ヘッドライト加工では、レンズ面への接触にも注意…!
ヘッドライト加工で「アクリルなどをインナーに仕込みたい」人向けの、具体的な注意点。それはヘッドライトのレンズ面との接触だ。施工後しばらくしてから問題が起こる、やっかいなケースがあるのだ。
ヘッドライト加工で仕込んだアクリルがレンズ面に接触すると……
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前回、ハイラックスのヘッドライトに入っている車名ロゴをアクリルとLEDで光らせた例を紹介しましたが……
※「ハイラックスのヘッドライト内にある車名ロゴを光らせるLEDカスタム」参照。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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これに限らず、インナーにアクリルを埋め込むヘッドライト加工では、レンズ面への接触にも注意が必要です。
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レンズ面の裏側に当たるカモ、っていう話?
●DIYラボ:イルミちゃん
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そうですね。ハイラックスのヘッドライト加工では、土台の黒アクリルが2ミリ厚で、ロゴの透明アクリル(ブラスト加工)は5ミリ厚を使用しています。
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ロゴが出っ張っている分は、約3ミリ位って話でしたね。2ミリの土台に埋め込まれているから。
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しかし元々の純正インナーの高さと比較すると、5ミリはヘッドライトレンズの内側に接近しています。
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5ミリ位の隙間はあったんですね。
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そこは車種によります。ハイラックスの場合はわりと空間があったら、アクリルを出っ張らせることもできましたが……
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コツンと当たったらNGってことか。
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注意しないといけないのは、ヘッドライト加工後にレンズを閉じる時点では気づかないケースです。
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当たっているのに、気づかないままカラ閉じするなんてあり得る?
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ごく僅かに接触しているケースなら、気づかないことは十分あり得る話ですよ
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そうなんだ。……でも、レンズが閉じられたのなら、結果オーライってことでしょう?
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いや、そういう考え方ではダメです。
ヘッドライトのインナーとレンズの関係は意外とユルい?
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この手のヘッドライト加工で一番避けたいのは、「ちょっとだけ当たっている」とか、もしくは「後から接触するようになる」パターンです。
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レンズが閉じられてもダメなんだ?
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ごく僅かにでもレンズ面に接触していると、細かい振動で削れて、レンズ裏面から白い粉みたいのが出てきたりしますよ。
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……アクリルがレンズを削ってしまうってことか。
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そうです。干渉していたらそういう症状が出ます。僅かに接触しているケースは、時間が経たないと分からなかったりするからやっかいなんです。
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あとから白っぽくなって接触に気づくんだ……確かにそれでは手遅れですね。
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もっとやっかいなのは、施工直後は離れていても、振動で当たるようになるケース。
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ヘッドライトのレンズとインナーの位置関係が変わることなんて、あり得る?
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普通にあり得ますよ。そういうのはインナーの留め方によっても違いますが。
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と言うと?
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車種によってはヘッドライトのインナー固定に使われているネジが1本だけ、なんていう場合もあります。
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1本だけだとすると……
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遊び(ガタつき)も大きい。
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ムムム。
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インナーに埋め込んだアクリルが、後からインナーごと動いてレンズに触れてしまう、といったことになりやすい。
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そういうことか。
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しかもヘッドライトって、ネジで留まっているのは手前側だけだったりもするんです。
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ネジがない場所は、インナーをひっかけているだけ、みたいな構造の車種が多いです。
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ガタが出やすいわけか。
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サイド面については、遊びが大きいヘッドライトは少なくありません。グリル側はそうそう動かないですけど。
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今回のヘッドライト加工のように、サイド面にアクリルを追加する加工は要注意なんですね。
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そういうことです。これは、アクリル加工のデメリットのひとつと言えるかもしれません。
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ヘッドライト加工者は、レンズ接触にも十分注意して施工しましょう。
ヘッドライトのインナーをハウジングに固定しているネジ。数本のネジが使われている車種も多い。
インナーとハウジングの分離
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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