東京オートサロン2020ルポ
車に作業灯を付けてアウトドアで活用するスタイル。…車検はどうなの?
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車の四方にランプを取り付けた「オーバーランドスタイル」。その明るさは日常では眩しすぎるレベルで、道なき道にも対応可能。大陸横断ドライブがある海外では定番の仕様だが、島国日本において、車の作業灯の立ち位置はどうなのか。例えば車検は?
IPFジムニーが提案するオーバーランドスタイルと、車検の問題
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東京オートサロン2020ルポ。今日は、市川研究員でおなじみの、IPFのブースです。
●レポーター:イルミちゃん
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なんか、ランプだらけのジムニーが展示されているよ。……こんなの車検に通るのかな?
●DIYラボ別館 ユキマちゃん
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今回、IFPデモカーのジムニーを使って表現したのは……
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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オーバーランドスタイル?
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オーバーランドとは、ひと言でいうと車で大陸横断するようなスタイルです。
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……横断っていうと、東京から新潟県まで行くみたいな話?
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日本だと話がちっちゃいわね。せめて「縦断」ってことで北海道まで行く?
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そういうのではなくて、北米大陸横断のようなスケールです。何日もかけて、道なき道を行くのです。
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それで、車の全方向にライトを付けているんだ。
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全方向にライトを付けるオーバーランドスタイルは、海外だと定番。
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真っ暗な砂漠とか走るから?
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それもあるけど、実際には動物よけの意味合いがより大きいですね。
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動物?
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大陸横断では、野営をします。まわりに動物が来てしまうと、大変なことになりますよ。
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ひー。
コヨーテとか、ガラガラヘビとか! -
煌々と車の周囲を明るくしておけば、動物たちも寄ってきませんので。
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けっこう緊迫感あるなァ。
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そして寝るときは、ルーフトップテントか、車中泊ですね。
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えー。外で、満点の星空を眺めながらゴロゴロするのが夢なんだけど。
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ダメです。
地面で寝ると獣が来たときに危ないので。 -
……ふむ。
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ジムニーの場合はひとりだったら車中泊だろう、ということで、オーニングを広げて、イスを置いて、ごはんは外で食べて……寝るときは車内で寝る。
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そういう世界観を、ブースで再現しているんだコレ。本格的だなァ。
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外でごはんを食べるときは、車の側方に付けたワーキングランプ(作業灯)を使います。
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なるほど。
そのためのランプが、横に付いているんだ。 -
作業灯の電源用にポータブル電源を用意しておけば、エンジン停止時にも点灯できます。
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エンジンを停止しても、明るい状況でごはんが食べられますね。
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明るい作業灯があれば、片付け作業もはかどります。荷物を手早く片付けられるようにするのも、ポイントなので。
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さあ、片付けが終わったら、ランプを消して寝ましょう。
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消したら、寝ている間に、ピューマとかに囲まれるかも知れないよ……?
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獣に囲まれたときは、車内のスイッチでまた点灯させればいいのです。
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それでこんなところにスイッチが……。
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なお、このスイッチは運転席からは操作できない位置にしておくのがポイントです。
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なんで?
それも獣と関係が…… -
この手のランプは、日本の法規上は作業灯の扱いですので。作業灯は、「運転中に操作できないこと」というのが条件に入っているんです。
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いきなり日本の現実に話が戻ってきたわね。大陸横断中じゃなかったっけ???
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ここからは日本向けの話です。
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つまり、作業灯として付けるぶんには、日本でもこの状態で車検に通るということでしょうか?
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そういうことですね。ただ作業灯としての保安基準を満たすのが大前提ですから、運転席まわりにスイッチを置くのはNGです。
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でも、日本でオーバーランドスタイルって必要性ある???
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日本でも、こういうスタイルが活用できるシーンはありますよ。
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あー!
市川研究員も大好きな、アウトドアですね。
キャンプなどのアウトドアでも、車の作業灯は便利
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キャンプでは、夜に作業するときにライトがほしい。あるいはもっと本格的な野営をする人だと、日本でもクマとかイノシシとか心配ですからね。
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そうだ。
日本にもクマがいる。 -
まあ安全なキャンプ場だとしても、車に明かりが付いていたら何かと便利そう。
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そうなんです。車体に付けた作業灯と外部電源をつなげることで、エンジン停止状態でも明かりを確保できたら、食事の支度などもはかどります。
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まさに作業灯になりますね。
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ワーキングランプの電源をポータブル電源から取れるように、ランプ側の配線を加工してシガープラグを付けないといけないっていうのはありますけど。
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エーモンのシガープラグなどを付ければいいんだ。
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ワーキングランプとポータブルバッテリー(容量)の組み合わせによっては、1日持つようにもできますよ。
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それはスゴイ。
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エンジンをかけているときは車両側から電源を取ればいいので、そういう意味でもシガープラグを付けておくと便利なんです。
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ジムニーの場合は、後ろにもシガーソケットがある。それも活用して、切り替えしています。
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そうそう都合良く、後ろにシガーソケットがある車種は少ないけど……
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シガーソケットの増設だったら、DIYでいくらでもできるもんね。
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ただ、作業灯(ワーキングランプ)といっても、いろいろあるよね。どれがいいの?
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そこからがまさにIPFの提案ですね。実際にデモカーに付けている、ランプ類を解説しましょう。
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。