ドレスアップの気になる話題
雪道を走るなら、フォグランプは黄色ハロゲンが正解!?
結論から言って、雪道を走るならフォグランプは黄色ハロゲンがおすすめ。市場の人気はLEDやHIDだが、今、ハロゲンを推すのには明確な理由がある。「フォグランプバルブを交換するなら、LED一択!」と決めていた人も、考えが変わるかも。
LEDフォグランプの弱点とは?
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以前「フォグランプの〈LED化〉〈HID化〉を比較」したときには、フォグランプはLED化するのが合理的だというお話をしました。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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最近のエコなフォグは、HIDを入れると熱で灯体が溶けてしまうから、ですよね。
●レポーター:イルミちゃん
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そうなんですが、LEDの消費電力の少なさが、裏目に出るケースもあります。
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え?
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それは、「雪が溶けない」という問題。
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LEDも発熱はしますが……雪は溶けない?
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LED化したフォグランプは、前面レンズはほとんど熱を持ちませんので、レンズ面に付着した雪が溶けず、どんどん積もってしまいます。
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フォグが雪に埋まると……どうなるんだ?
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そういうときはもう、フォグがないのと同じです。
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本来、悪天候時の補助灯という意味合いのフォグランプなのに。
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そうなんです。LEDフォグバルブの唯一の弱点がこれですね。
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……と言うことは、雪道を走る人は、HIDのほうがいいんだ?
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いいえ。HIDだと結局、熱の問題で灯体がダメージを受けますので(※昔のH11など、消費電力の大きいフォグランプは除く)。
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あらら。
じゃあ、どうすればいいんですか? -
雪に強いのは、ハロゲンバルブですね。
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純正から交換するな、という話かぁ。
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……いやいや。社外品のいわゆる高効率ハロゲンバルブがあるじゃないですか。
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そうか!
なんか昔に戻ったような話ですが…… -
雪国に住む人や、ウインタースポーツに出かける人には、今も「フォグランプはハロゲンバルブがオススメ」です。IPFでも、主力製品はLEDでも、ハロゲンバルブは継続していますよ。
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そうだったのか〜。
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ハロゲンのフォグランプは、点灯していると前面レンズは触れないほど熱くなります。
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それで雪が溶けるんだ。
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ただ、サラサラ雪のときは、LEDのほうが逆に着雪しないというのはあります。
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では、ベタベタ雪のときは?
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ベタベタ雪だと、LEDフォグは完全にくっついてしまいます。そして、くっついたら一切溶けないのがLEDです。
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LED信号機で指摘されている問題点と同じですね。
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もっともこれは程度問題。じゃんじゃん雪が降っている時に走行していると、ハロゲンの熱でも追いつきません。
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それはそうでしょうね。
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それでもLEDよりはずっといい。しばらく停車していれば、溶けてきます。
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なるほどね。
LEDフォグはキレイで明るいけれど、雪に弱い
交換用のハロゲンバルブ
IPFの高効率ハロゲンフォグバルブ。LEDバルブが主流になっている今でも、ハロゲンフォグは一定人気がある。
ハロゲンフォグが雪を溶かし、LEDが溶かせない理由
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順番でいうと、LED<HID<ハロゲンの順で雪を溶かすチカラが増します。
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真逆なんだ。
市場のニーズと。 -
まあ要するに消費電力なりの順番ですが、理由はそれだけではありません。
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ほほう。
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ハロゲンバルブは、光といっしょに熱放射が出ています。だから前に熱が来る。
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そういえば……フォグランプの前に手をかざすと、温かいです。
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対して、LEDは熱放射がほとんど出ない。
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ほー。
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LEDチップ自体は発熱しますが、その熱はヒートシンク(放熱器)のほうに行ってしまいます。だからレンズ面の熱溶かしにはまったくもって効果がない。
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HIDは?
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LEDよりは熱放射が出ていますが、ハロゲンほどは出ていません。
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そういう違いなんだ。
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だから欧州の国などでは法規上で、LEDやHIDの車には、ウォッシャーかワイパーが付いていないといけなかったりする例も。
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おぉー。
さすがだなぁ、欧州車。 -
日本はLEDヘッドライト車でも、何も付いてなかったりしますけどね。
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でも日本だって、雪国の人には、重要な問題な気もしますけど……。
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そうですね。だから、雪道を走るなら「冬場はハロゲンにする」という対策でもいいと思います。
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それって……。
夏はLEDで? -
ハイ。ハロゲンは値段も手軽だし、フォグランプ本来の使い方でいうと点灯時間はそんなに長くないから、ハロゲンバルブでも相対的に長持ちします。
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LED派でも、ハロゲンバルブを1セット持っておけばいいのか。
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そして「スタッドレスタイヤに履き替えるときにバルブもハロゲンにする」……みたいな。
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なるほど、その手があったか。まあ確かにバルブ交換は、タイヤ交換よりよっぽどラクですね。
LEDバルブも熱は持つが、放射されない
熱は後ろのヒートシンクから、後部に放熱する仕組み。
明るい割には雪溶かしパワーはハロゲンに負けるHID
「雪」という条件下では、黄色ハロゲンバルブが最強
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以前「フォグランプを黄色にする意外なメリット」で、雨で路面が濡れている状態では「黄色フォグが見やすい」という話をしました。
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そういえば。
黄色は悪天候に強いって言いますね。 -
路面が濡れていると、白い光は乱反射しやすい。対して黄色い光は波長が長くて貫通力があるので、路面に光が届きやすい。
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それで「雨」の日は、黄色フォグが見やすいんですね。
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そして、「雪道での見やすさ」でも、黄色のほうが上なんです。
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……ということは、「雪を溶かすハロゲン」と「路面が見やすい黄色」を組み合わせると!
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「雪」という条件下では、「黄色ハロゲン」が最強ということになります。
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雪道最強フォグ!
なんか頼れそう。 -
LEDフォグバルブにも黄色はありますが、雪を溶かせない。だから「雨」「霧」には強いけれど「雪」には弱い。
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雪だけは苦手なんだ。
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対して黄色ハロゲンなら、「雨」「霧」「雪」のどれにも強い。
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これは納得できる話だ。
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雪を溶かす、という意味だけで言うなら、ハロゲンバルブの青白系もありますが……
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これはどちらかいうと、見やすさというよりドレスアップ要素が強い。
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フムフム。
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そしてドレスアップ視点で「白」を選ぶならば、「LEDの白」のほうが、色味も断然キレイだし明るいです。純白さという視点でも、白ハロゲンは白LEDに及びません。
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ドレスアップ性なら白LED、実用性なら黄色ハロゲンってことか。
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あるいは雪が関係ないなら、黄色LED、ということになります。
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あれ?
そうすると白ハロゲンの出番は、あまりない? -
ですね。正直に言うと、LEDがある今となっては、価格以外のメリットはあまりないです。白ならLEDがオススメだし、黄色なら、雪道を走るかどうかで分かれる。
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そういうことかー。
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「黄色がどうしてもキライで、雪道を走る」という人なら白ハロゲンという選択肢もありますけどね。
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……というわけで、自分がフォグランプに何を入れるべきか、皆さんも考えてみてくださいね。
雪道最強の黄色ハロゲンフォグバルブ
IPF製は黄色の濃さにもこだわりがあり、一般的なレモンイエロー色のフォグとは異なる「極黄」。2400ケルビン相当。詳細はIPFのHP参照。
白ハロゲンフォグ
6500ケルビンの青白光で、ドレスアップ性の高いハロゲンバルブ。詳細はIPFのHP参照。
白ならLEDフォグ
フォグランプをLED化するときの注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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