板金塗装をもっと身近に
社外パーツの塗装をプロに依頼するときの注意点。純正品とは事情が異なる(後編)
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社外パーツの塗装をプロに依頼する前に、頼む側がやっておきたいことがある。一つ一つがオーダーメイドになる板金塗装は、塗る側と頼む側の意思疎通が重要。そこに関わる大事な話。
新品のABS樹脂製パーツでも補修が必要なケースはある
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「社外パーツの塗装をプロに依頼するときの注意点」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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パーツ単体を郵送や宅配便でほんだ塗装に送ってもらって塗装する場合、お客さんは送る前の状態まではよく見ていないことが多いです。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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中古品ならともかく新品パーツだとしたら、問題ないと思っているでしょうね。
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そう。「メーカー製品だからちゃんとしているはず」って思い込んでいる人もけっこう多いんです。
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それの何が問題かと言うと……
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実際には、社外パーツの品質にはかなりバラツキがある。
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ふむ。
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僕の経験でざっくり言うと、FPR製品では、9割はパテやサフェーサーを入れます。だから、ある程度「補修前提」みたいなところがあるけど……
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まあ、FPR製品はそういうものだ、という話でしたよね。
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いっぽうABS樹脂製のパーツの場合は、社外品であってもクオリティが高いものが多いです。8割方は問題ない。
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しかし、10割ではない。ABS樹脂製だからって全部クオリティが高いわけではないってことね。
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そこで問題が発生します。持ち込み塗装依頼で送られてきた社外パーツの品質を、実際に僕がチェックしたとき「これをそのまま塗っていいの?」という状態があり得る。
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その時点で、補修に切り替えることはできますが。
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しかし、それだと最初に打ち合わせていた塗装料金より高くなってしまうのが問題。
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まあね。例えば1万円で頼んだのに、けっきょく1万5000円とか言われると、ビミョウな気もしますね……。
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お客さんの側からすると「新品パーツを送っているのに、なに言ってるんだろう?」ってなりかねない。
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あとから値をつり上げてくる、ボッタクリ塗装と思われても困る……というのが、本多研究員の悩みですね。どうしたらいいのでしょうか。
社外パーツは、塗装に出す前に状態をチェックしよう
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まず、社外パーツを、純正パーツと同じ目で見ていたらダメです。
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クオリティの高いモノもあるけど、低いモノも少なくないよ、という意味ですね。
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そうです。純正パーツならそのまま送ってもらってOKなんですが、社外パーツは、最初にメーカーから届いたものをよくチェックしてほしいのです。
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中身をよく見ないで、板金屋に転送するんじゃなくて……ってことね。
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社外パーツの場合は、ヘコミがあったり傷があったりするので、確認した上で送ってくれれば「それを補修するかどうか」の話し合いがしやすいのです。
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ナルホド。
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お互いにアラを認識していれば、「う~ん、この位は許容範囲ですからそのまま塗ってください」とか「ここは補修前提でやってほしいです」など詰められます。
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「補修を含めての塗装料金は、いくらになりますか?」の話もできますね。
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あるいは、事前に気になる部分の写真を撮って送ってもらった上で相談していれば、最初から「補修込みの塗装料金」を提案できるし。
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でも、本多研究員みたいなプロはともかく、一般ユーザーが塗装前の社外パーツを見て、問題点を認識できるものなのかな?
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例えば表面の凹凸などは、手で触れば分かりますよ。
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触ってみるのが重要なんだ。
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面を出す作業をしている僕らのような人間は、常に手で触って状態を確かめます。見てわかりにくくても、触れば表面に凹凸があるのがすぐ分かるんです。
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なるほど~。
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FRP製のパーツであれば、表面に凹凸があるのは普通なんですけど、ABS樹脂製のパーツは、僕が知る限りはけっこうキチッとした製品が多いです。
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でも中には、表面に凹凸があるABS樹脂製の社外パーツもあって、それは触れば分かると。
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製品の型に問題があってそうなっている場合は、左右の両方とも、同じ箇所にヘコミがあったり膨らみがあったりするものです。
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これをユーザーさんが認識していない状況だと、連絡して、修理するかどうか聞くことになってしまい、最初に提示していた塗装料金とは話が変わってくるかもしれない。
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ユーザー側が送る前の状態を認識していれば、補修までするのかスルーするのか、本多研究員に相談して決めるのか、選択肢がいろいろ選べますね。
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気になる箇所だけ、テープを貼っておくとかマジックで印を打っておいてもらう、等もいいかも知れません。
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あ。それなら、気にならないレベルのアラまで補修されて塗装料金が高くつくより、ベストって言えるかも!?
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そうなんです。そのあたりは人によってバラバラだから、一律対応は難しい話なんですよ。
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そういうことかぁ。
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「この程度なら、自分は気にならない。補修まで費用をかけたくないから一番安くなるように塗装してほしい」という要望の人もいるしね。
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本人が納得していればそれがベターでしょうね。
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どこまで気にするか……というのは、本当に人それぞれですから。
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全国のいろいろな人からパーツの塗装依頼がくる中での「ベストな対応」は、難しい問題だ。
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できるだけ、読者の皆さん、ひとりひとりの要望に沿えるよう、頑張ります。
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そのためにも、社外パーツは触ってチェックしてから、塗装に出しましょう。
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