リレーアタック対策講習⑨
リレーアタックを自動で防ぐ「スマートガード」取り付け方法②╱電源や信号を取る

リレーアタックと車上荒らしの両方を防ぐ、「スマートガード」のDIY取り付け方法の続き。ここで電源&信号線を取る。電気が苦手な人は「難しそう」と思うかもしれないが、近い場所で配線をまとめて取れる上、配線情報がしっかりあるので意外とラクと言える。
スマートガードの常時電源・IG電源・アースの取り方
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「リレーアタックを自動で防ぐ〈スマートガード〉取り付け方法」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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それでは実際に、車にスマートガードを取り付けていきましょう。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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ここでのモデル車は30ヴェルファイアですが、スマートガードは汎用品なので他車種でも付けられますよ。
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作業の順番に決まりはありませんが、まずは本体ユニットに対して、車両側から必要な電源・信号線を取るといいと思います。
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それはなぜ?
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その作業を先にすることで、本体ユニットの置き場所が決まってきます。サイレンやアンテナの取り付けは、その後にしたほうが効率がいいですね。
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なるほど。
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ちなみにモデル車の30ヴェルファイア(アルファード)の場合は、必要な電源や信号は、グローブボックス裏で取ることができます。
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グローブボックス裏の左端にBCM(※コンピューター)があって、その配線から取れるのです。
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この場所は、配線がいっぱいありますけど……。
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どのコネクターの何番目の線が、なんの電源・信号なのか……という情報は、コムエンタープライズの配線情報を見れば分かるようになっています。
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線が判別できたら、ユニットの線をつなげばいいんですね。
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これで、電源系の配線は取れました。
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配線情報があれば、ここまではいたってカンタン。えーっと、お次は?
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ドア開閉を検知するドア開閉検知線(いわゆるドアカーテシ線)も、ここで取れます。
✔ スマートガードの適合車種については、コムエンタープライズの車種別適合・配線情報で調べられる。

常時電源を取る

スマートガード・本体ユニットの赤を、常時電源線につなぐ。
IG電源を取る

ユニットのオレンジを、IG電源線につなぐ。
アース線の接続

ユニットの黒をボディアースする。
全5ドア分のドアカーテシ線を取り出す作業
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ヴェルファイアには、バックドアも含めて全部で5枚のドアがありますが……。
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そのうち、「運転席ドア」「助手席ドア」「助手席側スライドドア」「バックドア」のドアカーテシ線は全てBCM付近で取れます。
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ホホウ。
(ラクってことね♪) -
唯一、「運転席側スライドドアのドアカーテシ線」だけはここでは取れません。
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惜しい!
なんでだ? -
正確に言うと、BCMにはつながってはいますが、背面側にある配線なので、容易には取れないんです。
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……では、運転席側スライドドアのドアカーテシ線はどこで取るの?
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運転席側のキックパネル裏で取れます。
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ナルホド。
そのあたりも配線情報通りにやればいいんだ。 -
そうですね。そして、ドアカーテシ線を取るときに使う部品が分岐ダイオード(↓)です。
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1本線が、5分岐になっていますね。
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間には整流ダイオードが入っていて、ドアカーテシ線同士の信号の回り込みを防止します。
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この分岐ダイオードの1本側の「赤白」は、ユニットの「赤白」とつなぎますので、接続コネクター等を付けておきます。
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ふむふむ。
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そして5分岐側が、車両配線につながる側です。
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なるほど。
じゃあ、こっち側はエレクトロタップの出番だ。 -
今回の30ヴェルファイアでの取り付け例では、5本のうち4本はBCM付近の配線につなぐので、エレクトロタップを付けています。
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残り1本だけ、違う処理をしていますね?
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1本だけは、延長コードを中継して運転席側キックパネルに運ぶので、ここでは接続コネクターを使いました。
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そういうことか。
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エレクトロタップを付けた線は、BCM付近の各ドアカーテシ線につなぎます。
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各ドアからカーテシ線を集める必要もなく、サクサク取れてしまいますね。思ったよりラク。
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そして1本だけは延長していって、運転席側キックパネル裏で、運転席側スライドドアカーテシ線につなぎます。
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車種によっては、全ドア分がBCM付近で取れたりもするのでしょうか?
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そうですね。
そういうパターンもあります。 -
いずれにしても、コムエンタープライズの配線情報を元にすれば、ここまでの作業は難しくはなさそうです。
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それとヒューズ電源の接続です。これも近い場所にありますよ。

スマートガードのキットにも付属している。
分岐ダイオードの仕込みはこうなる

各ドアカーテシ線を取る


スマートガードのヒューズ電源を、指定ヒューズと付け替える
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ヒューズ電源につなぐハーネスは、コレ(↓)です。
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30アルファード╱ヴェルファイアの例では、助手席足元のアンダーカバーを外すとヒューズボックスがあります。
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ヒューズボックスにはヒューズがたくさん並んでいますが、どこに付けるんでしょう?
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その点も、車種別の配線情報でガイドしています。ヴェルファイアの場合は、「SMART」と書いてある7.5A(アンペア)のヒューズと入れ替えます。
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ヒューズボックスのフタ(↑)あるいは説明書などで、指定ヒューズの位置を確認できますね。
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あとは指定ヒューズを抜く。
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抜いた純正ヒューズを、スマートガードのヒューズ電源側にセットします。
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あとは純正ヒューズを抜いたところに、ヒューズ電源をつなぎ直せばOKです。
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スマートガードの取り付けは、近い場所での配線作業だから意外とサクサク進みます。
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問題はここからですね。



実際の指定ヒューズを見つける


✔ ヒューズボックスのフタに付いていた、車載のヒューズ抜きを使っている。 なければラジオペンチなどを使って抜く。


DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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