ヘッドライトやテール加工後に、必ずやるべき防水チェック
ヘッドライトを加工。仕上げにしっかりシーリングしたつもりでも、水が入ってレンズが曇ることがある。結露の原因は、殻閉じしたときにきちんと防水できていないから。そこでライト加工後の防水チェックのやり方をプロに取材。車に加工ライトを取り付ける前に、必ずやるべき!
シーリングしてもライト内に水が入るのはナゼ?
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ヘッドライトを殻割りして加工したら、水が入って曇るヘッドライトになってしまった……という人は大勢いますよね。
●レポーター:イルミちゃん
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それは原因としては、殻閉じしたときにきちんと防水できていないからです。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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シーリング剤を使っていない、ということ?
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いや、純正と同じシーリング剤を使って殻閉じしても、きちんとシールできているかどうかは分かりませんので。
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シーリング剤を使っても、水が入る可能性がある? ではどうすれば…… 今回も安定の『重たい話』ですね。
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ヘッドライトを殻閉じしたときに、きちんと防水できているかどうかを調べるイイ方法がありますよ。今日はそれを紹介します。
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よかった。
調べる方法があるんだ! -
あります。
球屋でも、殻閉じしたライトは必ずこの方法で確認しています。 -
大切なヘッドライトに水が入ったら大変ですからねぇ。で、どうやるんですか?
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ヘッドライトを水に浸けるんですよ。
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……は?
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だからヘッドライトを水に入れるんです。それで水が入るなら、ダメってことですね。分かりやすい♪
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わざわざ自分から水に入れてどうするッ!!
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でも、防水の甘いヘッドライトは、どのみち雨が降ったときに水が入って曇りますよ?
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うッ。
そ、それはそうだけど…… -
だったら!
先にそれを発覚させることが大切なんです。 -
どんだけドMな方法取ってるんだろうか。いつもながら。
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車に付けて配線してしまった後のヘッドライトで問題が起こるより、ずっといいですよ。
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……う〜ん
そういう考え方もある? -
僕からしたらこのチェックをしないで加工ライトを取り付けるほうが、よっぽどハイリスクな話です。流れるウインカーの配線作業とか全部やったあとで、洗車して水が入ったら最悪ですよ。
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なるほどねぇ。でもライトを閉じるときにシーリングしたんだから基本は大丈夫なはずでしょう?
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シーリング剤で殻閉じしても、空気(気泡)がかんでいて、それが巣穴になり水が浸入する可能性があるんです。そこをチェックしたいんです。
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森田研究員が殻閉じしたとしても、チェックしないとダメ?
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それはもちろん!
誰が殻閉じしても同じです。必須。 -
そういうものなんだ〜。
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絶対に水が入らないヘッドライトかどうかは、水を入れようとしてみないと分からない、ってことです。
ヘッドライトやテール専用の自動車用シーリング剤
使い方は「殻割りしたヘッドライトの閉じ方」を参照。
まず、ヘッドライトが入る大きな桶に水をはる
レンズとハウジングはシーリングで密着させている
ヘッドライト防水確認のやり方
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ヘッドライトをドボンって水に入れたら、そこでライトが壊れたりしませんかね?
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いや、もちろんヘッドライト丸ごとドボンってやったら、バルブ穴から水が入ってしまいますからね。そんなことはしません。いくらMでもね。
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では、どうやるんですか?
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ヘッドライトのレンズとハウジングの境界(シールした線)を、水に沈めながら少しずつチェックしていきます。
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この方法で調べるときは、あまり長い距離をいっぺんに沈めないこと。少しずつ調べていきます。
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ホラ〜、やっぱりビビってるんじゃないですか!
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そうじゃなくて。水が入ったときに、どこから入ったのか分からないと意味がない。
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そっか。
そりゃそうですね。 -
ただ、ヘッドライトってどのみち一直線なラインはほとんどないので、部分的に浸していくことにはなりますけどね。
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やはり恐いなぁ。一瞬だけチャポンってやったら、すぐに出したくなりますね。
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あー。
そんなやり方ではダメですねぇ。全然ダメ。 -
そうは言っても……
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水を入れる気でやらないとダメです。水圧がかかるように沈めながら。
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ポイントは、「入れーっ!!!」って心の中で念じながらやることです。水が入らないように気を遣ってやるのでは、全く意味がない。
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どこまでもドMなんだ。
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そして、10センチずつ位の範囲を沈めながら、中に水滴が入ったりしていないかどうか確認していきます。
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ヘッドライトがしっかり防水できているかどうかを確認するときは、ヘッドライトを上にかざし、レンズ面を下向きにしてチェックします。
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それはなぜですか?
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もし水が入っても、ハウジング奥側(ライト下側)に水が入っていったら分からないからですよ。
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チョー意味ないですねソレ。
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レンズ面まで水が入るのはもちろんNGですが、そこまででなくてもシーリングした境界を越えて水滴が入っていたら、けっきょく曇るということですのでNGです。
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つまりフチをよく見ていくわけですね。
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レンズ外側に付いた水滴と見間違えてドキっとしないために、外側は拭きながらチェックしましょう。
ヘッドライト裏の穴は水に浸けたら当然NG
シールした部分を水没させる
ダメなやり方の例
水圧をかけるように沈める
穴からは水が入らないように注意
水が入っていないか見る
シーリングのラインを越えて水が入っていないか?
お風呂じゃなくてシャワーでもいい?
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しかし、こんな大きい水桶……一般家庭にあるかなぁ?
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桶がないなら、子供用プールでもいいし、おフロに水を張って調べることもできますよ。
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そんなものおフロに入れるなッ!! ってお嫁さんが怒りますよね。絶対。
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まあ、そこは。
バレないようにやるのが前提です。 -
湯船に浸けないで、シャワーをかければいいのでは?
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それじゃダメなんです。水は入らない。トプンって完全に浸して圧をかけないとね。
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……だそうです。
プロの加工者の世界は厳しい……。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。アクリルづかいを筆頭に、最先端のライト加工技の探求者。実際にお客さんの10台中9台はアクリル加工をする、というほどのエキスパートだ。派手さよりも「完成度と質感」を重視。デザイン性の高さでも全国屈指。
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