オーディオのQ＆A

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センタースピーカー単独での増設に意味はあるの？ ないの？

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センタースピーカーを増設すると、音質は良くなるのか。または臨場感が増したりするのか。ちなみに「センタースピーカー」の存在を知っていたとしても「センタースピーカーとは何か？」は、案外知られていないので、そこから簡潔に解説する。

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  「サテライトスピーカーの増設は、音質向上につながるのか？」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回は、リア周りにスピーカーを増設しても、フロント（運転席＆助手席）の音質向上にはつながりにくい、という話をしました。

  ●アドバイザー：カーデン 佐伯研究員

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  この記事はDIYラボ読者のビッグケンさんの質問が元になっていて、「リアがダメならセンタースピーカー増設は？」案もありましたので、引き続き検証します。

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  センタースピーカーは、なおさら意味がないかと。

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  斬るの早ッ！ 「フロント周りにお金をかけるのはイイ」と言っていたのに!?

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  センタースピーカーは、確かに車の前（ダッシュボード上）に付けますが、カーオーディオでいうところの「フロント周り」ではないので。

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  では、センタースピーカーとはいったい何者なのだ？

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  センタースピーカーは、リアにもスピーカーを付けて、5.1チャンネル仕様などにする時に必要になるスピーカーです。



予備解説

5.1チャンネルは、フロント左右＋リア左右＋センターの5スピーカーと、低音用としてサブウーファーを組み合わせる仕様のこと。

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一時期、カーオーディオ業界でも流行ったが、最近はあまり聞かなくなった。

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  5.1チャンネルにするなら、センタースピーカーは必須ですよね。

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  そうですね。センタースピーカーは、映画などを鑑賞する時、人の声を真ん中で再生するための役割です。

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  なるほど。

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  だから、センタースピーカーって、人間の声のあたりの周波数しか出さないスピーカーなんですよ。

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  それを単独で増設したら、どうなるんだろう？

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  そもそもまず、どこにつなぐの？ という話になります。

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  ……そういえば。

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  5.1チャンネルのシステムを組む場合は、プロセッサー（※）が必要です。

※ 以前は、一部の高性能ナビなどでもそれに相当する機能を内蔵していたが、最近ではあまり聞かれなくなっている。

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  サブウーファー増設と同じノリで、フロントスピーカー線の分岐でセンタースピーカーを増設したら？



✔ サブウーファーの取り付けでは、ナビ裏（デッキ裏）のスピーカー線を分岐して信号を取り出す。

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※「サブウーファー取り付け時の、配線方法の知識」参照。

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  この手法でセンタースピーカーを増設したら、非常にヘンなことになると思いますよ。

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  どうなるんだろ。

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  右スピーカーの配線から分岐させたら、左スピーカーからしか出さない楽器の音声信号は、再生しないし。

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  あー、そういうことになるのか。左右音声は同じじゃないもんね。

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  ナビの音声案内は右スピーカーから出ているとして、それはセンターからも出るでしょうけどね。

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  あんまり嬉しくない。

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  ですから、センタースピーカーは単純な配線分岐で増設するものではないんですよ。

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  フロントスピーカー＋センタースピーカーは、あり得ないんですね。

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  例えば、リアサテライトスピーカーもセンタースピーカーも付けて、プロセッサーも追加して、5.1チャンネル仕様にするなら、いいと思いますが……最近は5.1チャンネル仕様って、あまり聞きませんよね。

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  リアサテライトスピーカーもセンタースピーカーも、運転席＆助手席の音質向上にはつながらないという話になってきましたが……

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  音が全方向から鳴ってしまっては、フロントステージという意味では、むしろバランスが崩れますからね。

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  ふーむ。

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  あちこちで鳴っているような聞こえ方になりかねません。

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  なるほど。

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  ただ、音に求めているものは人それぞれです。「いろいろな方向から音が鳴っているのが好き」という人もいます。そういうことなら、前回話題になったリアサテライトスピーカーの増設はアリかも知れません。

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  ただ、それは、音質向上とはちょっと別の話なわけですね

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  そうですね。「運転席で聞いているときの音を良くする」意味では、リアスピーカーやセンタースピーカーよりも、何よりフロントスピーカーが重要になってきます。



✔ ゼロから学びたい人は、「車のスピーカー交換入門」参照。

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  ……でも、ビッグケンさんはすでにフロントスピーカーは交換済みなんですよ。

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  そうでしたね。質問者の方はフロントスピーカー交換＋サブウーファーまで付けていて、ここまでのシステムアップには無駄がない。

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  その先のシステムアップはどうしていったらいいの？

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  「さらに音質を上げたい」が要望なら、オススメはデッドニング。「パワーがほしい」ならパワーアンプをつける手もありますが、デッドニングが先でしょうね。


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  それから、スピーカーの数を増やすのにお金を使うくらいなら、フロントスピーカーのグレードを上げるほうが音質はハッキリ変わります。

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  そういうことか。

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  コンテストに出るような車も、リアにスピーカーを増設するのではなくて、例えばフロントに3ウェイのシステム（※）を組んで、プロセッサーを組み合わせて、調整していったりするんです。



※ フロントだけで3種類のスピーカー（ツイーター、ミッドレンジ、ミッドバス）を配置するのがフロント3ウェイ。サブウーファーまで含めると、4つの音域に分けるシステム。

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  究極の世界を見ても、フロントスピーカーを徹底的に重視していますね。

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  そうですね。質問者の方が求めている「臨場感」につながるかどうかは別かもしれませんが。

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  「臨場感」というのも、なにを指すかは人それぞれですからねぇ。

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  例えばオーディオコンテストに出る車でも、「臨場感」は必要な要素ではありますが、意味合いが違ってきます。

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  そっちの臨場感って、どんな臨場感？

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  カーオーディオの場合、基本的にはダッシュボード上が音場になってきます。

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  フムフム。

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  ダッシュの真ん中奥にボーカルが立っているかのように歌声が聞こえ、楽器の音も、録音されたときのそれぞれの位置関係を再現していくイメージですね。

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  オーディオマニアがよく言う、「原音に忠実に再生する」意味での臨場感だ。

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  そういう意味での臨場感を求めるなら、リアにサテライトスピーカーを付けたりセンタースピーカーを付けたりするのはむしろ逆効果、ということですね。