ハーネス講習(第2回)
カーナビ取り付けに必要な、変換ハーネス(配線)の知識・注意点
カーナビの取り付けに使う、ハーネス(配線)に親しむ連載。今回は純正ディーラーオプションナビを、市販ナビに交換するためのハーネスを解説する。これを選ぶにあたっては、「罠!?」とも思える注意点があるので、あわせて知っておきたい。
純正ディーラーオプションナビ→市販ナビに交換したい
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ハーネス講習の第2回です。
●レポーター:イルミちゃん
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今日は、カーナビ取り付け時に使うハーネス(配線)について、解説していきます。
●アドバイザー:ビートソニック ワタナベ研究員
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市販ナビの取り付け用ですね〜。
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そうです。ケースその1は、純正ディーラーオプションナビを外して、市販のカーナビに交換したいとき。
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純正でナビが付いているのに、交換したいの?
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中古車を買った人などは、ナビを交換するケースは多いですよ。
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そっかー。
そのときには、年式なりにナビも古いし……。 -
純正ナビが古いせいで、地デジが付いていない、なんていう場合もありますよね。
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地デジだけ、後付けもできますが……
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しかし、外部入力から地デジを足すと、リモコンが別になるし、タッチ操作もできません。そうすると、やっぱり最新ナビが欲しい……となってくるんですね。
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確かに。
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こういう場合は、「純正ナビの純正配線を生かしながら、市販ナビ用の配線に変換するハーネス」が必要です。
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前回の、オーディオ取り付けハーネスといっしょですね。
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そうなんですが、付けようとするのがカーナビの場合は、オーディオデッキより必要な線が増えます。
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フムフム。
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ここでもトヨタ・ダイハツ車を例に説明しましょう。オーディオデッキを取り付けるときは、10ピン・6ピンのコネクターで、必要な配線が全部取り出せました。
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しかしカーナビの取り付けは、電源やスピーカー線だけではない。パーキングブレーキ線、車速のパルス信号、リバース信号なども必要になります。
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あー。
そのあたりはカーナビならではの信号線ですね。 -
そのため、トヨタ・ダイハツ系の例でも、もうひとつ変換するカプラーが増えるんです。
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なるほど。
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オーディオデッキと同じ10ピン・6ピンの変換に加えて、5ピンカプラーも変換が必要です。
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純正ナビから市販ナビに交換する場合は、全部で3つのカプラーの変換が必要なんですね。
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それらを全部セットにした、変換ハーネスを用意します。ビートソニックでいうと、BH4というのがそうです。
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10ピンと6ピンだけ見ればオーディオ用と同じだけど、5ピンが加わるとナビ用なんですね。
定番の10ピン・6ピンカプラー(※写真は純正配線ではないので、配線の色は異なる)
トヨタ系の純正ナビでは定番の10ピン・6ピン・5ピンカプラー(※写真は純正配線ではないので、配線の色は異なる)
Amazonでも販売されているビートソニック BH4(一般的なトヨタ・ダイハツ系の10ピン・6ピン・5ピンコネクター用)
5ピンカプラーに車速信号等が通っていないケースも!
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ただし、ここでも、前回同様に注意点があります。
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まさか前回と同じで……。
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中には、5ピンカプラーのところに車速信号線などが通っていない仕様の車もあります。
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また、そのパターンの<罠>か!
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配線情報が上写真のパターンと食い違っていたら、その場合、どうなるの?
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例えば、カプラーを全部つないでいるのに市販カーナビの車速信号が取れていない、なんていう事態が起きますね。
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……ということは?
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カーナビが車速を拾えないので、自車位置もスムーズに動かなくなってしまいます。
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困ります。
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ただ、そういう場合でも、車のどこかには車速信号が通っています。5ピンには、なくても。
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フム。そりゃそうですね。
純正ナビは動いていたんだから。 -
汎用的な変換ハーネスを使っていて、もしこういうケースにぶつかった時の解決策。取れていない線(車速信号など)だけは別途、単体で取り出して、市販カーナビの線に直接つなげばいいのです。
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ほほう。
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それはもはや、カプラーオン取り付けではないですけれどね。
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ナルホドー。そういえば車速信号線の取り方は、教わったことがありました。
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足りない線は、このように(↑)単体で取りに行けばいいんですね。
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そういう応用的な知識を持っていれば、DIYでもパニックにならずに済みますね。
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この話はごくまれなケース……とのことでしたが、例えばどういう車種の話でしょうか?
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10アルファードのマルチAVステーションとかだと、車速信号も来ていないし、通常だとリバース信号の位置もリバース信号ではないですね。
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つまり全然違うのか。
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トヨタ・ダイハツ車向けに汎用的に作られた変換カプラーでは、そのまま市販ナビのカプラーオン取り付けは、できないパターンです。
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カプラーオンは手軽な反面、中身を知らない初心者の人が、こんな罠にハマる可能性あり。注意しましょう。
ごくまれなケースに限られますが、同じ5ピンカプラーなのに中身(配線の種類)が違う車もあります
✔ 一般的なトヨタ・ダイハツ車向けに作られた、5ピンカプラーの中身は「車速パルス」「パーキングブレーキ」「リバース(バック)信号」を変換するもの。
DIY Laboアドバイザー:渡邊悠二
カーエレクトロニクスの雄、ビートソニックにおける技術部のホープであると同時に、同社の「顔」としての活躍も期待される人物。プログラマー出身で、ITにも車にも強いが、いちばん得意なのは料理という説も。●ビートソニック TEL 0561-73-9000
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