板金塗装をもっと身近に

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純正部品と社外品では、パーツの塗装料金がどのくらい変わってくる（可能性がある）のか？

純正部品と社外品では、同じパーツでも、トータルで支払う塗装料金が変わってくるかも知れない。それはどういうことなのか。ドアミラーカバーを例に、具体的な金額差を解説する。

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  社外パーツを（郵送や宅配便で）塗装に出すときは、事前にアラをチェックしておきましょう、という話を前回しましたが……

  ●レポーター：イルミちゃん



✔「社外パーツの塗装をプロに依頼するときの注意点。純正品とは事情が異なる」参照。

>>>リンク先で詳しく読む。

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  そこで気になってくるのは「そのまま塗装できる」場合と「修理から依頼したほうがいい」案件で、どのくらい塗装料金（補修料金）が変わってくるのか？

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  う～ん。補修にかかる費用っていうのは、ケースバイケースですねぇ。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  まあ、それはそうでしょうけども……

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  では前回に続き、実例で説明しましょう。1個╱5000円の塗装料金とした、ドアミラーカバー塗装のケースです。（※価格はサイズや色の種類にもよる）

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  膨らみがあったり歪み（ひずみ）があったりする、社外パーツのパターンでしたね。


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  仮に、この線状の膨らみを消したり、歪んでいる箇所にはパテを入れたり、といった作業をするとします。その後、サフェーサーを入れてそれを削って……などの工程も入りますので、1個╱2000～3000円位は費用がアップすると思います。

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  つまり、1個╱5000円のものが、1個╱7000～8000円になってきたりするイメージだ。

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  補修料金は、度合いによりけりではありますが、最低でも2000円位はアップしますね。補修をしたら、傷目を消すのでサフェーサーは入れることになるし。

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  なるほど、なるほど。

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  ひどい場合なら、塗装料金が5000円で済むものに対して、補修料金が5000円程度かかって、トータルでは倍の1万円位になるケースもあると思います。

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  つまり社外パーツだと品質によって塗装料金がバラついてしまう。

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  そういうことですね。新品の純正パーツなら、そういう展開はまず考えにくい。

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  社外パーツであってもABS樹脂製のパーツなら品質が高いものがほとんど、という話もありましたが。

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  ABS樹脂製パーツは、経験的に言って8割方は純正パーツ同等の品質が期待できます。反対にFRP製の社外パーツは、8～9割方はパテやサフェーサーが必要になると考えたほうがいいですね。

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  FRP製でしかも品質が悪いパターンだとしたら、純正部品の2倍では済まないパターンもありうるのかな？

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  とはいえ、普通なら5000円で塗装できるパーツがあったとして、それが補修のせいで1万5000円になるようなケースだとしたら、僕は最初から「これはやらないほうがいいよ」って言うと思います。

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  あー。

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  塗装料金が倍以上になってしまうなら、それはあまりにもモノが悪すぎるかと。

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  でも「そんなこと言われても、もう買ってしまったんだが」……という話ですよね？

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  それでも、無理に補修して塗装しようとするより、マトモなパーツを買い直したほうがよほど安いだろうという例もありましたよ。

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  ……悲しすぎるエピソードですね。

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  過去には実際にそういうケースもあったので、紹介しておきましょう。

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  今回の話は、ドアミラーなどの小物パーツに限った話ではなく、エアロパーツなどについても言えることです。

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  社外品のFRP製エアロパーツは、板金屋さんが修正しながら取り付けるのが普通だと聞きますが…？

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  そうなんですけど、中にはあまりにも品質が悪すぎてどうにもならない海外製エアロとかもありまして。

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  ふむ。
  海外製の話か。

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  事前に相談されて、チリも悪くてひどいモノが多いからって止めたんですけど、ある海外製のエアロパーツを買ったお客さんがいて……

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  ほう。

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  お客さんのところに届いた時点でメールが来たんですよ。「こんなにボロボロなんですけど、こういうモノなんでしょうか？」って写真付きで。

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  ……ははは。

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  でも、もう買ってしまったことだし、1回車に仮付けしてみましょう、ということになって、オーナーにエアロを持ってきてもらいました。

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  今さら引けないもんね。

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  でもけっきょく取り付けを断念しました。

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  なんでぇ？

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  持ってきてもらって実物を見たら、僕の長い板金屋人生の中でも、初めてみるようなボロボロの状態だったのです。

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  大げさ……でもないんだろうなァ。

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  もうね、車にまったく付かない。

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  エアロってそういうものって言ってなかったっけ？

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  そういう次元ですらない。違う車種用のを間違って買ったんじゃないの？っていうくらい、合わない。

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  でも！ ほんだ塗装なら、やろうと思えばワンオフエアロやワンオフオーバーフェンダーなんかまで作れるような板金屋じゃないか。


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  そういう話はお客さんともしましたよ。「ワンオフバンパーだって作ることはあるので、フル加工して付かないエアロパーツを付けるっていうのは、できないことではないですよ」と。

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  ですよねぇ。

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  ただ、新しいエアロパーツが余裕で買えるぐらいの加工料金になってしまいます。20万円とか、あるいはそれ以上とか……。

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  ウッ。
  あきめて新しいエアロを買いましょう！

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  そうなりますよね。そもそもフル加工とは、自分のオリジナルデザインを追求したいイベント仕様車の話であって、「ただ取り付けるためにフル加工」なんて、あまりにも割に合いません。まったくオススメできない。

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  それで、気の毒なそのお客さんは、そのエアロをどうしたんだろう？

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  頼まれてウチで廃棄処分としました。

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  本当にそんな事例もあるんですねぇ。怖すぎる。

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  個人がネットで海外製のエアロパーツを買うのは、かなりリスクが高い話です。注意しましょう。

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  ……というわけで、社外パーツの塗装料金が補修込みで何十万円になるケースもあるようです。

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  さすがにそこまで極端な例は、普通の国産ブランドでは経験がないですけどね。