ヘッドライト加工のQ&A
プロジェクター移植(ハイビームのプロジェクター化)の疑問を、加工のプロに聞く
プロジェクター移植の疑問。ハイビームのプロジェクター化をしたいが、バルブ形状に合った汎用プロジェクターが見つからない。さらにプロジェクター移植をした場合、配光はどうなるのか?……加工のプロに聞いた。
ハイビームのバルブ型式に合う汎用プロジェクターが見つからない
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読者の方から、プロジェクター移植に関する質問を頂いたので、紹介します。
●レポーター:イルミちゃん
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そういえば最近は、プロジェクター移植をするケースも減ってきて、情報も少ないですよね。
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プロジェクター移植は、「配線を加工していい」前提でなければ、プロジェクターの選定が難しくなってきていると思います。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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ふむ。
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社外プロジェクターの種類もどんどん減っているはずなので、プロジェクターを購入する前に、サイズ的に入りそうなものがあるかを確認するほうがいいでしょうね。
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自分のヘッドライトに入るサイズかどうかの確認が先ってことですね。
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そうです。
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……でも、エスハイテンションさんのように、適合するバルブ型式のプロジェクターがない場合は?
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そもそもプロジェクター移植は、リフレクターを削って入れることになるので、バルブの規格は関係ないです。
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社外品のプロジェクターで、差し込むだけでOK……というタイプなら話が別ですが、この場合でも、実際には差し込むだけでは光軸は出ません。
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……つまり、この手の移植の場合は、バルブ適合を無視して選ぶのも普通ってことですね。
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そうですね。
それよりもプロジェクターの径が大事です。 -
フム。
プロジェクターのサイズもいろいろ。 -
物理的に入りそうかどうか。ここは実測してプロジェクターの径、全長などを確認するしかないです。
■ 質問
ヘッドライト加工についての質問です。やりたい内容は、ハイビームのプロジェクター化です。車種はエスティマハイブリッドAHR20(初期型)です。ハイビームのバルブ型式がHB3でして、汎用プロジェクターを探しているとH1対応品はありますが、HB3対応がないのです。
この場合、プロジェクターの種類は何でもよくて、バルブが入るように加工すれば良いのでしょうか? ハイビームなので、カットラインは無視して移植するのでしょうか? もしくは、素人がするべきではないのでしょうか?
質問者╱エスハイテンション
リフレクターを切って(加工して)プロジェクターを埋め込むのが、プロジェクター移植加工。
✔ 移植した上で、プロジェクターの配線をつなぎ直す前提なので、バルブ適合は関係なくなる。
プロジェクター移植でもある程度の配光は出せる!?
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カットラインの問題は、どう考えるべきでしょう? そもそもハイビームにカットラインはいらないけど、配光無視でいいかどうかは別問題?
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ハイビームを使わず、見た目重視のヘッドライト(イベント用)でいいならともかく、そうでなければ配光を無視するのは不便じゃないかと思いますね。
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……でも、移植で配光を合わせるなんて現実的にできるのかな。
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移植する前の純正ハイビームの状態で、平らな場所にヘッドライトを置いて、壁に照射させると配光が出ますので、それをマスキングテープなどでマーキングしておきます。
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いわゆる壁ドン(※)ですね。ハイビーム照射には、当然ながらカットラインはありませんが……
(※)壁にライトの光をあてて配光を見ることを指す
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だからといって「配光」の概念がないわけではありませんよォ~。
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移植するときはそのマーキングを目安に、プロジェクターの角度・高さなどを調整します。
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ホホウ。
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そうすることで、純正の照射位置とほぼ変わらない状態までは持っていけます。厳密には若干の狂いは出ますけど。
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この手間をかけて移植すれば、ある程度の精度も出せる。
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一般人がDIYでするべきかどうかウンヌンは、人によるので何とも言えませんが、少なくともLEDプロジェクターは放熱も必要なので難しいと思います。
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なるほど。しかし、今回はあくまでもバルブのプロジェクターですから、それには該当しない。
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ただ、バルブの場合は、少々別の心配もしておいたほうがいいかも知れません。
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む?
……どんなことですか? -
プロジェクターはもちろん、HIDの生産もなくなっていくはずですので、将来的に球切れした→交換できるHIDバルブがない!…なんていうケースも出てくると思います。
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うーん、どうしろと?
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おサイフ的に可能ならば、プロジェクターが問題なく移植できた段階で、早めに予備の適合バルブは買っておいたほうがいいかもしれません。
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なるほどね。ニッチなバルブタイプの場合は、なおさらかも~。
純正ハイビームの配光
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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