LED自作コラム
LED打ち替えに必要なアイテムと、ハンダごての選び方
ハンダごての選び方は奥が深くて初心者には難しいが、チップLEDをハンダ付けする用途なら白光(はっこう)の「FX-600」と0.6ミリ極細ハンダの組み合わせがオススメ。今回は車の内装のLED打ち替えを想定した、ハンダ関連アイテム選びについてガイドする。
LED打ち替えなら温度調整式ハンダごて
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今日のテーマはLED打ち替えに必要な工具の選び方。まずはなんといってもハンダごてがキーアイテムなわけですが……、
●レポーター:イルミちゃん
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チップLEDの打ち替えをやる場合、「温度調整できるハンダごて」を選ぶのがオススメです。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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それはなぜですか?
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純正LEDを基板から外すときは温度を高めにしたい、でも新しいチップLEDを付けるときは同じ温度だと高すぎる……からですね。
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なるほど。外すときと付けるときでは温度を変えたいんだ。
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そうなんです。特にチップLEDは、あまり高温にさらすとすぐに切れてしまいますので。
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なるほどね〜。
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こて先選びにもポイントはありますが、こて先だけなら後から交換できます。温度調整機能があるかないかは、本体で決まってしまうことですので。
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そんな野本さんがDIYユーザーにイチオシとして挙げる機種は?
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打ち替えに限らず、チップLEDのはんだづけ用途で薦めたいのは「HAKKO FX-600」ですね。
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値段もそんなに高くもない。価格と性能のバランスで考えると、この機種が一番だと思いますよー。
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コストパフォーマンスは大切ですよね!
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この機種でも物足りないと感じる位になったら、より本格的なステーションタイプのハンダごてを買えばいいと思います。
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ステーションタイプ?
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こて先と電源部分が別体になった、本格的なハンダごてのことです。ステーションタイプなら温度調整もできます。
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要するに野本さんみたいなLED加工者が使っている大型のタイプかー。
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ただそういうタイプは出費も万単位になるし、そこまではいらないよ、っていう人も多いはず。そういう意味で「HAKKO FX-600」はベストバランスなんですよ。
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なるほどね〜。
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ちなみに「LED打ち替え」をやるのなら、ハンダごてを2本持つ「二刀流」がオススメです。
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……え!? なんで2本もいるんですか?
さては野本さん、白光の回し者では……? -
純正LEDを外すときに、1本だと大変だからです。片側のハンダを溶かして、反対側のハンダを溶かしているうちに最初のほうが固まったりして、うまく外せません。
そして回し者ではありません。 -
二刀流ならなおさら、あまり高価な機種は手を出しにくいし……、
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そういう意味でも「HAKKO FX-600」なら、まだ現実味がありますよね。
2本買ったら1万円超えますが…(汗)
LED通販のエルパラでも購入可能な「HAKKO FX-600」。200度〜500度まで温度調節できる。
こういう風に外すとラク
具体的なやり方については、「LED打ち替え方法/エアコンパネル編」を参照。
こて先は細いC型がオススメ
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最初からついている太いこて先だと、チップLEDを上手にハンダ付けするのは難しいです。
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チップLEDは電極も小さいですからね〜。
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そうなんです。こて先が細いほうがチップLEDはハンダ付けしやすいです。特にC型の細いこて先がオススメ。
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C型?
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先端がナナメにカットされているのがC型です。「HAKKO FX-600」に使える細いC型がコレ。
エルパラの「HAKKO 交換コテ先」の種類の中から、「T18-C1 1C型」というモデルを選ぶ。
チップLED用なら、ハンダも細いほうがよい
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チップLEDのハンダ付けをするときは、ハンダも細いものを選ぶといいです。
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こて先だけでなく、ハンダの線にも太さがいろいろあるんですね。
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そうですね。一般的に売られているものの中でいうと0.6ミリが最も細いクラス。
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こて先だけでなく、ハンダもセットで細くするわけですね〜。
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細いほうが一回のアタリで溶ける量も少なくなる。細かいチップLEDをハンダ付けするのには向いています。
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ハンダが太いと?
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ダマになりやすい。
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それはイヤですね。ということでオススメは?
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高級なハンダは世の中にいくらでもあるし、精密基板用などいろいろ用意されているんですが、「HAKKKO」の0.6ミリタイプはオールマイティに使えるから便利です。
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オールマイティに……とは?
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ハンダによっては、チップLEDを付けるときはいいけれど、芯線に予備ハンダするときはのりづらい……とかそういうケースもありますので。
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そっかー。本格的にやるなら用途に合わせて使い分けるのもアリかもですが……、
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普通はそこまでするのは面倒、ですよね(苦笑)。
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それと打ち替えをやるのが前提なら、「純正ハンダを取り除く」用途で、ハンダ吸取線(↓)というアイテムが必要になりますよ。
ハンダの太さもいろいろ
というわけでバランスのいいハンダがオススメ
野本研究員セレクトは「HAKKKO FS402-01」
ハンダ吸取線も用意する
定番ブランドgootの「はんだ吸取線 CP-2515」。ハンダ付けに失敗したときの修正にも重宝。
ハンダごての他にピンセットも必要
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工具としては、ハンダごてだけあればいいということでしょうか?
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他にピンセットは必要ですね。チップLEDをピンセットでつかみながら、ハンダごてでハンダ付けするので。
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ピンセットは家に転がってたやつでいいですかね?
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う〜ん。先が細い精密作業用のものがいいと思いますよ。
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このgootのピンセットは僕も普段の加工から使っているものです。
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家に転がっているピンセットとどう違うんですかね?
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精密作業用なので先が細いです。それとこのカーブ形状。チップLEDやチップ抵抗といった、精密部品を持ちやすいですよ。
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なるほどー。上手にハンダ付けするためのキーアイテムは、ハンダごてだけじゃないってことですね。
きちんとしたピンセットを使おう
gootの「精密ピンセット TS-15」
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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