足まわりのQ&A
逃げのないホイールで、どうにかワイドトレッドスペーサーを入れる方法はないの?
ワイドトレッドスペーサーを付けたいが、ホイールの裏側にいわゆる「逃げ」がない。それでも入れたい、という読者からの質問。逃げのないホイールにワイトレは付けられるのか。また「逃げがあるように見えて逃げ切れない」タイプのホイールもあるのを知っておこう。
逃げのないホイールにワイドトレッドスペーサーを付けたい場合
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読者の方から頂いた、ワイドトレッドスペーサーに関する質問です。
●レポーター:イルミちゃん
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逃げのないホイールって、けっこうあるものなんですかね?
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ありますねぇ。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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では、こういう場合の逃げ方は?
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ええっと、まずひとつ目は、25ミリ以上のワイドトレッドスペーサーを入れる。
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え?
それならいけるの? -
20ミリちょっと位出さない限り、ハブボルトは出っ張ってしまいますが、25ミリ厚なら出っ張らなくなるので、ホイール裏に逃げがなくてもホイールが付けられます。
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ナルホド~。
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ただ、そんなにホイールのツラを出せる状況なのか、という話ですけども。
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確かに……。
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25ミリ以上の分厚いワイドトレッドスペーサーを入れられる状況でないなら、純正ハブボルトの出っ張っている分をカットするしかないですね。
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この理由で純正ハブボルトをカットする人は、そこそこいます。
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どうしても逃げのないホイールを履きたかったら、仕方ないですもんね。
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ハブボルトに関しては、いつかまた純正ハブボルトに打ち替え直せば純正状態に戻せますので。
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そうか。二度と純正に戻せなくなるわけではない。
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そうですね。ただこの逃げ方は、費用はかかりますけども。
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スパイスでやってもらったらいくら位かかるの?
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カットは1輪あたり5000円(税別)です。
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この場合は4輪やることになるでしょうから、トータルで2万円ね。
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ただ、ハブボルトをワイドトレッドスペーサーに合わせてカットした場合、逆にワイドトレッドスペーサー無しの状態でホイールを履けなくなります。これはデメリット。
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純正ハブボルトが短くなっちゃうからか…。
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そうなんです。だから、もし純正ホイール(純正状態)に戻したい、ってなったら、そのときはまたハブボルトを打ち替えて戻さないといけません。
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あるいはホイールを買い替えるときとか?
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そうですね。次にホイールを買うときはワイドトレッドスペーサーが不要になるようなサイズを選ぶとして、そのときはハブボルト打ち替えが必要になりますね。
■ 質問
ワイドトレッドスペーサーを付けたいのですが、履いているホイールの裏側に逃げがありません。
逃げがないホイールで、どうにかワイドトレッドスペーサーを付ける方法はありませんか?
質問者╱赤目さん
15ミリのワイドトレッドスペーサーだと、このくらい出っ張っている状況。
逃げがあるホイールだとしても、けっきょく干渉するかも…!?
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ちなみに、逃げがあるように見えるホイールであっても、注意が必要なのは同じですよ。
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……え?
どういう意味ですか? -
例えば10ミリのワイドトレッドスペーサーをよく使いますけど、その厚みでは逃げ切れないことが多いです。
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ええッ!? 逃げがあるのに逃げ切れないだと!
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10ミリだと、純正ハブボルトが出っ張る量が多いので、この状況ですんなり履けるホイールはなかなか少ないんですよ。
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そ、そうなんだ。逃げがありさえすればOKなのかとばかり……
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そういう場合も、やはり純正ハブボルトをちょっとは切るなどしないと、逃げ切れません。
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けっきょく純正ハブボルトを加工することになるなら、逃げのないホイールと同じようなものですね。
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逃げがあるホイールでも、問題なく逃げられるのは15ミリくらいのワイドトレッドスペーサーからだと思ったほうがいいですね。
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……そういう意味では10ミリのワイドトレッドスペーサーってけっこう要注意な面があるなァ。
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あと、逃げだと思っていたらダミーの逃げだった、みたいなこともありますから注意しましょう。
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ダミーの逃げってなによ?
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単にホイールの軽量化のためだけにくり抜かれているだけで、ハブボルトの逃げには使えないクボミですね。
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わー。
それおっかない話だなァ。 -
そもそもワイドトレッドスペーサーの逃げのために作っているわけではないので、ホイールのウラ側だけを見て、「くぼんでいるからワイドトレッドスペーサーを付けても逃げられる」とは思わないでください。
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そのクボミが本当にハブボルトの逃げとして使えるのかどうか、事前にしっかり確認しないとダメなんですね。
逃げがどのくらいあるかは、ホイールによる。ハブボルトの出っ張りを吸収できるだけのヘコミがないと、逃げ切れない。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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