ヘッドライトの修理
ヘッドライト内部に水滴がつく原因と修理方法。そして修理費用は…?
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ヘッドライト内部の水滴。それはよくあることではあるものの「水滴では済まないレベル」になっても、気付けない場合もある。ここでは古いヘッドライトの実例を元に、水はどこから・なぜ入ったのかの原因を推察。その修理方法と気になる費用は?
ヘッドライト内部の水滴はよくあるが「水槽」レベルもある!?
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LED加工専門店・イルミスタでは、カスタムだけでなく、よく純正ヘッドライトやテールランプの修理依頼も受けておりますが……
●レポーター:イルミちゃん
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古くなった純正LEDの球切れ修理だけでなく、内部に水滴が付くようになったヘッドライトの修理依頼などもあるようです。
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今回は水滴どころか「水没」に等しい実例を紹介します。これは20アルファードのヘッドライトなんですが……
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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ヘッドライト内部が水滴だらけ!
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水滴が付いている、というレベルの話ではなく、内部が水でビシャビシャの状態でした。
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あわわ…。
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ちなみにヘッドライトを傾けてみると、このようにヘッドライト底に水がたまっています。
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水滴どころではなく、水槽レベルだ!
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そうなんです。ここまでくると、危険なレベルです。
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危険って……具体的には?
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ヘッドライトの故障も心配ですが、ヘッドライトの下には純正HIDのバラストが付いています。これが水没するようなことになったら、ヘタすると火災になりかねません。
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水でショートする心配か……。
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そうですね。純正HID車両はだいたいヘッドライト下側にバラストが付いていますから、位置関係的に危ないです。過去にはバラストも水で錆びて朽ちかけていたケースもありますから。
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そこまでは考えていなかった……。
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水でショートしたときに、すぐにヒューズが切れてくれればいいんですけど。
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水滴が付いているレベルはまだしも、水が溜まっている状態になったら危険ですね。
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しかし、この水が溜まっている水槽状態の位置って、普段はフロントバンパーに隠れている位置なんですよ。
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……ムムム。
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つまり、水が溜まっているかどうかが、バンパーを外さないと見えないんです。
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そんなのチェックするためにバンパーを外す人はいませんね。
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せいぜいヘッドライト裏側のバルブ穴から、覗き込んで見るぐらいしかないですよね。
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しかし、それでは内部の見えない場所に水が溜まっているかもしれないんだ…。
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症状としては、水が入っていたら結露すると思うので、レンズの水滴に気づいた時点で、どこから水が入っているかを調べたほうがいいですね。
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そのまま長らく放置すると、もっと大きな問題になりかねない。
内部に水滴が付いている20アルファードのヘッドライト。
古いヘッドライトの高圧洗浄は、内部に水が入るリスクも…
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今回のヘッドライト内部の水滴……いや、水槽の原因はなんなのでしょうか?
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水が入った原因を探っていくと、純正のシーリングが古くなって痩せてきて、隙間ができていました。
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細いマイナスドライバーを当てているところに亀裂が入って隙間ができていますよね。
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原因はココだ!
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20アルファードも10年が経過している車なので、シーリング剤の痩せや硬化でヒビが入ったのでしょう。
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それが水の浸入経路になったのか~。
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しかもこれはヘッドライトの上側です。
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ちょうどヘッドライト〜ボンネット〜フェンダーの境界線あたりですね。
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だから、フェンダー周りから流れてきた水がそのままヘッドライト内部に入ってしまいます。
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ここから雨水が少しずつ入って水槽になったのか…。
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とはいえ、雨水だけではここまでの水はなかなか入らないと思います。古い車のシーリングの劣化はよくある話とは言っても。
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でも現に水槽になっていますけど?
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この状態のヘッドライトに高圧洗浄機で水をかけると、一気に水が入る可能性があります。今回のは、そっちのパターンだと思われます。
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スキマがあるのに高圧洗浄機を当てたら、アッという間に内部が水浸しになりそう。
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ですので、古くなった車のヘッドライト周りに高圧洗浄機で水をかけるのは、基本的にやめたほうがいいですね。
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そうなのか……。
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もちろんシーリングがしっかりしている状態なら問題ないんですが、古い車だとシーリングが痩せて隙間ができている可能性がゼロではないので……。
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古い車を大切に乗っている人は、水でヘッドライトを壊さないように注意です!
レンズ内部に水滴が付くヘッドライトの修理代は…?
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ところでこういう水滴または水槽系ヘッドライトはどうやって修理するのでしょうか?
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まずはヘッドライトを殻割り(分解)します。そして乾燥させます。
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今回は、直近の洗車で水が入ったと思われ、錆びなどは無かったので、内部の水さえ乾けば問題ない状況でした。
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まだ、良かったと言えるケースか。
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しかし、純正シーリングが劣化して亀裂が入ったのがそもそもの原因ですから、シーリングをちゃんと直さないといけません。
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シーリングを新たに追加して整えてから、ヘッドライトを閉じます。
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乾かすだけでいいと思いきや、シーリング作業はけっこう大変。今回のような修理代はいくらかかるのでしょうか?
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このヘッドライトの修理は、車両からの脱着料金は別にして、ヘッドライト単体で殻割り・殻閉じだけの料金で済みました。イルミスタの場合は、両側で3万3000円~(車種による)となっています。
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ヘッドライトが故障がしているわけではなかったのが、不幸中の幸い。
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そういう意味でも、「水滴」の段階で対処したほうがいいですね。さらにもっと被害が甚大だったケースも紹介しておきましょう。
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え!? 「水槽ヘッドライト」の上を行くような事例もあるの……? 怖いけど見たい気もする。
DIYでヘッドライトを分解する人は、「ヘッドライトの殻割り(カラわり)方法。序盤のコツ」参照。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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