ポータブル電源の疑問
電装品の電源をスイッチでポータブル電源に切り替えるには?(後編)
- 1
- 2
ポータブル電源と車の電源を切り替えて、車で電装品を使う方法の続き。前回はリレーを使わないシンプルな回路でできるやり方だったが、電装品の消費電流を気にするならば、リレーとスイッチを併用した方が安心なので、もう一つ別パターンの回路図も解説する。
リレーとスイッチを併用して、ポータブル電源に切り替える方法
-
「電装品の電源をスイッチでポータブル電源に切り替える方法」の続き。
●レポーター:イルミちゃん
-
前回は、ルームランプ連動のLEDダウンライトを、スイッチでポータブル電源に切り替える回路の解説をしました。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
-
スイッチだけで済む、意外とシンプルな方法だった。
-
ただ、前回パターンの注意点としては、電装品の消費電流が大きくなると、切り替えスイッチの容量が足りなくなる懸念があります。
-
そういえば、スイッチにも電流量のキャパがあるよ~という話は、別記事(※)でも詳しく解説しています。
-
問題はスイッチの容量を超えてしまう場合です。
-
ふむ。
-
そういう場合は、切り替えスイッチの部分をリレーに置き換える方法があります。
-
リレーのほうが大容量の電気を流せる?
-
一般的にはそうです。たくさんの電流を流せるスイッチはあまりないですが、リレーは20アンペアとか30アンペアでも流せるものが普通にありますので。
-
なるほど。
そういうことか。 -
その場合も、回路の切り替えはあくまでも手動スイッチで行うようにするため、回路図はこうなります(↓)
-
前回との違いは、「切り替えスイッチ」のところが「5極リレー」に置き換わっている点です。
-
でも、スイッチも併用していますね?
-
そうですね。このスイッチは「切り替えスイッチ」ではなく普通の「オンオフスイッチ」です。
-
フムフム。
-
スイッチがオフの状態だと左側の回路になっていて、普通のルームランプ連動でLEDダウンライトが光ります。
-
スイッチを手動でオンすると……
-
リレーを動かす電気が流れて接点が切り替わり、ポータブル電源で光らせる回路に変わります。
-
リレーのトリガー(コイル)に流す電気を、手動スイッチでオンオフしているんだ〜。
-
この場合は、スイッチには僅かな電流(リレーのコイル消費分)しか流れません。
-
つまり容量の小さいスイッチでもいい。
-
ハイ。容量の問題もなくなり、さらに一般的なオンオフスイッチでよいことになりますので、スイッチの選択肢が広がります。
-
なるほど、なるほど。
-
前回パターンの回路に比べると、リレーを使うほうが安心感があるし、ごく一般的な部品の組み合わせでできる点もメリットですね。
-
こっちのほうがいいのかな。
リレーとスイッチで切り替え
✔ 基本的なことは「5極リレーの使い方 初心者向き解説」参照。
切り替えスイッチのみと、リレー+オンオフスイッチの、どちらの制御方法がよいのか?
-
というわけで、電装品の電源をポータブル電源に切り替える回路は、切り替えスイッチのみの方法と、リレー+オンオフスイッチを使う方法があります。
-
2つの方法があるのは分かりましたが、それはそれで迷うっていうか……どっちがいいんでしょうね?
-
そこは実際に使う電装品の合計消費電流とか、スイッチの好みなどによって、都合のよいほうを選ぶとよいかもしれませんね。
-
前回の「切り替えスイッチのみパターン」ほうが、回路自体はシンプル。
-
そうですね。切り替えスイッチのみでやるとしても、一例としてエーモンさんのスイッチ(※エーモンの呼び方だとON-ONスイッチ)を使うとすれば、大容量に対応するものもあります。
-
12アンペア(あるいは15アンペア)も対応できるのであれば、特にリレーを併用しなくても、容量制限を気にしなくて済むのかなと。
-
確かに。そもそもドア連動にするためにルームランプから電源を取るときに、そんなにつなげないし。
-
こういう大容量が流せる切り替えスイッチを使うのであれば、リレー無しでも対応できると思います。
-
ただ、リレーを併用するなら、スイッチは容量の小さいものも含めて、オンオフスイッチ全般が選択肢になる。
-
そうですね。選択肢が大幅に広がることは確かです。
-
そのあたりを踏まえて、どちらのパターンがよいのか検討して頂けたら、と思います。
Amazonでも販売されているエーモン トグルスイッチ(3206)は、シルバーアルミノブが特長のON-ONスイッチ。12アンペアまで対応。
15アンペアまで対応のON-ONスイッチ。詳細はAmazonのトグルスイッチ(3202)参照。
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL
079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
関連記事
- 電装品の電源をスイッチでポータブル電源に切り替える方法
- エーモンスイッチの種類と選び方。
- 車の電装品にスイッチを取り付けるには?
- 車にスイッチを取り付ける方法(配線図)
- 空きスイッチパネルに後付けスイッチを取り付ける
- スイッチを選ぶときは「電流容量」に注意!!
- デイライトにスイッチを取り付けて自由にオンオフさせるには?
- デイライトをスモール連動でも、スイッチでも消灯できるようにしたい
- 社外デイライトにスイッチを付けるときは「中容量」以上が無難
- 車外の配線に防水トグルスイッチを取り付ける方法
- フットライトを、ルームランプ連動(ドア連動)+スイッチで制御する
- スイッチのモーメンタリとオルタネイトってどう違うの?
- 純正スイッチの流用には、メリットもあればデメリットもある
- リレーの使い方入門╱回路のしくみ
- 車用の電源プラグ(シガープラグ)の選び方
- シガーソケットからプラグで電源を取り出す方法と、そのメリット