「その他灯火類」のすべて!(第1回)
その他灯火類とは? 保安基準を分かりやすくひも解く
何となくは知っているけれど、明確にはよくわからない人が多い「その他灯火類」。色は? 明るさは? 取り付け位置に決まりはあるのか? LEDを付ける前に、その他灯火類の保安基準を知っておこう。
その他灯火類とは?
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外装にテープLEDを貼ったりするときに、気になるのが「その他灯火類」(※)のルール。
(※)「そのた とうかるい」と読む。
●レポーター:イルミちゃん
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300カンデラ以下の社外品デイライトを付けたときも、法規上の扱いではデイライトではなく「その他灯火類」になる。守るべきルールとしては、同じものですね。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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しかし、この「その他灯火類」は、ウインカーやフォグランプみたいな明確な灯火類と違って、あやふやなイメージがあります。
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まあそういう人が多いでしょうね。
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そもそも、「その他灯火類ってなに? どれのこと?」っていう……
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確かに、お店に行って「その他灯火類ください」と言っても、ポカンとされるでしょうね。
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それでは、その他灯火類とは何か?
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カンタンに説明しましょう。ヘッドライト(ロービーム、ハイビーム)、ウインカー、ブレーキランプなどは、車に付いていないといけない機能ですよね。
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ポジションランプ、バックランプ、テールランプなどもそうですね。
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そういった車の機能として重要なランプには、個別に保安基準でルールが定められています。日本では義務ではないけれど、フォグランプも含まれます。
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例えば、「車検に通るヘッドライトの条件」とかで教わってきた話ですね。
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そうです。しかし、そういう機能ランプが、ランプの全てではありませんよね。
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と言うと?
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主に、アクセサリー(飾り)として付いているランプ(光モノ)もあります。
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フムフム。
言ってしまえば、なくてもいいランプ? -
まあ、車の機能面からは必須ではない……という意味ではそうです。
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でも、そういうモノを付けてはいけないワケでもない……ということか!
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そうですね。しかし、何でもアリとはいきませんので、「その他灯火類」という、大きなくくりのルールが存在しているのです。
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なるほど。
意外といいルール、とも言えそう。 -
例えば、デイライトの規定が設けられる前のデイライトの扱いもそうでした。
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つまり、純正で最初から車に付いている灯化以外の「光モノ」がその他灯火類?
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う〜ん、しかし最近は純正でも、グリルが光るイルミネーションが付いていたりします。あれは、純正ではあるけど「その他灯火類」です。
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そういえばそうか。オプションの、グランドイルミネーションなども同じだ。
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保安基準で「灯火」としてルールが定められているもの以外の、ランプや光モノ……ということですね。
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そう考えると、最近は純正も「その他灯火類」を使っていますね。
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そうですね。LEDが登場して以降は、そういう傾向があります。
✔ 正式なデイライトと、その他灯火類デイライト(風)の違いは、「車検に通るデイライトの条件」を参照。
その他灯火類の保安基準は、自由度が高そうだが…
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ここからは、その他灯火類のルール(保安基準)を教わっていきます。
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大きく分けると、「取り付け位置」「色」「明るさ」の3つのルールがあります。
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どこに付けたらいいのでしょうか? イメージ的にはバンパーやグリルだけど……。
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しかし、「その他灯火類としての取り付け位置」は、もっと自由度は高いです。
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バンパーやグリルに限っているワケではない?
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ハイ。その他灯火類のルールが、通常の灯化と違うのは、「この場所にこの色で、こうやって付けなさい」というルールではない、という点です。
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どういうことでしょうか?
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どちらかというと、「やっちゃダメ」なルールが設けられているだけなんです。
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……はあ。
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例えば取り付け位置を例にすると、「この範囲に付けなさい」というルールはない。
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じゃあ、どこに付けてもいいってこと?
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そういうことではありません。
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じゃあ、どーゆーこと?
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取り付け場所によって使える色の条件が変わってくるし、固定方法や配線処理なども、「その他灯火類」とは別に、ルールがありますので。
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……なんか、ややこしいぞ。
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そうなんです。「その他灯火類」は単独で見ると自由度が高いルールにも見えますが、それだけに「別のルール」に抵触する可能性もあり、注意が必要なのです。
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……なるほどね。
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まずは、「色」と「取り付け位置」のルールは、セットで理解しないといけませんね。
その他灯火類の代表的なイメージ
エーモンのテープLED(サイドビューテープLED)を開口部に貼った例。LED技としては超定番。
配線のルールってなんのこと?
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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