足まわりのQ&A
ハブボルトを切らずにワイドトレッドスペーサーを付ける方法は?
読者の方から頂いた、ワイドトレッドスペーサーの取り付けに関する質問に答えていきたいと思います
■ 質問
ワイドトレッドスペーサーを取り付けたいのですが、純正のハブボルトの出っ張りに、ホイールが干渉して付けられません。しかし冬場など、ホイールを戻すこともあるのでハブボルトはカットしたくありません。この場合、通常のスペーサーを重ね付けしてかわすのはアリですか?
質問╱カエル2さん
ハブボルトを切りたくない場合の対処法
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……という質問内容ですが、はて? これはいったいなんのこと?
●レポーター:イルミちゃん
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これは要するにハブボルトを切りたくない時、裏技として使われる手法ですね。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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ほー。
と言いますと? -
10mm〜15mmのワイドトレッドスペーサーを付けた場合、純正ハブボルトの頭が出っ張るという話は以前にしましたよね。
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こんなとき(↑)ホイールの裏側に逃げ(凹み)が足りなかったら、ハブボルトの出っ張っている分を切り落とさないといけません。
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……でも質問者の人は、切るのが嫌なんですね。
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実際、「ハブボルトを切りたくない」という人は多い。理由としては、別のホイール(純正など)を付け直すときに困るからです。
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そのときはまた……ハブボルトを打ち直さないといけないんでしたね。
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そうなんですけど、ちょくちょくホイールを戻したりするとなると、現実的じゃないですよね。
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確かに。
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それで、あと数mmあればホイール側が逃げられる(装着できる)のに、という場合は、スペーサーを重ね付けしたりするわけですよ。
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そういうことかー。
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15mmのワイドトレッドスペーサーを付けていて、3mmとか5mmのスペーサーをかさねると逃げられるケースは多いんですが……、
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そこで実際に試してみました。
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ただし、この場合は表側にスペーサーを重ねようとしても、付かないことが多いです。
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こんな風に、ハブボルトにスペーサー自体が当たって付けられません。こういうケースが多いです。
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あらま。
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なんだ〜。
けっきょく付かないってこと? -
いいえ。こういう重ね付けをどうしてもやる場合は、普通のスペーサーを先に付けておいて、その上からワイドトレッドスペーサーを付けるんです。
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なんと! ハブボルトを切らずにボルトの出っ張りをなくせますね。
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10mmのワイドトレッドスペーサーの場合は、これでもまだボルトが出っ張りますのであとはホイール側の逃げ次第ですが……、
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今回は15mmのワイドトレッドスペーサーに5mmを重ねたところ、ボルトの頭は出っ張らなくなりました。
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ただし、この方法は基本的にはオススメと言えるものではありません。
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えーー?
せっかくかわせるのになんで……? -
この付け方だと、純正ハブボルトの外側寄りのところに荷重がかかるわけですよ。
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そっか。本来の位置よりは5mm分、外側にかかっている状態ですね。
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だから、「ハブボルトが折れるリスク」というのは上がります。可能性としては……という話ですが。
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ウーム。
そういうことか。 -
特に大型のミニバンとか、重量級の車ではやめたほうがいいですね。コンパクトカーならまだしも……。
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ハブボルトは切らずに済むけれど、別のリスクがある!という結論ですね。
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そういうことです。
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あっちを立てればこっちが立たず。ドレスアップの難しいところです……。
純正ハブボルトが出っ張る!
詳しくは「ワイドトレッドスペーサーの取り付け方法」参照。
スペーサーの重ね付けをしようとすると……
ハブボルトに接触して浮いてしまう
先に薄いスペーサーを付ける
ワイドトレッドスペーサーを付ける
重ね付けした結果こうなる
ハブボルトが出っ張っていない状態を作れた
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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