車とアウトドア
ディープサイクルバッテリーをキャンプで活用できる、OGCコントロールボックスに注目
ディープサイクルバッテリーの特性は、キャンプ用の電源として好適。エーモン発のアウトドアブランド〈OGC〉のコントロールボックスとの併用で、DC12V・USB電源・家庭用のAC100Vなどが取り出せて、防災電源にもなる。まずは「ディープサイクルバッテリーって何?」という所から解説しよう。
エーモンOGCの本命「エレクトリカル」シリーズ始動
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DIYカー用品ではお馴染みのエーモンが立ち上げたアウトドア用品ブランドが「OGC」ですが……
●レポーター:イルミちゃん
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今日はここで、OGCの2021年の新製品を発表したいと思います。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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つまり、第二弾ですね。
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そういうことです。OGCの製品はカテゴリーが4つに分かれているんですが……第一弾として登場したのが「フィックス」と「ストレージ」でした。
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そして今回の第二弾は、「エレクトリカル」と「プロテクト」シリーズの製品群を発表するという流れです。
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おお!
ようやくエレクトリカルが登場するのか。 -
そうなんですよ。
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電気・電装はエーモンの得意分野だから、OGCは「エレクトリカル」が本命と見ていましたが……
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ハイ。ここから先が、エーモンらしいアウトドアブランドとなります。そういう意味では、OGCの本格スタートとも言えます。
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さっそく、その中身を見てまいりましょう。
FIX | 「結束・固定」 |
---|---|
STORAGE | 「収納」 |
ELECTRICAL | 「電気・電源」 |
PROTECT | 「汚れや傷の防止」 |
ディープサイクルバッテリーをキャンプ用の電源として持ち出す仕掛け
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OGCエレクトリカルシリーズの親玉と言えるアイテムが、このOGCコントロールボックスです。
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これが今回の新製品の主役なんだ。
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OGCコントロールボックスは、ポータブル電源に代わる、新発想のアウトドア用電源システムなんです。
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……なんだかスゴそうですけど、どうスゴイのかはまだよく分かりません。
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現状、キャンプなどのアウトドアで使われている電源といえば、ポータブル電源ですよね。
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ふむ。
デッカイ充電池みたいなやつ。 -
そして市販のポータブル電源の多くが採用するのは、リチウムイオン電池です。
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リチウムイオン電池は、スマホから何から、あらゆる場面で使われている電池です。
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それに対してOGCの発想は、市販のDC12Vディープサイクルバッテリーをアウトドアの電源として使おう、ということなんですよ。
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ホー!
そう来たか! -
あ。
分かってもらえますか、その意味が。 -
いや、まだよく分かりませんけども……。説明して?
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え~っと、つまり、OGCコントロールボックスは、ディープサイクルバッテリーにつないで使うユニットです。
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じゃあ、コントロールボックスだけあってもダメなんですね?
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そうです。このコントロールボックス単体では、何も起こりません。「市販のDC12Vディープサイクルバッテリーを組み合わせて使う」前提のものです。
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詳しい使い方は後述しますが、コントロールボックスを経由することでシガーソケットタイプのDC12V電源・USB電源・家庭用のAC100V電源などが取り出せ、同時使用もできます。
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ディープサイクルバッテリーに、いろいろな家電とかデバイスをつなげる。
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そうですね。それがコントロールボックスの基本的な役割です。
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あのう、質問!
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はい、どうぞ。
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普通のバッテリーじゃダメなんですか? てゆーか、ディープサイクルバッテリーってなに?
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例えばキャンプ用の電源で使うとなると、バッテリーの電気を使い切ってしまうじゃないですか。ようはカラッポになるまで使うことになる。
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そうなりますね。
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普通のエンジン始動用バッテリーは、電気を使い切ると劣化してしまうのです。充電しても100%までは戻らなくなっていきます。
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あ~、確かに。1回上がったバッテリーは、充電しても上がりやすくなる。
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……となりますと、充放電を繰り返す使い方はできないわけです。
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ディープサイクルバッテリーなら、それができるんだ。
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ディープサイクルバッテリーは、電気を使い切ってしまっても問題ありません。充電すればまた元通りになります。
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通常のバッテリーは車のエンジンをかけるために瞬時に大きな力を出すのは得意なんですが、ディープサイクルバッテリーはその逆と言えます。
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逆っていうのは……
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瞬時に大きな力を出すのは得意ではないけれど、長時間電気を流し続けて、ギリギリまで電気を使える、という点では優れているのです。
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マラソン選手みたいなカンジか。
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そうです、そうです。キャンプなどのアウトドアで活用するのに相応しい特性と言えます。
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そういうことね。話が見えてきたぞ~。OGCは、キャンプ用のメイン電源として、リチウムイオン電池ではなくDC12Vディープサイクルバッテリーを選んだ、ということね。
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まさに、そこが狙いです。リチウムイオン電池を使ったポータブル電源は家電に近いイメージですが、エーモンはカー用品ブランドですから、アウトドアでも12Vの世界観で勝負します。
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その選択にはどんなメリットがあるのか? そしてデメリットは何なのかも知りたいところです。
エーモンOGCのコントロールボックス(8623)
別売りのOGCバッテリーチャージャー(8625)でディープサイクルバッテリーを充電。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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