車高「0ミリダウン」のアクスルを付ける人は意外と多い。その目的は…
アクスル交換=車高を落とすイメージが強いが、Jラインのリアアクスルキットには「0(ゼロ)ミリダウン」の選択肢があり、しかも人気が高いという。車高が落ちないアクスルの存在意義とは?
なぜ車高の落ちないアクスルに交換する人がいるのか?
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Jラインのリアアクスルキットは、車種ごとに標準ダウン量が決まっていて、例えば現行LA650Sタントを例にすると30ミリダウンです。
●レポーター:イルミちゃん
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そしてオーダーで、40ミリダウンも選べます。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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しかし、もうひとつオーダーの選択肢に、0ミリダウンがある。今日はこの、存在意義の分かりにくい「0(ゼロ)ミリダウンアクスル」の謎に迫ります。
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0ミリダウンのリアアクスルキットは、どの車種でもそこそこ需要があって、よく出ますよ。
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へー!
それはますます意外な。 -
いやいや、べつに驚くことはないです。普通によくある話です。
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そうなの? 車高の落ちないアクスルって、ヘンな気がしますど…。
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「車高は現状のままで十分」という人も多いです。あるいは「今より車高が下がったら、家の車庫に入れなくなる」とか……そういう事情の人もいますし。
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車高に満足しているのなら、なぜアクスルを交換しようとするの?
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アクスルを交換する目的で多いのは、太いホイールを履くためですね。
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なるほど。
太いホイールが目当てか。 -
Jラインアクスル購入の目的を、みんなに聞いたわけではありませんが……問い合わせの内容からすると、車高の低さはそれほど求められてはいない傾向がうかがえます。
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へぇ~。アクスル交換=ベタベタ低車高のイメージがあったけど、違うんですね。
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むしろベタベタにする人は、少数派ではないでしょうか。
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それでも皆さん、アクスルは欲しいのね。
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そこはやはり「トーションビーム式のリアにキャンバー角を付けたい」「それによって太いホイールを履きたい」の要望があるんでしょうね。
40ミリダウンのアクスルを付けたタント。
✔ トーションビーム式のリアは、車高を落としてもキャンバー角が付かないが、アクスルを交換することでキャンバー角が付いて太いホイールを履ける。
今より10ミリだけ車高を落としたい場合のアクスル交換
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0ミリダウンと近い話で、よくあるのが「10ミリダウンのアクスルは作れませんか?」という問い合わせです。
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ふむふむ。
あと1センチ落としたいんだ。 -
そうです。今付けている車高調がすでに全下げの状態で、アクスルで追加の10ミリダウンをしたい考えです。
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なるほど。
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ただ、10ミリダウンや20ミリダウンといったアクスルは、設定がないんですよ。
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0ミリダウンや、30ミリダウンがあるなら、その間も作れそうなものですけど?
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しかし、作ってもあまり意味がないんですよ。
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なんで? あと10ミリだけ、追加で落としたい人もいるんでしょ?
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そういう場合は、普通の30ミリダウンのアクスルに交換した上で、車高調の調整で20ミリ上げてください、という風に案内しています。
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あ~、そういうこと……。
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すでに車高調は全下げの状態ですから、車高を上げることはできるわけですよ。
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なるほどね。
そうすれば車高調のストロークも増える。 -
そうですね。今までより1センチ下がっているのに、ストロークは2センチ分増えて、乗り心地も良くなります。
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そんなアクスルの使い方もある。これは覚えておくと良さそうです。
✔ リア車高の調整方法は、「トーションビーム式(リア)の車高調整方法」参照。
アクスル=低車高=超扁平タイヤ必須、ではない
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ところで、0ミリダウンのように、アクスルを付けるのが低い車高目的ではない車の場合は、タイヤの扁平率の選び方も変わってきます。
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フムフム。
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たとえば軽自動車を例にすると、Jラインのデモカーが履いているのは、165/40-16ばかりです。
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ほとんど、16インチ・40扁平の一択ですよね。
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しかし、車高の低さを求めておらず、0ミリダウンのアクスルなどを付ける人は、40扁平より45扁平のほうがいい場合もあります。
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そっか。
デモカー仕様は参考にしないほうがいいかも。 -
軽自動車のマッチングの例でいうと、タイヤとフェンダーの隙間があって、フェンダーがカブるところまではいかない位の車高だとすると、45扁平(16インチ)でもいいでしょうね。
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アクスルで追加ローダウンをしないなら、車高調やダウンサスレベルの車高と同じってことですもんね。
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アクスル交換する車が、必ずしも低車高・超扁平タイヤ……ということではありません。
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ちょっとリアアクスルキットの見方が変わるお話でした。
Jラインのデモカーが履いているのは、ルッチーニの165/40-16。
✔ 普通車の場合は車高調だけで落ちきる車種も多いが、軽自動車は構造的に落ちきらない車種が多い。
✔ Jラインパーツの注文は、J-LINE公式サイトの「CONTACT」または、TEL 022-367-7534
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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