工具大好き!
車の電装DIYに必要な工具は? 選び方を電装のプロに聞く(第1回)
車の電装DIYに必要な工具を、電装のプロに取材。工具の値段はピンキリだが、ここではコストパフォーマンス重視の目線での工具選び。プロが普段使っていて、あまり高価ではなく、しかも十分使いやすいアイテムがわかる。まず第1回は、おすすめの「電工ペンチ」から。
コストパフォーマンス重視で工具を選ぶ!
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今日のテーマは、電装DIYをやるなら揃えておきたい工具。いろいろあるので、何回かの連載に分けてお送りしたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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あー、いいですね。
工具の話。●アドバイザー:DENKUL 岡本研究員
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というわけで! アドバイザーは、DIYラボ研究員きっての工具マニア、岡本研究員です。
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……でも、僕はあんまり値段の高いブランド工具などは、使っていませんよ?
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知ってます。
だから岡本研究員に聞いているので。 -
……はあ。
なんかバカにしてる? -
いやいやいや。現実的な値段で十分使いやすい「コストパフォーマンスの高い電装工具」を教えてほしいのです。
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ああ、そういう企画趣旨なんですね。
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電装のプロとして活動していながら、「あまり高い工具は買わない」という岡本研究員なら、リアリティがあっていいなと。
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……その言われ方はなんかアレですけど、まあ、合ってるか。
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それではさっそく。
突撃&拝見! 岡本研究員の工具箱〜〜♫ -
まず工具箱からして、売ってる既製品そのままではない。ココからデンクル・岡本流ですねぇ。
岡本プロの工具箱。魚釣り用のボックスをベースに、縦置き工具箱を自作。この箱の作り方は「工具箱の整理術 縦置きにこだわる!」で詳しく紹介している。
電装のプロがおすすめする電工ペンチとは?
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まずは、端子の圧着に使う電工ペンチ。これは必須ですよね〜。
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電工ペンチはいろいろ買ったなぁ。
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岡本研究員の電工ペンチを見せてください。
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あ、持ってきたので、出しますね。
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電工ペンチばっかりこんなに買って……!! 貴族かッ!
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……あ、いや、これは今まで買ったやつを、全部持ってきただけで……
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電工ペンチなんて、1本あれば十分でしょう?
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もちろん、普段使っているのは僕も1本だけですよ。正確に言うと、超細線用は必要なので、2本あるといいですが。
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ほお。
では普段の仕事で、メインで使っているのはドレ? -
ハイ。
コレ(↓)ですね。 -
エンジニアの電工ペンチは、どのあたりがお気に入りなんですか?
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これねぇ……。
説明が感覚的になってしまうんですが……、 -
フムフム。
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なんていうかね、すごく使いやすいんですヨ♪
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……説明が抽象的過ぎる。
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じゃあ、もう少し具体的に。エンジニアの電工ペンチは、まず軽い。そして開いたり閉じたりの動作が気持ち良いというか……、
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あ〜。
そういうのは、工具によって違いますね。 -
決定的なのは、ギボシ端子をかしめた時に、キレイな形で圧着できること。
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ほほう。端子をかしめるのは電工ペンチならドレでも出来るわけですが……、
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ギボシ端子をたくさんかしめたことのある人なら分かると思うんですが、キレイに出来る時と出来ない時があるじゃないですか。
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それは、ありますね。
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それって、工具のせいでもあるんです。
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なるほど。
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この点でエンジニア製はブレやガタがなくて、精密に作られているな、という感じがします。それが仕上がりの差になって出る、というか。
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へぇ〜。
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あと、人によっては、配線のカットや被覆剥きまで電工ペンチですると思うんですが……、
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確かに。
電工ペンチ1本で全部できますよね。 -
そうなんですけど、僕は配線のカットはニッパーを使うし、被覆剥きに関しては専用のワイヤーストリッパーを使います。
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それぞれ専用工具を使うってことですね。まあ、プロの人はだいたいそうしていますね。
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専用工具が一番やりやすいですからね。……ただ、となると、電工ペンチの使用シーンは、ほぼ端子のかしめ作業に限定されるわけですよ。
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岡本研究員にとっての電工ペンチは、ギボシ端子のかしめ(↓)専用?
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それか、スプライス端子のかしめ(↓)ですね。
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つまりこの2つの端子のかしめの時だけ、電工ペンチが出てくるんだ。
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そうなんです。だから「端子のかしめがやりやすくて」「キレイにできる」のが、理想の電工ペンチ。そういうことになるんですね。
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そりゃそうだ。
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ギボシ端子を気持ち良くかしめる、という点でいうなら、エンジニアの電工ペンチはオススメです。
岡本プロの電工ペンチコレクション
ENGINEER(エンジニア)の電工ペンチ(PA-03)
エンジニアの「コードプライヤーPA-03」
なんといってもこの作業が重要!
被覆剥きに電工ペンチは使わないらしい
ギボシ端子のかしめ方の基本は、「ギボシ端子の正しいかしめ方(付け方)」参照。
スプライス端子は、「配線の分岐方法。プロ流はスプライス端子」などで詳しく使い方を解説。
DIY Laboアドバイザー:岡本 亮
「カプラーオンで簡単に取り付けできる」をテーマにした電装品を開発するDENKUL(デンクル)代表。車の電装、プログラミングの双方に長けている。工具大好き。●DENKUL(デンクル) http://denkul.jp/
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