイレクトに使っているのに対して、黄色は、チップから出ている光を黄色フィルターに透過させているんです。
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IPFのコダワリとして、光源にも電球色のLED素子を使った上で、薄い黄色フィルターをかけている。これで明るさの犠牲は最小限に抑えつつ、黄色を濃くしています。
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それでも、何もフィルターをかけない白のほうが明るい?
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そうなんですよね。だから、とにかく明るさ最優先! ということであれば、やはり選択肢としては白ですね。
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なるほどぉ。意外な観点からも白フォグと黄色フォグを比較してきましたが……最終的には好みの問題です!
黄色フォグLEDバルブのルーメン値に注目
黄色LEDフォグバルブはフィルターを透過させている
フォグランプをLED化するときの注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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