LEDテープライトのQ&A
LEDテープライトに付けるのに適した配線(電線)はどれ?
長いLEDテープライトを切って使う場合、配線コードを付け直すが、配線コードはどれがいいのか。LEDテープライトの種類によって消費電力(消費電流)が違うので、厳密な選択は個別になるものの、どう選ぶかの考え方がわかる。
LEDテープライトに使う配線(電線)はだいたい決まっている?
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読者の方から頂いた、LEDテープライトに配線コードを付けるときの疑問について。
●レポーター:イルミちゃん
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例えば5メーター売りのLEDテープライトをチョキンと切って使う場合……(↓)
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2本目以降には、配線コードを自分で付けなくてはいけません。
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このときに、どのような配線(電線)を選んだらよいのか? という質問です。
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厳密なことを言いますと、LEDテープライトの種類や長さによって消費電力や消費電流は違いますが……
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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あ、そうか。LEDテープライトによって、配線も変わってくる?
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厳密にはそうなんですが、現実的にはだいたい使う配線の規格(太さ)は決まってきます。
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「配線の規格」をおさらいすると……
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配線(電線)の太さは「AWG」か、あるいは「スケア」のどちらかの規格名称で表記されるのが一般的です。
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LED関連でよく使われる配線(電線)はこのあたり。
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で、LEDテープライトの場合は、AWG20(0.5スケア)~AWG24(0.2スケア)あたりを使います。
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なるほど。
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LEDテープライトを、例えば「5センチ程度に短く切り出して、フットランプとして使う」なんていう場合には、細線のAWG24(0.2スケア)で十分です。
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でも、そこもLEDテープライトの種類によるんでしょ?
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明るいLEDテープライトの代表格ともいえる、3チップの5050を使った5050テープLEDだったとしても、5センチだったら細線で間に合います。
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野本研究員はなるべく細線を使いたいと?
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太い配線のデメリットは、取り回しのしにくさです。自由が効かない、というか。
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あー。
取り付け性の問題があるのね。 -
そのあたりは取り付ける場所にもよるとは思いますけどね。
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ふむ。
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しかし同じLEDテープライトでも、長くなれば話は別です。車を例にすると、アンダーLEDを組むときは、AWG20(0.5スケア)を使うことが多いです。
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この技の場合、明るいタイプのLEDテープライトを1メーター以上、長いときは2メーター近くまで使うからです。
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2メーターのLEDテープライトを、1本モノで使う場面って……
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例を挙げると、アルファードのような大型ミニバンのサイドだと、2メーター近くになってきます。
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その使い方でも、AWG18(0.75スケア)まではまず使いません。配線が太すぎて、使いにくいというデメリットのほうが大きいし。
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単純に、大は小を兼ねるで、太い配線を選べばいいってもんでもないんだ。
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配線が太いと、曲げにくいし、曲げても戻ろうとする力でLEDテープライトが剥がれてしまったり……なんてこともあります。
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なるほど。
確かに扱いにくそう。 -
というわけで、車へのLEDテープライトの取り付けで、AWG18(0.75スケア)は、ほとんど使わないと言えます。2メーターくらいまでの用途で、AWG20(0.5スケア)で容量が足りないことはまずないので。
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でも、車なら2メーターで最大級かもしれないけど、LEDテープライト自体は5メーター巻きで売られているモノも多いですよね。
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これをそのままの長さで、家やお店のイルミネーションで使いたい場合はどうなの?
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それならもう一段、太めの配線がいいでしょうね。AWG18(0.75スケア)あたりがよいと思います。
■ 質問
DIYラボの「カットしたLEDテープライトを再利用する方法」を読み、LEDテープライトをカットして使う場合、あらたに配線コードをハンダ付けし直す必要があることは分かりました。
その場合には、どのような配線コードを付け直せばよいのでしょうか?
〈質問者╱ヨッピさん〉
✔ ひとくちメモ
「AWG」は米国の規格。日本では、JISの「sq(スケア)」が用いられる。どちらの規格で表示されているかは、配線による。
█ AWGとsq(スケア)の対応表
AWG 18 | 0.75 スケア |
---|---|
AWG 20 | 0.5 スケア |
AWG 22 | 0.3 スケア |
AWG 24 | 0.2 スケア |
エルパラで販売されている「赤黒2P平行線」。太さによるが1m100円〜180円程度で買える(※原稿執筆時)
明るさ重視のLEDテープライトがほしいときに使う定番、5050テープLED(60LED/m)非防水タイプ。防滴タイプや防水タイプもある。
✔ 施工方法についは、「サイドステップ奥にアンダーLEDを取り付ける方法」参照。
LEDテープライトと配線のスペック(許容電流)を調べるのが一番確実
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ここまでで、配線(電線)のチョイスの目安はなんとなく掴めたと思いますが……
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ただ冒頭に言ったように、これはLEDテープライトの種類や長さによっても変わってくる話ではあります。
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ふむ。
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だから、厳密にやりたい人は、両者のスペックを調べて組み合わせるのが一番いいと思いますよ。
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なるほど。
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LEDテープライトの消費電力については、エルパラなどでも公開されています。
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そうか。
まずはそれを見てみよう。 -
例えば、エルパラで販売している5050テープLED(60LED/m)の白色・5メーターの定格電力は72W。
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あとは、短くなるほど消費電力も下がります。そのあたりの情報も表記されていますよ。
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LEDテープライトは一般的にDC2V仕様なので、12で割り算すれば電流値も分かります。
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72Wだとすれば、12V時の電流が6アンペアですね。……実際にはロスがあるので3アンペア程度、という話ですが。
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書いてあるのはあくまでも定格電力ですけど、目安にはなります。
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そっかそっか。LEDテープライト側の消費電力と消費電流は、このように調べがつくんですね。
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配線(電線)の方にも、許容電流や消費電力の表記があったりしますよ。
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両者の情報を照らせば、キャパオーバーにならないように配線(電線)チョイスできますね。
※ただし、5メーターの長さで使うとロスも多くなり、実際には約33W程度となっている。
1m | 14.4W |
---|---|
2m | 28.8W |
3m | 43.2W |
5m | 72W |
※「5050テープLED(60LED/m)非防水 白色 1~5m」の消費電力(定格)
※同じ太さでも、使われている被覆の耐熱温度によって許容電流には差がありえる。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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