LED自作コラム
純正のLED間接照明の色替え、という技
間接照明の色替えは、地味ながら自己満足度の高いドレスアップ。純正でいろいろな場所に間接照明が付いている車は多いし、車種や世代にもよるとはいえ、意外と砲弾型LEDが使われていたりもするので、DIYで扱いやすくて現実的。ここで実例を紹介しよう。
純正の間接照明が砲弾型LEDだったら……
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純正でいろいろな場所に間接照明が付いている車も多いですが、その色替えという技についてレポートしたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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これは130系マークエックスの例ですが、ドア内張りのドアハンドルやドリンクホルダー部分に、間接照明が付いています。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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これ、バラしてみると、意外なほどシンプルな構造であったりします。
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そうなの?
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構造としてはドア内張りに穴が開いていて、そこに純正LEDが挿し込まれているんですね。
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フムフム。
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しかも使われているLEDは、昔ながらの砲弾型LEDでした。
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へー! じゃあ、チップLEDの打ち替え技とは違うんだ。
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車種や世代にもよりますが、意外と砲弾型LEDは使われています。ドア内張りのドアハンドルとかドリンクホルダーには、3ミリ位の砲弾型LEDが使われていました。
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……ということは、その砲弾型LEDを差し替えれば「色変え」ができるんだ。
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そうなんですが、純正の場合は、砲弾型LEDの先にアクリルみたいな素材のレンズがハマっています。
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ふむ。純正で砲弾型LEDのアタマがムキ出し……っていうことはないでしょうね。
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となると、そのアクリルレンズ部品は流用したいので、純正LEDから外さないといけませんが、そこはちょっと大変です。
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スポっと抜けるようなものではないんだ。
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純正状態がコーキングというかホットボンドみたいなもので合体しているので、それを無理矢理剥がす作業になるんですね。
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付けたら二度と外さない前提なんでしょうね。
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基板も使われていないシンプルな構造でしたが、かえって手間がかかるという……。
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なるほど。
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アクリルとLEDを分離できたら、純正配線に新しい砲弾型LEDと抵抗をハンダ付けし直して、アクリルも付け直す……という作業内容です。
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今回は、オーナーさんのリクエストに沿って、青い砲弾型LEDに色替えした例です。
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使ったLEDは、エルパラでも販売している広角3ミリの砲弾型LEDです。
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3ミリ砲弾型なら、色のラインナップは豊富にあるので、色替えの自由度は高そうです。
※エルパラの「3mm砲弾型LED」ラインナップ参照。
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ルームランプユニットに埋め込まれたスポットランプは、5ミリ砲弾型LEDが入っていました。これはシフトノブ周囲を照らすスポット光ですね。
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しかし、色替えするにあたっては、ココにも3ミリの砲弾型LEDを使いました。
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純正で5ミリ砲弾なら、色替えも5ミリ砲弾を使うんじゃなくて?
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それでもいいんですが、今回のマークエックスのように3ミリ砲弾と5ミリ砲弾が混ざっている場合、違うサイズのLEDを使うことで色味が微妙に合わなくなるという心配があります。
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あー。
そこね! -
ですから、全箇所同じ3ミリ砲弾型LEDで統一してしまいました。
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ナルホド。
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あとは、LEDを交換する以上は、抵抗値も変わりますから、抵抗も必要ですね。
✔ 今回使っているのは、「広角3mm青色LED」
砲弾型LEDを1発単位で光らせるときの抵抗値
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砲弾型LEDに対して12Vのプラス線とマイナス線が直接つながっていて、配線の間に抵抗が付いているような構造でした。
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それならDIYでも色替えできそう。
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あとは抵抗のチョイスの問題ですね。
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今回、野本研究員が使ったのは?
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自分の場合は、小型1/2Wカーボン抵抗を使っています。消費電力からすると1/4W抵抗でも問題ないんですが、余裕を見ておく安全策です。
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抵抗値はどうするの?
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3ミリ砲弾型LEDは最大20ミリアンペアのLEDなので、常識的なマージンを取って15ミリアンペア流すとすれば、計算上は710Ωぐらいで足ります。
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上記の抵抗のラインナップを確認すると、680Ωの次は750Ωになっていますね。
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そうですね。750Ω以上の抵抗ならOKだと思います。僕としては910Ωや、1KΩでもいい位だと思います。
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抵抗値が大きいほど電流が流れなくなりますが……
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しかし間接照明の色替えは、純正から交換する時点で、絶対的に輝度が高くなって明るくなりがちです。
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……間接照明で眩しくなったらかえって気になるかも!?
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そういう意味でも、計算上よりは大きい抵抗値を選んだほうがいいですね。電流は控えめにすると、LEDも長持ちしますから。
130系マークエックスの場合、純正LEDの作りはシンプルです
✔ エルパラで販売している小型1/2Wカーボン抵抗。写真は今回使用した1KΩ。
✔ 今回使っているのは青色LEDなので、青や白の場合の抵抗値。
✔ 赤やアンバー等のLEDを使うとすれば、抵抗値は変わってくる。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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