スイッチの選び方
社外デイライトにスイッチを付けるときは「中容量」以上が無難
デイライトをスイッチで消灯できるようにしたい、という要望は多いが、スイッチには容量制限の問題があり、どれでも使えるわけではない。しかしここでは「難しいことはさておき、社外デイライトにオススメのスイッチ」がどれなのかをテーマに、電気が苦手でもスイッチが選べるように話を進める。
最近は使用可能電流が低い「小容量」のスイッチが主流だが…
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DIYユーザーが定番的に使うスイッチといえば、エーモン製スイッチですが……しかし、今日はあえてその問題点について。
●レポーター:イルミちゃん
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……と言いますと?
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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DIYラボ読者の皆さんの傾向を見ていると、「社外品のデイライトにスイッチを付ける」ニーズが特に多いのです。
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ふむふむ。
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点灯しっぱなしのデイライトだけに、任意のタイミングで消したいと考える人が多いのでしょう。
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なるほど。デイライトにスイッチを取り付ける方法は以前にもやりましたね。
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しかし社外デイライトで使うとなると、スイッチの容量制限がよく問題になります。
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そうですね。エーモンスイッチには使用可能電流が1アンペア以下の「小容量スイッチ」も多いですが……
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そこ! しかし、市販デイライトはそれ以上の電流が流れるものも多い。
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確かにそういう問題はあります。
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おさらいですが、仮に3アンペア流れるデイライトに、容量1アンペアのスイッチを使うと?
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……スイッチが壊れます。
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ですよね。
これは聞くまでもない。 -
スイッチは、電装品の消費電流(アンペア)に合わせて、選んで頂く必要があります。
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それはそうでしょうけど……なぜ、エーモンは1アンペアのスイッチが多いの?
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それはですね、スイッチを使う相手の電装品として、LEDが主流になったからですよ。
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フムフム。
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昔はエーモンにも、もっとたくさんのスイッチのラインナップがありましたが、LEDが主流になってからは使用可能電力が低い、1アンペア以下のスイッチのラインナップが増え、大容量タイプはだいぶ減りました。
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スイッチの小容量化も、時代の流れなのか。
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そういうことですね。そして、ここでエーモンが想定している「LED」とは、例えばテープLEDなどをはじめとするエーモンLEDのことです。
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テープLEDでデイライト風(※)にしている人だったら、1アンペア以下のスイッチでも事足りる。
※法的には、デイライトではなく「その他灯火類」。
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そういうことです。1アンペア分ものLEDを後付けするとなったら、かなりの量ですので。
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しかし同じノリで、社外品のパワーLEDを使ったLEDデイライトなどに、エーモンスイッチを使うとなったら話は別だ。
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組み合わせにもよりますが、容量オーバーになってしまうケースも多いですね。
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ここは、容量制限のことを考えていなかったユーザーが、地雷を踏みやすいポイントと言えましょう。
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そこは、スイッチ選びの注意点になります。
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では「社外デイライトと組み合わせても、問題ない容量のエーモンスイッチ」は、どれなのか?
テープLEDを使った、デイライト風のカスタム例。
10アンペア以下の中容量スイッチが、社外デイライトに向いている
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社外デイライトの消費電流は製品によりますが、左右合計で数アンペアの電流が流れるようなものもあります。
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そういう場合に使う、スイッチは……
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オススメは「中容量」のスイッチですね。
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中容量って、どのくらい?
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エーモンスイッチの区分では、「1アンペア超~10アンペア以下のスイッチ」です。
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ホホウ。その中容量スイッチの中で、中塚研究員のオススメを挙げるとすると?
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例えば、このあたりですね。
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これでも容量的に足りない、ということがあれば「大容量」スイッチですね。
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大容量は、どのくらい?
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エーモンスイッチでいうと「10アンペア超のスイッチ」が大容量の扱いとなります。
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大容量スイッチなら、社外デイライトでも余裕で制御できそう。
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ただし、空きスイッチパネルに穴開けしたり、別途スイッチパネル(3232╱3233など)を組み合わせて使う形になります。
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空きスイッチパネルに貼り付けたり、入れ替えたり、といったノリのスイッチとは付け方が違うんだ。
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そうですね。そういうタイプは、小容量スイッチばかりなので……。
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なるほど。容量を取れば、スイッチのデザイン的な選択肢は限られる。
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「どうしてもこのスイッチを使いたい」という場合には、リレーを組み合わせるやり方もありますが。
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しかし、今回の企画趣旨は、あくまでも「リレーなどは、よく分からない」人向きです。
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……で、あれば、今回紹介したような「中容量」あるいは「大容量」のスイッチが安心ですね。
✔ 消費電力で記載されている場合は、12W=1アンペア(※12V車の場合)で換算できる。
✔ 左右合計で12Wを超えていたら、1アンペアのエーモンスイッチは使えない。
█ 中容量のエーモンスイッチ
トグルスイッチ3203 | 8A |
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トグルスイッチ3204 | 8A |
プッシュスイッチ3210 | 3A |
█ 大容量のエーモンスイッチ
トグルスイッチ3205 | 20A |
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ロッカスイッチ3214 | 20A |
ロッカスイッチ3215 | 15A |
12Φトグルスイッチ用のスイッチパネル(3232)
4極リレーの出番
✔ リレーを組み合わせて、スイッチの容量制限を突破するやり方は、「デイライトへのスイッチ取り付け方法╱必要な部品は?」参照。
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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