足まわりコラム
車のタイヤの空気圧は、どの位の頻度でチェック(点検・補充)すべきもの?
「空気圧チェックしましょうか?」とガソリンスタンドで声をかけてもらうことがあるが、最近はセルフ給油なので、最後に空気圧を見たのはいつのことだったか……という人は必読。タイヤの空気圧チェックの頻度は、知っておくべき。
一般的な車の、タイヤの空気圧点検「頻度」はどのくらいが正解?
-
皆さんは、タイヤの空気圧をどの位の「頻度」でチェックしていますか?
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
-
うーん。オイル交換のときに、いっしょに見てもらう……とか?
●レポーター:イルミちゃん
-
それってヘタすると半年に1回とか、そういうサイクルになるってことですよね。
-
……まあ、場合によってはそれ以上?
-
それでは全然ダメです。
危ないですヨ。 -
タイヤの空気圧って、どのくらいの頻度で見るものなんでしょうか?
-
一般的なノーマルサイズのタイヤでも、1ヶ月に1回ぐらいは見るべきですね。
-
……そんなにマメに空気圧を見ている人は、少ない気がします。
-
そうなんですよ。特に最近は、セルフのガソリンスタンドが増えて、空気圧を人にチェックしてもらう機会が減りました。結果的に「そういえば何ヶ月も空気圧なんて見てないなー」という例がザラなんです。
-
考えてみると危ないですね。
-
この間言いましたけど、タイヤの空気圧不足は、特に高速走行時はバーストにつながりますから要注意なんです。
扁平タイヤ・引っ張りタイヤの空気圧点検「頻度」は?
-
というわけで皆さん、1ヶ月に1回くらいはタイヤの空気圧を点検しましょう〜。
-
……いや、DIYラボ読者の人はそれではダメでしょうね。
-
それはなぜ?
-
ホイールをインチアップして扁平タイヤを履いていたり、引っ張りタイヤにしているなら、もっとこまめに空気圧チェックしないと。
-
「こまめ」ってどのくらいの頻度ですか?
-
最低でも、2〜3週間に1回ぐらいは見たほうがいいでしょうね。
-
扁平タイヤだと、なぜシビアな話になるんでしょう?
-
扁平タイヤや引っ張りタイヤの場合は、空気圧不足が惨事を招きやすいからですよ。
-
……惨事って?
-
例えば、段差をまたぐときに、セパレーションも起こりやすくなるし。
-
扁平タイヤは、空気圧で強度を補っている面もありますからね。
-
空気圧点検をサボっていたせいで、大切なホイールが歪んでしまう……!!
-
ホイールを大切にしている人は多いのに、タイヤの空気圧をマメに見る人が少ないのは不思議。
-
……そういえばそうですね。
-
普段からプロショップに出入りしているようなドレスアップカーなら、まだ人に見られる機会も多いからいいかもですが。
-
そういえば佐藤研究員は、出入りしているお客さんの車を見ては、「空気減ってますよ」とかやってますよね。
-
ですね。
タイヤには、必ず目が行くクセが付いているんです。 -
それにしても、空気圧を測る前になぜ減っていると分かるの?
-
なんとなく、タイヤの膨らみ方とか見て。
-
そんなの目視で分かるんだ。
-
扁平タイヤだと分かりづらいですが、それでも常に見ていると、いつも以上につぶれて見えたりするんです。
-
それって、「いつもよりリムが地面に近い気がする」……みたいな話?
-
そうそう。
-
それは、普通の人に分かりますかね?
-
うーん。
普通は分からないかも知れません。 -
まあ、でも本当にマメに見ている人なら、ちょっとした変化にも気づけるってことですねぇ。
-
そうですね。あと空気圧が減ってくると燃費にも影響するので、なんか普段より燃費が悪いとか、走りが重い気がしたら、タイヤの空気圧をチェックしましょう。
✔ タイヤのセパレーションについては、「セパレーションとは? 引っ張りタイヤとの関連性は?」参照。
空気圧を補充するときの注意点。エアゲージの誤差対策
-
次は、タイヤ空気圧の点検時の注意点。
-
基本的なコトですが、車のタイヤは走った直後だと熱で膨張していたりするので、冷えている状態で測りましょう。
-
それならば、乗ったあとより、乗る前に測るほうがいいのか。
-
ですね。あるいは、走り出してすぐのガソリンスタンドで測るとか。
-
そういえば、セルフのガソリンスタンドにも空気入れ(充填装置)があったりするから、自分でやりましょう。
-
ただし、セルフスタンドにある持ち運び式や据え置きの空気入れのゲージは、けっこうな誤差があったりする。シビアな空気圧管理を必要とする車は、気をつけてください。
-
誤差って?
-
エアゲージの誤差のことです。0.2〜0.3キロぐらい平気でズレているようなケースもありますからね。
-
……なるほど。
-
一般車ではあまり問題にならないレベルでも、扁平タイヤや引っ張りタイヤの場合は、注意が必要です。
-
注意って、どう注意しろと?
-
うーん、まあ、本当は、タイヤエアゲージは良いモノを買って持っておくのが一番イイですよ。
-
自分の手持ちのエアゲージで測るといい、ということですね。
-
そうですね。
-
でも、それだってズレているかも知れないのは、同じでしょう?
-
そこで、その対策。タイヤショップ等で空気を入れてもらった直後に、自分の手持ちのエアゲージで、その時点の正常な空気圧を測っておくといいですね。
-
フムフム。
-
例えば引っ張りタイヤで、3キロに設定したとして、そのときに手持ちのエアゲージですぐ測る。
-
自分のゲージで測ってみて、もし2.7キロなら……
-
そのエアゲージ上では2.7キロを保つようにする、ということですね。
-
DIYの場合は、自分の車だけの問題だから、それでもいいわけだ。
-
ですね。ただし、エアゲージは、そこそこ良いのを買ったとしても、年数が経ってくると誤差は出てくるので、注意しましょう。
-
あー。
-
我々も、定期的にエアゲージは校正(※)に出しているんですよ。
(※)測定機器の正確性をチェックしてもらうこと。
-
当然なのかも知れないけど、シビアにやっているんですね〜。
-
タイヤの空気圧は、それだけ重要ってことです
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
関連記事
- タイヤの空気圧は「見た目」で分かるのか、実験してみた
- タイヤ交換の安全なやり方。車載ジャッキは使い方を間違うと倒れる
- スタッドレスタイヤの保管方法。「空気圧」と「置き方」に注意!
- タイヤチェーンの付け方
- 引っ張りタイヤの空気圧は何キロがいいのか?
- 軽自動車の引っ張りタイヤ、空気圧はどの位がいい?
- 引っ張りタイヤのリスクマネージメント
- タイヤバースト原因の復習と、起こったときの予習
- タイヤの内減り╱原因と対策
- セパレーションとは? 引っ張りタイヤとの関連性は?
- 引っ張りタイヤの「限界サイズ」とは?
- 扁平率の低い(薄い)タイヤを履くデメリットも知っておくべき
- タイヤのひび割れによる交換時期の目安は? 放置すると…
- ローダウン車のタイヤ交換時期は、どこで判断するべきか?