LED自作コラム
LED打ち替えに使うチップLEDの種類。プロの使い分けは……深い!
LEDの打ち替えに使うチップLEDは、5050・3528・3020・3216・2012・1608……と、いろいろな種類があるが、どう使い分けるのか。光ドレスアップの専門店「イルミスタ」の野本店長に教わった。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
純正チップLEDより大きいチップは避けたほうが無難
純正基板に付いているチップLEDの種類は、車種や場所によっていろいろ。しかし「純正で付いているチップLEDより大きいサイズに載せ替える、ということはあまりしないほうがいいです。これはハンダの接触不良が起こりやすいからです」とはイルミスタの野本店長。
「たとえば純正で小さい1608が付いていたところに3528を付けようとすると、足のピッチが違うのでハンダ付けできません」。
チップLEDの種類のおさらい用写真
純正より小さいサイズで明るさを押さえる手も!
つまり純正で3528などの大きめが付いていた場合は、足のピッチが同じ3528に打ち替え可能。そしてサイズが同じチップLEDでも打ち替えると輝度が上がって、純正より明るくなるのだ。
「でも僕はむしろサイズダウンさせて、あえて3020とか3216のどちらかに変えたりします!」
場所にもよるが輝度が上がりすぎると、視界の妨げになることがある。だから眩しくならないように純正よりも小さいチップLEDを使う。ここでの主な目的は「明るくする」ではなく「カラーの変更」という話だ。
「基板上のハンダのスペースは、LEDチップに対して広めに取ってあったりします。なので少し小さいチップLEDに付け替えるぐらいの余地はあることが多いですね」。
同じ基板上でもいろいろな種類のチップが出てくる
純正チップLEDは大きいもので3528あたりまで
「純正で使われているチップLEDは、大きいもので3528までですね。よく見かけるのも3528。5050のような大きいLEDは付いてないです」。
ちなみにトヨタ純正の例だが、プリウス等で使われている3528は特殊な四つ足形状だったりするものもあるという。
「4本足のうちわけが、カソード(マイナス)3本・アノード(プラス)1本という特殊なLEDになっています。こういう場合、普通の3528(足が2本)で打ち替えるときに、アノードとカソードが横に並んでいるところに普通にハンダ付けしたらショートしてしまいますので、接触しないように少しズラして付けたり……といった対策が必要になります。あるいは3020などの小さいモノに変えることで、ショートを防げたりもしますね」。
プリウスのエアコンパネル基板
4本足の特殊な3528サイズが多数登場。
色を組み合わせて使うニーズが増えた
イルミスタの打ち替え作例は、配色がきれいで目を引くものが多いが、色の使い分けなどはユーザーの要望に合わせているという。
「全部白にしたい、という人もいますが、せっかくだから部分的に色を変えたいという要望が多いです。3528にはパステルカラーなどがありますから、あのシリーズの色を入れたい!っていう人も多いですよね。
全LEDをパステルカラーにするのは派手過ぎるかもしれないが、アクセントで色を使うのは面白そう!自分で打ち替えするのはリスクを伴うので上級者ユーザーに限られてくるが、配色だけは自分で考えて、作業はイルミスタのようなプロに任せるのもいい手だ。
ちなみにパーツの脱着までは出来る、というのであればそのぶん工賃を下げることも可。
文字盤と液晶が白色、パイロットランプが青色
こういう配色を考えるだけでも楽しい!
打ち替える時のコツ
最後に自分で打ち替えする人のためにコツを教わった。
「純正基板に手を入れるので、熱を加えすぎると余計なところを壊してしまう可能性があります。そういう意味ではあまりゆっくりとハンダ付けするわけにもいきません」。
そのためにハンダごても使い分けるという手があるらしい。
「純正LEDを外すときはもともと付いているハンダが溶けにくいので、30Wぐらいのハンダごてを使うといいんですが、付け直すときには20Wぐらいのハンダごてを使うといいんですよ」。
チップLEDは直にLEDに熱が伝わるので、熱で壊れやすい。だから使い分ける。温度調整型のハンダごてを使うなら、「外すときは370度以上、付けるときは320度以下」というのが野本流。
関連記事