配線のショート対策
配線むき出しでショートするリスクを回避するための、配線保護術╱実践編
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配線は場所によっては「被覆が切れてむき出しになってショートする」リスクがある。そこで配線を保護するアイテム3種類とその使用方法を、LED加工のプロがガイド。車内と車外での使い分けについてもわかる。
配線むき出しではなく、ハーネス用保護テープを巻く方法
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「配線むき出しでショートするリスクを回避するための、配線保護術」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
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配線を保護する意味が分かったところで、実践編です。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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で、どうやって保護するのかというと……
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これまでに僕がよく使っていたのは、ハーネス用保護テープでした。
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これを配線にクルクル巻いていきます。
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巻けばいいだけ?
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はい。巻けばいいだけですが……けっこう手間はかかりますね。
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フロントからリアまで、2メーター以上配線があったりすると……
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かなり時間もかかります。でも、今はもっといいものが出てきました。
エルパラで販売しているハーネス用保護テープ 扱いやすい19ミリ幅でタップリ25メーター巻き。
保護する必要のない(?)保護配線も登場
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今は2芯ビニールケーブルというものがありまして、これを使えば巻く手間もなくなりました。
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これはチューブに配線を通しているの?
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そうではなくて、最初からビニールで覆われた配線なんですよ。
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ホー。最初から保護された配線なんだ。
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この内部には、AWG20(0.5スケア)の配線が2本通っています。
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つまりプラス線とマイナス線を、これ1本でいっしょに延長できる!
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あるいは、1本で行って帰ってくるようなUターン配線にも使えますよね。
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ああ、そうか。べつにプラス線とマイナス線に対して使うとは限らないし。
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そうですね。「スライドドアLEDのやり方」でやっていたような、テールランプから取ったイルミ電源を運転席まで延長してスイッチをかませて、またリアに戻す……というような場合にも重宝します。
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プラス線の往復に使えるわけね。
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そうですね。どっちもプラス線とか、どっちもマイナス線に使うとか。用途はいろいろかと。
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なるほど、なるほど。
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太さは今のところ一種類ですが、LEDカスタムにおいては0.5スケアよりも太い配線はほとんど使わないので、この配線だけでも十分かなと。
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どうせ巻かないといけない場面では、最初からこれを使えばいいんだ。
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ハイ。2芯ビニールケーブルのほうが、作業的には圧倒的にラクです。
エルパラで販売している2芯ビニルケーブル 必要メーター数を指定して購入でき、1本モノの最長は10メーター。
車外の配線ではコルゲートチューブに安心感あり
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それからこれは、もうひとつの選択肢、難燃性コルゲートチューブです。
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用途は同じで、配線の保護に使います。
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ハーネス用保護テープを巻くよりはラクにできそうだけど、2芯ビニールケーブルと比較してどうなんですか?
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今となっては、僕は2芯ビニールケーブルが一番いいですね。
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その理由は?
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コルゲートチューブを使うと、外径が少し大きくなりますから。
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あー、それは確かに言えてる。
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狭い場所に配線を通そうとする場面では使いにくいですね。
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なるほど、なるほど。
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その意味では、コルゲートチューブは車内の配線に使うよりも、外装のLEDカスタムで使うほうが実用的です。
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ほう。
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例えばアンダーLEDなどの腹下配線や、エンジンルーム内の配線ですね。
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外装なら、極端に狭い隙間を通す場面はあまりないので。
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多少太くなっても問題ないんだ。
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いっぽうで水もかかるし風も受けつつづけるような場所ですから、当然ながら配線の被覆の劣化も早いです。
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ふむ。
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こういった外回りの配線には、コルゲートチューブは向いていると言えます。
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2芯ビニールケーブルより、こっちのほうがいいと?
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理想を言えば、2芯ケーブルを使ったうえで、5.2Φのコルゲートチューブで覆っておくのが一番イイ方法だとは思います。
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二重にガードする。
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コルゲートチューブ自体、長年使っているとパリパリになってきますので、二重に保護しておくほうが安全かなと思います。
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車外の配線は、それだけ過酷な環境にあるから。
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いっぽう車内配線なら、2芯ビニールケーブルだけで十分だと思います。
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なるほど。ではどちらにせよ、ハーネス用保護テープの出番はもうないのでしょうか?
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そんなことはないですよ。ハーネス用保護テープのメリットもありますので。
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どんな?
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「2芯ビニールケーブル」も「コルゲートチューブ」も、ちょっと固いんですよ。
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フムフム。
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配線の取り回し上、柔軟性が必要になるような場面では、ハーネス用保護テープを巻くほうがいいんです。
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それなら配線の柔軟性が残る。
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そういうことですね。普通の配線と同じような柔軟性を保てます。
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クネクネさせながら配線を取り回したいときは、ハーネス用保護テープがオススメ。
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そうですね。使い分けが有効です。そして使うとすれば室内配線です。
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配線を通す場所に応じて、適切な保護方法を選べるといいですね。
エルパラで販売しているコルゲートチューブ 3m 太さは5.2Φ、7Φ、10Φの3種類あり。
電装のプロがやっている配線保護の方法についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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