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カーボン調を取り去って、ボディ同色に塗装するには…
カーボン調パーツをボディ同色に塗装したい人のための、カーボンの取り方(除去)ガイド。パーツのサイズによってやり方は違ってくるが、ここでは車用の大きいカーボン調パーツからカーボン調を削り取って塗装する方法を、板金塗装のプロに聞いた。
カーボン調パーツのカーボンを取り除きたい、という人が意外といる…!?
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今日の話題はカーボン調パーツのカーボン除去です。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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カーボンを除去するの?
●レポーター:イルミちゃん
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そうなんです。カーボン調ではなくてボディ同色にしたい、という人が少なからずいて、そういう依頼をときどき受けます。
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せっかくのカーボン調なのになんでカーボンを取るのよ。
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カーボン調が好きではない人だっているでしょう、そりゃ。
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だったらなぜ、カーボン調のパーツを選んだのだろうか……?
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いや、そうではなく「カーボン調しか選択肢がなかった」状況だってあるでしょう。例えば純正のカーボン調パーツです。
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ああ、そういうことか~!
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「純正でココがカーボン調になっているけど、なんでボディ同色にしてくれなかった?」っていう人もいて、ほんだ塗装にボディ同色塗装を依頼してくれるわけですね。
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いろいろなコダワリ方の塗装依頼があるんだなァ。
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純正パーツのシボ取りも似たような発想。シボでもカーボン柄でも、削って落として塗装し直せばボディ同色にするのは可能です。
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カーボン調取り、とはどんな作業なのか見てみましょう。
カーボン調の取り方(削り方)
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まずは表面のカーボン調を粗く削り落とします。この工程では60番の粗いペーパーを使っています。
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おお~。カーボン調が取れていく。削るだけなら、DIYで十分できそうな……。
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ただ、粗く削っているので、この段階ではまだ表面はデコボコ。樹脂が逆立ってザラザラ、ケバケバの状況です。
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当然、このままボディ同色に塗装できない。
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このカーボン調削りを60番のペーパーでやったとすれば、次は120番で磨いて、60番で付けた傷目を消します。
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フムフム。
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その次は180番、320番……というふうに段階的に番手を上げて、傷を消していく必要があります。
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60番から一気に320番に飛んでも、60番の傷目は消せないよ~っていう、話ですね。
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そうそう。段階的に番手を上げながら磨いていかないと、ツルっとした表面にはなりません。
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しかしカーボン調取りの場合は、スタートの番手が粗い上に面積も大きいからかなり大変。
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……確かに。
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小さいカーボン調の部品だったら、段階を踏むやり方でもまだ現実味はあると思いますけど、車の大きいカーボン調パーツだと、膨大な時間がかかってしまう。
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といっても、他に方法があるの?
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やり方はいろいろありますよ。例えばカーボン調を粗めのペーパーで削ぎ落としたあとに、1回パテを薄く入れる手もあるし。
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あ、なるほど。
削るのではなく埋めるのね。 -
ただ、それにしたって、大きいパーツで全面にパテを引くことになると、それはそれで大変です。
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ふむ…。
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そこで、ほんだ塗装での工程を紹介。まず60番のペーパーでカーボン調を削ったあとに、120番のペーパーで削ります。
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ここまでは段階的に番手を上げて削る方式ですね。
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そして120番まででいったん削るのは止めて、粘度の高いサフェーサーを入れるんです。
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粘度の高いサフェーサー?
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はい。1回目のサフェーサーは、粘度の高いポリサフというのを使います。
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これ、普通のサフェーサーとは違うんだ?
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もっとゴテっとした感じのサフェーサーなんですよ。
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ドロっとしているので、使用するガンも変わってきます。
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サフェーサーにもいろいろあるのね。
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このポリサフを使って、粗いペーパーの傷目の谷を埋めるイメージです。
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凸凹の凸を削るのではなく、凹を埋めて平らにする発想。
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そうです。パテを入れるのか、粘度の高いサフェーサーを入れるのかの違いで、両者の考え方は同じ。
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なるほど。
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ポリサフが乾いたら、180番のペーパーで削ります。
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けっきょく180番で削るなら、手間が変わらない気がするんですけど?
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いや。ポリサフによって傷が埋まって消えているので、傷目を消すという意味での手間はずいぶんと軽減されます。
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そうなんだ。
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180番で削ったら、普通のサフェーサーを入れる。理想は320番で削った後でサフェーサーですが、社外のFRP製品ではなくて相手が純正パーツだったら、サフェーサーの手前は180番でも十分な気がします。
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つまり、サフェーサーは2回入れる。
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はい。2回目のサフェーサーを入れて、800番の水研ぎで仕上げて、塗装に入ります。
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塗装して磨いて、ツルっとキレイに仕上がりました。
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カーボン調のスポイラーやサイドステップが、ボディ同色に生まれ変わりました~!
硬化剤と促進剤を混ぜる3液型のポリサフェーサーを使っている。
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