リレーアタック対策講習③
車本体のリレーアタック対策はDIYでできる
リレーアタック対策・実践編。一般的なスマートキー側の電波遮断ではなく、車本体にリレーアタック対策をほどこす方法だ。難易度は高くないので、初心者でもDIYで取り付けられる。
リレーアタックガードの車への取り付けはDIYでもできる
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「リレーアタック対策の画期的な新手法。〈リレーアタックガード〉とは?」の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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ここではリレーアタックガードの、DIY取り付け方法を解説します。
●アドバイザー:CEP 服部研究員
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一般的なDIYリレーアタック対策というと、スマートキーを缶などの電波遮断ケースに入れることを指しますが……
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リレーアタックガードは、ユニット(受信機)を車本体に取り付ける対策パーツです。つまり電装品取り付け、ですね。
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……それって、DIYでできるの?
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DIYラボで紹介している電装品取り付けの中では、最もカンタンなレベルじゃないでしょうか?
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それは盛りすぎでは……。
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だって、ヒューズボックスから電源を取って、あとはボディアースするだけ、ですので。
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そんだけっ!?
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そうなんです。カンタンに取り付けできるのも、リレーアタックガードのウリなのです。
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それならDIYラボの常連読者の方ならカンタンだと思いますが……。
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しかし、ここでは「はじめて車に電装品を取り付ける」人でもできる位、かみ砕いて説明していこうと思います。
コムエンタープライズのリレーアタックガード
リレーアタックガード(受信機)の取り付けはどんな作業?
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ここでは30系ヴェルファイアを例に解説しますが、車種が変わっても基本的な内容は同じです。
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まずは何から?
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ヒューズボックスを探します。けれど、どのヒューズボックスでもいいわけではありません。
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と言うと?
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リレーアタックガード本体ユニットの配線の先には、ヒューズ電源が付いていて、ヒューズボックスから電源を取れるようになっていますが……
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ただし、どのヒューズと入れ替えてもいいのではなく、どのヒューズと交換するかは、車種ごとに決まっているんですよ。
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車種ごとに違うんだ。
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そうなんです。だから、コムエンタープライズ公式サイト上で配線情報を公開しています。
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では、今回のモデル車の30ヴェルファイアの場合は?
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室内の助手席側にあるヒューズボックスの中に、指定のヒューズがあります。
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それでは、まずはそのヒューズボックスにアクセスしましょう。
ヒューズ電源はケーブル一体なので、別途ヒューズ電源を用意する必要はない。
✔ リレーアタックガード購入ユーザーは、リレーアタックガードのページ内にある「適合・配線情報」から、配線情報を調べることができる。
リレーアタックガードの配線をつなぐ「ヒューズ」を探す
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ヴェルファイアの場合は、助手席側足元のアンダーカバーを外します。
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ツメで留まっている(4箇所)だけなので、指でツメロックを解除しつつ押し下げます。
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アンダーカバーを外して下から覗き込むと……
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手前に見えるのは、ヒューズボックスのフタ。このフタを取ります。
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フタにヒューズの配列表が書かれています。(※取説に書かれている車種もある)
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どれと交換するんでしょう?
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ヴェルファイアの場合は、「SMART」と書いてある7.5A(アンペア)のヒューズと入れ替えます。
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指定のヒューズの位置が分かったので、抜きます。
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ヒューズを抜くときの工具は、ラジオペンチ?
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それでも抜けますが、ラジオペンチは固くてヒューズを傷付けてしまったりするので、純正でヒューズ外しが付いていれば、それを使うのがベストです。
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こんなの、どこに付いているの?
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ヴェルファイアの例だと、エンジンルーム側ヒューズボックスのフタに収まっていました。
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なるほど。見当たらない場合は、他のヒューズボックスも含めて探してみましょう。
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ヒューズ外しを使って、ピンセットのようにヒューズを掴んで、抜きます。
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抜いたヒューズは、製品のヒューズ電源側に付け直します。
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ヒューズ自体は流用するんですね。
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そしてヒューズ電源を差し込み直しますが、ヒューズ電源には“向き”があって、逆に差すと電装品が動きません。
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ふむ。
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正しい向きは、検電テスターを使って調べる方法もありますが、もっとカンタンな方法もあります。
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と言うと?
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ひとまずどっちかの向きで付けてみて、動作しなかったら逆向きに差し直す。これでOKです。
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逆向きに差したからって、壊れるわけではない?
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その心配はありません。この方法なら、検電テスターなどがなくても取り付けできます。
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ナルホド。
でも、動作確認ってどうやるの? -
ヒューズ電源を差し込み、アースも取れたら、リモコンのボタンを押します。電気が来ていればユニット本体からカチっと音(リレーの動作音)がするので、分かります。
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では、アース線の接続を先にやってしまいましょう。
ヒューズボックス発見!
純正で付属している車種も多い「ヒューズ外し」
エンジンルームのヒューズボックスのフタの裏。
純正ヒューズを流用することでヒューズ機能も保たれるので、その点も心配はない。
リレーアタックガードのアース線(マイナス線)を接続
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アース線(マイナス線)は、車体金属部分のネジ(ボルト)を見つけて、そこにつなぎます。
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ヒューズボックス周辺で、アースポイントとなるネジを見つけるのがベストですね~。
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そうですね。近い場所では、グローブボックス裏やキックパネル裏などにもアースポイントはあります。
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キックパネルなら、すぐに取り外しできますね。
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車体金属につながっているネジを見つけたら、そのネジをゆるめます。
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リレーアタックガードのアース線(ムラサキ色)は1.5mの長さがあるので、少し離れた位置にボディアースすることも可能です。
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それなら、延長コードは必要なさそう。
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アース線の長さがだいたい決まったら切断して、クワ型端子(※付属品)を付けます。
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そして、ゆるめた純正ネジの間にクワ型端子をすべり込ませて、共締めします。
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もし近くに良さそうなアースポイントがなければ、グローブボックスを外して、その裏などで探します。
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ここまでつなげたら、リモコンを押して動作確認してみましょう。
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もしも、反応がなかったら、ヒューズ電源をいったん抜いて、逆向きで差し込み直します。
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……というわけで、確かに電装品取り付けとしては、最もカンタンなレベルと言えそうです。
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そうなんです。車本体のリレーアタック対策と聞くと難しそうなイメージがあったかも知れませんが、難易度の低さも今回の対策のポイントなのです。
ネジを1本取る
キックパネルを引っ張って外す
✔ アースポイントを探すときは、別記事の「ボディアースは〈場所〉に注意」なども参照。
✔ 端子を付けたことがない人は、「クワ型端子の正しいかしめ方(付け方)」参照。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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