球屋に行かずにリアシーケンシャルウインカー加工を実現する方法
シーケンシャルウインカー加工をやるなら、この道のスペシャリストの「球屋」で! という人は多いが、球屋(京都府)に車を持ち込めない遠方の人も多い。そんな場合、テールランプのみ送って加工してもらうことが可能。そのやり方を解説する。
シーケンシャルウインカーやりたいけど球屋が遠い。そんなときは?
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レクサスでは前後シーケンシャルウインカー、トヨタ車ではフロントのみシーケンシャルウインカー、という棲み分け(?)のせいで、大人気になっている球屋のリアシーケンシャルウインカー加工。
●レポーター:イルミちゃん
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まあ、やっぱりフロントが純正で流れるウインカーだと、リアも流したいと考えるようですね。皆さん。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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そこで球屋では、C-HRやハリアーのリアシーケンシャル化を、いちはやく実現してきました。
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こういうのを見てしまうと、自分の車でもやりたいという人は当然たくさんいると思うのですが、ここで問題があります。
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問題?
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球屋(京都府八幡市)に行けない、という遠方のユーザーはどうすればいいのか。
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フムフム。
なるほど。 -
中には関東や九州から、自走で車を球屋に持ち込むツワモノもいますが……
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毎度ビックリします。
ありがたいですね! -
でも、まあ、ふつうの人は、行けません。
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ですよね。
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DIYラボとしましては、自分で作る! という人には、「シーケンシャルウインカー(純正風の流れるウインカー)の作り方」を見てください、と言いたいのですが……
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ただしテールランプの場合、ほとんどの車が熱分解(熱で殻割りすること)はできません。超音波カッターで切るしかないし、閉じる時の防水も含めて、難易度が高いです。
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そうなんですよねぇ。正直なところ、最近の、特に純正構造を生かしたシーケンシャルウインカー加工は、DIYでやるのは現実味がないと思うんですよ。
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まあ、確かに、最近のヘッドライトやテールランプの作りを考えると、そういう面はあります。
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しかし「近所にリアシーケンシャルウインカー加工なんて、やってくれるお店がないよ」という人がほとんどでしょう。
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その場合は、テールランプを外すことができるなら、それを球屋に送ってもらって、加工して送り返す、という方法もありますよ。
C-HRのリアシーケンシャルウインカー加工
60ハリアー後期のリアシーケンシャルウインカー加工
できるところはDIYでやる、という方法
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ではココで、「車を納車せずにリアシーケンシャルウインカー加工を実現する方法」を整理したいと思います。
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ただ「テールランプの脱着や、取り付け時の配線作業などができる人」もしくは、それができるお店が近所にある、のが前提になりますが。
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つまり加工はプロに頼み、取り付けはDIY。半分DIYってことですね〜。
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まずはテールランプを車体から外す、という作業が必要ですね。
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で、外したテールランプを送ってもらうときの注意としては、梱包方法が甘くて、ヘッドライトやテールランプを破損するケースは非常に多いこと。
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大きい箱に、左右のテールランプをごろんと入れるとか……NGですね。
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そのあたりは、以前に紹介したヘッドライトの梱包方法(↓)を参考にしてもらえれば。
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なるべくテールランプに近いサイズの箱を作って(加工する)、テールランプを片側ずつ1個の箱に入れて送るのが安全です。
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球屋での加工期間は、予約状況によって変動しますが、60ハリアー後期を例にすると1週間程度です。※パーツを送る前に予約が必須
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……ということはつまり、一週間程度テールランプを外したままの状況にしておける環境(車庫)も必要ですね。
テールランプの外し方は、「リアバンパーの外し方」の前半部分で解説しているほか、「バックドア(リアハッチ)内装パネルの外し方」も参照。
「ヘッドライトの梱包(こんぽう)方法」では、箱サイズをピッタリに加工する方法から解説。
加工テールランプ取り付け時の配線作業とは?
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加工後、球屋から送り返されてきたテールランプの取り付けについてですが……
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60ハリアー後期を例にすると、外側のテールランプは純正配線のカプラーオンでOKです。
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ただし、ハリアーの場合はもともと電球ウインカーなのをLED化しているので、ハイフラ対策は必要になります。
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そうでした。
ハイフラ防止抵抗を付けなくては。 -
あとはテールランプのハッチ側(内側)には、純正ではウインカー信号が来ていません。もともとバックランプしかないので。
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つまり、外側のテールランプ裏の配線からウインカー信号を取り、それをハッチ側のテールランプへと引き回す作業が必要になります。
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そっか。
そうしないと、内側から流れるわけがない。 -
このとき、内張り裏を通して上にいった配線は、蛇腹を通してバックドアに渡すことになります。
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出たジャバラ!
ここの通し方も、前回解説済みです。 -
加工後の内側テールランプからは、ウインカー信号線につなぐための線を出してありますので、それとつなぎます。
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なるほど。このウインカー線の取り回しだけは、どうしても必要になりますね。
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あとは、C-HRの場合、もともとハッチ側のバックランプを、外側に移設しているので……
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ハッチ側の純正バックランプ線を、外側のテールランプに取り回してつなぐ、という配線作業が必要になります。
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まあ、普段から電装品をDIYで取り付けているような人にとっては、配線はシンプルですけど。
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そうですね。ちなみに60ハリアー前期は、テールランプだけ送ってもらって加工するケースが増えています。
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そうなんだ。
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ハリアー前期も後期も、加工後の取り付け作業としてやることはまったく同じですね。
内側(ハッチ側)のテールランプ
純正では真ん中がバックランプで、ウインカーはない。
加工後は内側からウインカーが流れる
✔ その他の作業
シーケンシャルウインカー点灯を、通常の点滅ウインカーに戻すための純正復帰スイッチ用の線が、各テールランプから2本ずつ(黒、グレー)出ている。黒は黒、グレーはグレーで合流させてスイッチにつなぐ。※純正復帰させるつもりがなければ、この作業は省略可能。
※合流させるのが手間なら、各テール裏に1個ずつスイッチを仕込んで、切るときは4つのスイッチを全てオフにする、という手法もある。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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