軽自動車の引っ張りタイヤは、どの位の「空気圧」がいいのか?
軽自動車の引っ張りタイヤの空気圧は、どの位が適正なのか。普通車のドレスアップカーの空気圧は「3キロ前後」が通説だが、それをそのまま、車重の軽い車に適用してもよいものか。軽自動車のお客さんもとても多い、J-LINEで聞いてみた。
軽自動車の引っ張りタイヤは、普通車とは違う!?
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以前、「引っ張りタイヤの空気圧は何キロがいいのか?」という記事をやりましたが、今日の話題は、その軽自動車バージョン。
●レポーター:イルミちゃん
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J-LINEで手がける軽自動車を例にすると、6.5Jに165/40-16を履くマッチングで、2.5キロ位を目安にしています。
●アドバイザー:J-LINE 氏家研究員
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へ?
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何かヘンなこと言いましたか?
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2.5キロは引っ張りタイヤにしては、意外と少ない気がしますが……。3キロっていう意見も多いし。
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7Jに165/40を組むようなケースで、せいぜい3キロまでですね。3キロを超えて入れることはまずないです。
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そうなんですね〜。
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でも、ウチだとあまり7Jは履かないので、だいたいは2.5キロぐらいです。
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2.5キロというと、引っ張りタイヤというより、イメージとしては普通の空気圧に近づいているというか……。
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軽自動車だと、タイヤの幅が165しかなく、それに対してせいぜい6.5J、7Jのマッチング。どのみちそれほど極端な引っ張りタイヤにはならない、という事情があります。
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ちなみに定番の6.5Jに165/40-16を組んだときに、引っ張り加減としてはこんな感じ(↓)です。
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6.5Jだと、「もうちょっと引っ張りたいな〜、155があればいいのにな〜」っていうレベルじゃないですか。
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確かに、普通車の20インチのような引っ張り感はないですね。
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軽自動車でも、オーバーフェンダーに改造して8Jなどを履く人は別ですが、通常の軽自動車の規格で考えたら、6.5J、7Jクラスが限界です。となると、165で引っ張っても、普通車で見られるような引っ張りマッチングにはならないわけです。
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なるほど。
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だから、エアが2.5キロでも、それで外れるほどの引っ張りタイヤか? というと、そこまではいかないのです。
6.5J×165/40-16
タイヤ銘柄はJ-LINE御用達ブランド、ルッチーニ。ビードの剛性も高く引っ張りタイヤに向いているらしい。
こういう引っ張りマッチングにはならない
同じくルッチーニだが、225/30-20を、9.5Jで引っ張った状態。引っ張り感がぜんぜん違う。
空気圧が低いとタイヤが外れる、は本当か?
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ちなみに、7Jだと3キロ入れるケースはあると言ったものの、実際は2.5キロで問題はないと思いますよ。
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え?
では、どうして3キロ? -
7Jクラスを履く人に「2.5キロにしておくね!」って言うと、むしろお客さんのほうが、「2.5キロで大丈夫ですか!?」と心配するケースがある。
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それは……分かる気がします。
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その場合「3キロ位入れておくほうが安心感があるなら、そうしておく?」ぐらいの感覚で入れることはある。でも、自分が乗る軽自動車だったら、2.5キロでまったく不安はないです。そのほうが乗り心地もいいですよ。
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でも、皆さんが心配するのは、「2.5キロではタイヤが外れるんじゃないか!?」という懸念だと思いますけど……、
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そこなんですけど、もし本当に2.5キロで外れるような状況(マッチング)だとしたら、3キロ入れたって外れると思いますよ。
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ムムム……。
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「タイヤが外れる」というのは、エア圧が低いからというよりも、エアーが抜けることで、外れるんです。
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エア漏れは、少し別の話になりますね。
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そうです。エア漏れしていない、ちゃんとエアーが張っている状態で、それが2.5キロの空気圧だから外れる……というのは考えにくい話です。ビードがはまっている状態なんですから。
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例えば何かのはずみ……縁石にドーンと乗り上げたとか、そういう衝撃が加われば別ですけど、普通に走っていて外れるというのは考えにくい。
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そうか。
そのへんは誤解も多いかも知れません。 -
ビード漏れを起こしやすいタイヤのトラブルはありますから、そういう理由で抜けたのに気づかないで走っていて、最終的に外れたというケースはあるんでしょうけども。
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それは、そもそも原因が別のところにある話ですね。
ビードとは、ホイール(リム)に固定する部分
軽自動車の高すぎる空気圧は特に危険!
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普通車の場合は、例えばアルファードのような重量級の車で、20インチの30扁平を使っていたりすると、3.5キロ〜4キロ位まで入れることはありますよ。
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普通車の話は、「引っ張りタイヤの空気圧は何キロがいいのか?」で教わりましたね。
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でも逆に、軽自動車で3キロを越えるような空気圧……例えば3.5キロとか4キロとか入れたら、別のデメリットのほうが大きくなります。
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空気圧が高すぎるデメリットって?
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まず、グリップが悪くなる。軽自動車みたいな車重の軽い車なら、なおさらですね。
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じゃあ、もし4キロ入れたら?
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軽自動車のマッチングで4キロとかっていうのは、とんでもないです。車が軽いから、タイヤが丸くなったままつぶれない。当然、グリップしない。フラフラで、危なくて走れない。
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逆に危ないっていう話ですね。
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そうです。マッチング的に2.5キロでも問題ないし、入れてもせいぜい3キロまでです。
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普通車の引っ張りタイヤとは違う、という点は知っておいたほうが良さそうです。
DIY Laboアドバイザー:氏家淳哉
リアアクスルキットで有名なJ-LINE(Jライン)。足まわり加工に長けたプロショップでもあるので、直接クルマを持ち込めば様々なワンオフ加工も依頼できる。深い知識・高い溶接技術は比類ない。●J-LINE TEL 022-367-7534 住所:宮城県多賀城市町前1-1-13
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