板金塗装をもっと身近に

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今どきのトヨタ車のヘッドライト（ハードコート）は、安易に磨いてはいけない…!?

ヘッドライトに飛び石！ 小傷だから磨いて消そう…と思っている人に注意喚起。最近のトヨタ車のヘッドライトにはハードコートがかかっているため、安易に磨いてはいけないという。それを知らずに磨いてしまった失敗談をもとに解説する。

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  「ヘッドライトの黄ばみ対策としてクリア塗装を依頼する前に、知っておきたいこと（実践編）」の続き。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  ヘッドライトのクリア塗装で、最後にもうひとつ、皆さんに知っておいてほしい重要な注意点があります。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  ほう。
  まだ何かネタがあるんですね。

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  それは現行世代のトヨタ車のヘッドライトはハードコートがかかっているから、安易に磨いてはいけません、ということです。

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  む？ 磨いてはダメなヘッドライトがあるの？

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  これは僕自身、過去の失敗から学んだことなんですけどね……知ったきっかけは、デモカーの86のヘッドライトに飛び石を喰らったときでした。

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  フムフム。

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  ヘッドライトのレンズに浅い傷が付いていたので、このくらいならペーパーの磨きで消して修正できるだろうと考えました。

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  削って消してしまえそうな、浅い小キズだったと。

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  ハイ。傷の段差をならして、平らにしようとしました。

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  今まで教わってきた、クリア塗装の手前の黄ばみ除去作業と同じですね。

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  ところが86のヘッドライトは、磨いたあとで水をかけても、なぜかキレイなクリアに見えない。

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  傷が消えないってこと？

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  いや、傷は消えたんですが、例によって水をかけて様子をみると、磨いたエリアだけがシミみたいに見えるのです。

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  シミ？

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  磨いたエリアと磨いていないエリアのくすみ具合がちょっと違うから、磨いた痕が見えてしまう、みたいな状況ですね。

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  それは、磨き傷とかではなくて？

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  ペーパー目が粗いならそれも分かるけど、2000番などのペーパーで磨けば通常は水をかければ消えます。それが86だと消えませんでした。

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  水は擬似的なクリア塗装の代わりなんだから、もしそのままクリア塗装したとしたら……

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  仮にそのままクリア塗装しても、磨いた痕が見える状態は変わりません。

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  塗れませんね、それでは。

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  そのときは初めての経験で知らなかったのですが、知り合いの磨き専門業者の人などに聞いて原因が分かりました。

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  現行世代のトヨタの車は「ハードコート」というのがヘッドライトにかかっていて、これが原因でした。

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  ハードコート？

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  ヘッドライトのレンズが、クリアでコーティングされているのです。黄ばみ対策のクリア塗装を純正でやってある、みたいな状態ですね。

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  あー、なるほど。

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  それはいいんですが、今回のような飛び石などの傷を消そうとして磨いたりすると、そのハードコートが部分的に剥がれてしまうんです。

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  ムムム……。

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  部分的にハードコートを剥がした上から全体をクリア塗装しなおしても、キレイにはならない（跡が残る）ということです。

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  あわわ。それ、やってしまった場合はどうするの？

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  全面的にハードコートを除去するしかないですね。全体を磨くんですよ。

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  そのうえであらためて全面にクリア塗装し直せばいいんだ。

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  ただしヘッドライトのレンズの隅から隅まで、全部のハードコートを落とさないといけません。「小傷を磨いて消そう」というレベルの作業では済まなくなる。

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  具体的にはどうやるの？

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  クリアを塗装し直す前提なので、1000番で磨いて、その傷目を消すために1500番で磨いて、仕上げに2000番のペーパーで全面的に磨いていきます。

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  もともとクリアのコートなんだから、全部取りきれたかを目で確認するのも無理ありそうだけど…？

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  そこは水をかければ分かりますよ。

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  あ、そっか。

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  86のヘッドライトも、そこまで磨いてから試しに水をかけてみると、全面的にクリアに見えるようになりました。

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  ホッ。
  ではクリア塗装で戻せたのね。

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  これが実際のデモカー86のヘッドライト。クリア塗装で新たにコートして、キレイな状態に戻せました。


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  戻って良かった〜。飛び石の傷も見えません！

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  そうなんですけど「小傷だけ磨いて消そう」などと考えて、ずいぶん手間がかかったわけです…。

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  本多研究員の場合はまあ、自分で直せるぶんだけまだマシだったと言えそうですが…

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  今どきのトヨタ車には純正ハードコートがかかっていたりするので、飛び石の傷を気にして、ヘタにペーパーをあててどうにかしよう、ということはしないほうがいいです。

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  それが教訓なのね。

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  もっと端的に言えば、触らないほうがいいです。触るなら「全面を磨いてクリア塗装し直す」つもりでやらないとダメです。

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  このことをまだ知らないDIYユーザーのために、あえて過去の失敗談を語ってくれた本多研究員でした。