DIY塗装のQ&A
気温が低い冬に、DIYで塗装しても大丈夫? 何かコツはあるの?
DIY塗装は、気温が低い冬にやってもいいのか。気温が低いとDIYモチベーションは上がらないものだが、実際問題として「塗装と気温の低さ」はどう関係があるのか?
気温が低い真冬の塗装は、止めておく
-
DIYでの缶スプレー塗装に関して、読者の方からこんな質問を頂きました。
●レポーター:イルミちゃん
-
真冬の北海道……。
今頃はバリバリの氷点下です。 -
……。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
-
そういう条件下で塗装するときのコツを、教わりたいと思います。
-
塗らないほうがいいです。
-
え?
もう結論? -
僕も、気温が5度以下だったら基本的には塗装しないようにしています。
-
へー!
そんなしばりがあったんだー。 -
ちょうど今日もね、塗装ブースを回して外気を取り込んでみたら、外気温は2度だったんですよ。寒っ!
-
ほんだ塗装は比較的温暖な愛知県ですが、今年は寒いですねぇ。
-
よほど急ぎで頼まれている仕事でもない限り、そういう日には塗装しないですね。
-
寒い日に塗装しないのは、どうしてなの?
-
理由のひとつ目。気温が低いときに塗装すると、メチャメチャ垂れやすい。
-
気温が低いと、乾きにくいから?
-
そうですね。シンナーがなかなか飛ばないから、その間に垂れる可能性が高まる。
-
特に、バンパーの塗装などを寒い日にするのは最悪ですね。サイドステップならまだしも。
-
それはどういう違いがあるの?
-
バンパーのほうが形状的に圧倒的に垂れやすい、ということです。
-
あ~、サイドステップは平面的だからまだいいっていう意味か。
-
凹凸が多いデザインなら、止めたほうがいいのは同じですけどね。
-
しかし、それだと板金屋さんは仕事になりませんね。真冬は。
-
だから、気温の低い日は準備だけしておいて、次の日の昼間に塗装するようにしています。
-
愛知県なら、冬でも日中の気温が5度を超える日も多い。……しかし、ずっとマイナス気温下の北海道ではそうはいかない。
-
そういうレベルの気温になると、もっと別の問題も出てきますよ。
■ 質問
北海道在住の為、DIYで塗装するには気温の面で条件が良くありません。 もし良ければ、マイナス気温下での塗装のコツを教えていただけるとありがたいです。
質問者╱玲志さん
造形が複雑で、どう設置しても垂直な面などが生まれるバンパーは、垂れやすい。
気温が0度以下になったら塗装してはいけない理由
-
極端に気温が低いと、塗装後に対象物が湿気を帯びて曇る可能性があります。
-
冬は乾燥しているのに、湿気を帯びるの?
-
これはですね、冬に窓が曇る結露(※)と同じような話ですね。
-
バンパーなどが冷えていること自体に、リスクがあるんだ。
-
だから、0度以下になったらいよいよ塗装したらダメ、と言われています。
-
では、玲志さんが聞いている「マイナス気温化での塗装のコツ」は……
-
コツも何もありません。冬眠ですね。
-
コツは冬眠……。
-
失敗しないためにも、春になったら塗りましょう。
-
……でも、だとしたら、北海道の板金屋さんは、冬はどうやって仕事しているんだろう?
-
北海道のお金持ちの塗装屋さん(?)なら、ボイラーが付いているんですよ。それで塗装ブース内に温風を入れるんです。
-
ホー。
そんな設備があるのか。 -
ちなみにほんだ塗装のブースにも、ボイラーが付いていますよ。設備としては。
-
なんだ! だったら本多研究員だって、寒い日はボイラーを使えばいいじゃない。
-
いやいやいや~。
高いのよぉ、灯油代が。 -
……。
-
いや、ホントに。塗装ブースのボイラーの燃料代って、ひと月に十万円単位、ヘタすると何十万円もの灯油代がかかったりするの!
-
灯油代が家賃みたいだ。
-
そうなんですよ。
-
そんなお金は、ほんだ塗装にあるわけない。
-
そうそう……って、うるさいわ。
-
そのぶん塗装代を安くしてユーザーに還元している、っていうイメージを伝えたかったんですよぉ。
-
……ま、とにかく、ウチは基本的にボイラーは使わないので、気温が低いときは塗装しないことにしています。
-
では、ボイラー付き塗装ブースの設備がないDIYユーザーは、寒中に塗装すること自体に無理がある。
-
そういうことですね。止めておきましょう。
※ 暖かい空気が冷たいものに当たると、空気に含まれた水蒸気が「水」に変わる現象。
ほんだ塗装で、DIYラボ連動キャンペーン実施中…!
電話でもメール相談でも、最初に、「DIYラボを見た」と言えば、「塗装代」や「取り付け工賃」が10%オフになる。「パーツの持ち込み塗装」の料金交渉も柔軟に応じてくれる。
DIY Laboアドバイザー:本多 順
ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
関連記事
- 缶スプレー塗装に必要なもの。プロと同じ作業を身近なアイテムで
- FRPパーツの塗装方法を、下地処理からプロに教わる
- 缶スプレー塗装でキレイに重ね塗りするコツ
- 重ね塗りのタイミング(インターバル時間)は?
- ブレーキキャリパーなど、車の部品を塗装するときのコツ
- マスキングしてブレーキキャリパーを塗装する方法
- クリア塗装の重ね塗りで、艶を出すコツ
- クリア塗装までに時間を空けすぎてしまったときの対処法は?
- ヘッドライトのクリア塗装をDIYでやるときの注意点
- サフェーサーとは? 塗装前にサフェーサーを吹く意味はなに?
- クリア塗装だけはDIYでは難しいからプロに頼む……はアリかナシか?
- カーボンパーツにクリアだけを塗装する意味と、その値段
- クリア塗装しても艶が出ない。艶引けしてしまう。……原因は?
- テールランプのスモーク塗装のやり方は?