ランプのQ&A
ハイフラ防止リレーにデメリットはないのか?
ハイフラ防止リレーは、ハイフラ防止抵抗と同様に、LEDウインカーバルブのハイフラ対策に使われるアイテムだが、その実態はどんなものか。ハイフラ防止リレーにデメリットがあるとすれば……。
ハイフラ防止リレーに関する読者の質問
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読者の方から頂いた、ハイフラ防止ウインカーリレーに関する疑問に答えていきたいと思います。
●レポーター:イルミちゃん
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というわけで、ハイフラ防止リレーにデメリットはないのか、IPFの市川研究員に答えてもらいましょう。
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IPFではハイフラ防止は「抵抗」が推奨で、「リレー」は出していませんが、今回の質問内容については、リレーでも大丈夫ですよ。
●アドバイザー:IPF 市川研究員
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おっしーサン的には、「抵抗を付けないということは、電球と同じ電流が流れてしまう?」イメージがあるようですが……
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その心配はありません。何アンペアの電流が流れるか、何W消費するか……というのは、バルブ次第だからです。
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ええっと、例えばIPFのLEDウインカーバルブは消費電力が6.5Wですが、この場合は……
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ハイフラ防止抵抗を付けても、ハイフラ防止ウインカーリレーを使っても、ウインカーバルブが消費する電気は6.5Wで同じです。
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抵抗を付けた場合でも、LEDウインカーに流れる電流が減っているわけではないってことですね。
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ハイ。ハイフラ防止抵抗はウインカーバルブに対して並列に付けるので、ハイフラ防止抵抗が15Wでも10Wでも、LEDウインカーが消費する6.5Wに変化はありません。
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LEDウインカーとハイフラ防止抵抗の、合計の消費電力が増えていくだけなんですね。
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そうです。その結果、純正電球と同じ21W近くまで消費電力を増やして、純正のウインカーリレーがハイフラを起こすのを防止する役割です。
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それと、ハイフラ防止ウインカーリレーはどう違うのでしょう?
■ 質問
ウィンカーをLED化した際のハイフラ対策について、抵抗に関する記事はありましたが、リレーに関する記事が無かったので気になり、質問させて頂きました。
車種によっては、ウインカーリレーによるハイフラ対策ができるものがあります。
抵抗を使った際はバルブ自体にあまり電流が流れないようになると思いますが、リレー交換の場合は、(抵抗ではないから)電流は電球を使用した際と同じ値が流れたりするのでしょうか? それにより、バルブの寿命に関係してくるのでしょうか?
質問者╱おっしー。
✔ ハイフラ防止抵抗の取り付け方法については、詳しく別記事で解説予定。
ハイフラ防止リレーのデメリット
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ハイフラ防止リレーとは、「ハイフラの起こらないウインカーリレーに交換してしまおう」という発想のものです。
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ノーマルのウインカーリレーは、アナログな作り。リレー内部の接点がくっついたり離れたりすることで、電気を流す・止めるを繰り返して、ウインカーを点滅させている。
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それがウインカーの、チッカンチッカンですね。
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球切れして消費電力が変わってしまうと、適切にチッカンチッカン動かなくなって、バババーっと早くなる。
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それがハイフラだ。
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いっぽうハイフラ防止のウインカーリレーは、中に電子部品が入っていて、出力するタイミングを電気的に制御しているのです。
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ふむ。
アナログリレーではない。 -
そうですね。電子部品なので、大きな電流を流すと壊れてしまいます。だから市販のウインカーリレーを見ると、最大何Wまで、というようなスペックが書かれています。
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上限があるんですね。
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そうです。けれど、下限は気にしなくても大丈夫なんですよ。LEDウインカーバルブが、1Wでも3Wでも5Wでも、問題ありません。
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IPFなら、左右合計でも13W。
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そういうことですね。ハイフラ防止リレーを付けたことで、LEDウインカーバルブに流れる電流量が変わるわけではありません。
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では、おっしーサンが心配しているような、バルブに対する悪影響はない?
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その点は、そう言えます。
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熱も持たないし、交換も入れ替えるだけだし……抵抗よりデメリットがないような……
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取り付けの面ではそうなんですが……
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だったら、IPFのLEDウインカーバルブと、ハイフラ防止リレーを組み合わせてもいいってことになりますよね? なぜかIPFはリレーを出していませんが。
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動作に関しては問題はありません。ただ、デメリットがないという意味ではありません。
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……と言うと?
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傾向としてリレー自体が壊れやすいものが多いのです。IPFとしては、推奨はまったくできません。
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あー。
またそういう問題ね。 -
リレーと組み合わせても動作自体はしますが、IPFとしては、品質面からも専用のハイフラ防止抵抗を組み合わせることを推奨しています。
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そういう話なら、IPFが壊れないハイフラ防止リレーを作ればいいのに。それなら、リレーにデメリットはない。
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う~ん、しかしちゃんと作ると、けっこう高い値段になってしまう部品なのですよ。
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……市場競争力の問題か。なんか大人の事情になってきた。
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それと、現行世代の車ではウインカーリレーはそもそも使われておらず、ウインカー音も擬似的に作られたピョッコンピョッコンという電子音になっていますよね。
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あー。そういう車のハイフラ対策は、ハイフラ防止抵抗を使うしかない。
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そうです。車全体の流れがそうなっています。そういう背景の中で、相場よりだいぶ高価なウインカーリレーを出しても……
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……。
だいぶ高価……。 -
まあ、とにかく、現実的なコストで品質面まで担保することを考えると、ハイフラ対策は抵抗がベスト、というのがIPFの見解です。
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おっしーサンに突っ込まれた、「DIYラボでハイフラ防止リレーの記事がない理由」も、なんとなく汲み取って頂けたでしょうか?
つまり明るさも同じ
IPFのLEDウインカーバルブ専用のハイフラ防止キャンセラー抵抗
社外品のLEDヘッドライトバルブを選ぶときの重要な注意点についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:市川哲弘
LEDやHIDバルブでお馴染みのIPF企画開発部に所属し、バルブ博士と言ってもいいほど自動車の電球に詳しい。法規や車検についても明るく、アフターパーツマーケットにとって重要な話を語ってくれる。
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