LEDパーツの修理
LEDハイマウントストップランプの球切れは車検に通らないが、修理はできるのか?
LEDハイマウントストップランプの球切れ問題。1個でも切れていたら車検に通らないので、車検で指摘されて初めて気付くこともままある。そんなLEDハイマウントストップランプの球切れ修理依頼が、最近増えているもよう。その背景にある事情を解説する。
古い車のLEDハイマウントストップランプの球切れ修理依頼が増えているという
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今日は、LEDハイマウントストップランプの球切れ問題を取り上げます。
●レポーター:イルミちゃん
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LEDハイマウントストップランプには何十個ものLEDが使われていますが、そのうち1個でも切れていたら車検には通りません。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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……不点灯灯火のルールがちょっと厳しすぎる気もしますが、そのあたりはLEDテールランプの球切れ問題と同じなんですよね。
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LEDテールランプの修理依頼は以前から定番でしたけど、最近はLEDハイマウントストップランプの修理依頼も増えてきてますね~。
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それはなぜなんでしょう?
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LEDハイマウントストップランプの場合は、これまでは部品ごと(丸ごと)交換してしまう人が多かったんだと思うんですよ。
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あー。テールランプみたいには高価ではなさそうだし?
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しかし年式の古い車になってくると、純正部品の入手自体が難しくなってきます。
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そりゃそうだ。
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そうなると、車に付いている現物のLEDハイマウントストップランプの球切れを修理するしかなくなります。
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なるほど、そういう流れか…。
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最近の例を挙げると、13シルビア後期のLEDハイマウントストップランプの修理の依頼がありました。
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ハイマウントストップランプって、そんな時代からLEDが使われているんだ!
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リアウイングに付いている細長いタイプのハイマウントストップランプは、LEDだったみたいですね。
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これって、今ではとても貴重な車のパーツだ。
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そうなんですよ。部品がなかなか入手できなくなっている車の球切れは、修理するしかないわけです。
LEDハイマウントストップランプ球切れ修理の注意点
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LEDハイマウントストップランプの球切れ修理は、どうやるのでしょうか?
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テールランプと同じでハイマウントストップランプも溶着されているので、ヘッドライトのように熱で分解することはできません。
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ということは、切るしかない。
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はい。超音波カッターで切って開けます。テールランプを開けるときと同じですね。
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ハイマウントストップランプの場合、古い車だとレンズがパキっと割れそうで怖いので、慎重に作業します。
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開けられたらLEDを交換する手順ですね。純正はどんなLEDなんだろう?
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昔の車のLEDストップランプに使われているLEDは、5ミリ砲弾型LEDなどが多いですよ。
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ふむ。今の車はチップLEDばっかりですけど、砲弾型ならDIYユーザーにも馴染みが深い。
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そうですね。S13シルビアのハイマウントストップランプを例にすると、砲弾型LEDが52発ほど並んでいました。
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そんなに入っているのか。そりゃ、1個や3個や5個は切れるよね…。
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修理には、現代版の砲弾型LEDを使います。今回使ったのは日亜化学の砲弾型LEDです。
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少しでも切れにくいように信頼性の高いLEDを使っておく、という選択です。
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確かに、そこは重要。
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ここで純正LEDを外すときの注意点。古い車のLEDハイマウントストップランプは、だいたいが砲弾型LEDが基板にささっていて、足を折り曲げた状態でハンダ付けされているんですね。
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フムフム。
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その折り曲げられた足をちゃんと起こすか切るかしないと、基板のランドにひっかかり、傷をつけてしまいます。
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熱をかけてハンダを溶かすだけじゃダメよってことね。
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チップLEDのように、熱だけでポロっとは取れませんね。LEDの足の部分をニッパーで切り落としながら、取り外すのが効率的です。
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なるほど、なるほど。
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それから修理するにあたっては、球切れしていないLEDも含めて、全部新品LEDに交換したほうがいいですね。
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球切れしていないLEDだって古くなっているし、どうせそのうち切れてしまうから?
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それもあるし、純正LED自体が昔のLEDなんで、今のLEDとは同じ砲弾型でも光量の差がけっこう出てしまうと思います。
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あ~、そういう理由もあるのか。
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球切れしたLEDだけ交換する修理方法だと、明るさがかなりバラつくでしょうね。
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……しかし、ということは全交換した場合には、明るすぎるLEDハイマウントストップランプになってしまう懸念がありませんか…?
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そうですね。単純にLEDだけ入れ替えた場合には、爆光ハイマウントストップランプになる可能性があります。
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それはそれで困るんですけど……。
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ですから、LEDだけでなく抵抗も交換するのが修理のポイントです。
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ホホウ。
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純正LEDに付いていた抵抗よりも抵抗値を上げて、光量を抑え気味にしています。
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そういうことか~。
直って良かった~! -
LEDを全交換して、最後にレンズを戻すときは防水処理に注意が必要ですね。
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そっか。切って開けますからねぇ。
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切り口は溶着で付けた上から、さらにコーキングなどで切り口を塞ぎます。
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けっこういろいろ気を遣う修理作業だ。
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そうなんですよね。
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LEDハイマウントストップランプの球切れ修理は、いくら位の費用でやってもらえるものなんでしょうか?
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タマ数にもよりますが、イルミスタの場合は1万6500円(税込)~が目安ですね。あとは車種によります。
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修理できないようなタイプとかケースはないのでしょうか?
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う~ん、今まで見た中ではそういうのはなかったですね。そこまで複雑な回路でもないですし、基本的に修理は可能だと思いますよ。
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LEDハイマウントストップランプの球切れは、放置していると車検にも通らないし、早めに修理しましょう。
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実際のところ、車検で指摘されて修理依頼がくる、というパターンも多いです。
昔からの定番LED・砲弾型
LED通販のエルパラで販売している日亜 NSPR510GS 赤色
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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