電装DIYの知識
DIYでのLED打ち替えに失敗する例が増えている!? その理由は…
近ごろDIYでのLED打ち替えに、失敗する例が増えている。これには明確な理由があって、基板上に使われている純正のチップLEDに変化の傾向が見られるから。打ち替えに挑戦する前に、知っておきたい。
純正LEDは小型化する傾向。3528より小さい、2012や1608が増えている
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今日はLED打ち替えのよくある失敗について、です。
●レポーター:イルミちゃん
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「LED打ち替えにDIYで挑戦して失敗した〜」という人が、以前よりも増えていますね。よく相談を受けます。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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なぜなのでしょう?
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基板上に使われているチップLEDが、小型化する傾向にあるからでしょうね。
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以前に「LEDの打ち替え方法」を教わりましたが、あれより小さいと?
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そうですね。上の例は3528チップLEDだから、まだ比較的やりやすいほうです。
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今どきの純正LEDは、どんなタイプが増えているのでしょうか?
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3528よりもっと小さくなってきています。1608とか2012とか、よく出てきますね。
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なんのことだか分からない、という人はこちらを参照してください(↓)
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ところで「1608」とは、1.6ミリ×0.8ミリのチップLED。ようするに極小です。
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このように、一見すると基板のどこにLEDが付いているのか分からない状態(↑)
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それはよく言われますね。
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ちなみにこの部分(↓)が、1608チップLEDですよ。
チップLEDの名前はサイズを表す
詳しい違いは、「チップLEDの種類と選び方」参照。
LEDチップが小さいとどんな失敗が起こりやすくなるか?
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1608クラスの極小チップLEDで、失敗が増えるのはナゼなのでしょう?
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小さくなったことで増えている事故は、「純正LEDを外すときにランドまで取れてしまった」ケース。
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LEDだけを取りたいのに、その下のランドごと、もげてしまうんですね。
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LEDが小さくなるということは、ランドも小さくなっています。無理矢理な外し方をすると、カンタンにはがれてしまいます。
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な、なるほどね。
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熱が十分にかかっていない(ハンダが溶けていない)状態で、無理にLEDを外そうとするとランドが取れてしまう。これはどのLEDでも同じですが、3528より1608のほうがこの事故は圧倒的に多いですね。
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あの〜、純正基板のランドがはがれてしまったら、もうLEDが付けられなくなりますよね? どうなるんだろ……
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そういう基板が持ち込まれて、「どうにかして」と頼まれることは多いです。
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さすが、DIYユーザーの駆け込み寺「イルミスタ」ですね〜。
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まあ、実際のところは、補修すればなんとかなるケースがほとんどなので。
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基板の補修って?
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ランドは取れているので諦めて、その先の回路から直接配線をLEDにつなぐ、といった手はあります。
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ほー。
それって普通の配線を足すってことですか? -
そうですね。極細の配線コードを使って、LEDと回路を直結するんです。
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へぇー。
バイパスを作るわけか〜。 -
直せなかったケースというのは、ほとんど無いですね。
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LED打ち替えに失敗したらイルミスタに駆け込もうっと。そう考えると少し気がラクだ。
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……そういえば最近、僕、修理してばっかりのような気がする……
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気のせい、気のせい♪
✔ ランドとは?
LEDなどの電子部品を、基板上にハンダ付けする部分のこと。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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