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ABS樹脂バンパー（エアロ）を切ったり穴を開けたりするときの処理方法

ABS樹脂バンパー（エアロ）には、FRP製のバンパーとは違う注意点がある。それはバンパーをそのまま取り付けるのか、切ったり穴を開けたりするのかどうかで大きく変わってくる。まずABS樹脂エアロの加工方法を知っておくと、今回の注意点を理解しやすいので、そこから解説。

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  ABS樹脂製のエアロパーツ（バンパー）を切ったときの処理について、お話したいと思います。

  ●アドバイザー：ほんだ塗装 本多研究員

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  いつものFRP加工のハナシじゃなくてABS樹脂？

  ●レポーター：イルミちゃん

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  そうです。最近は社外品のエアロパーツもABS樹脂が多くなってきていますので。

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  どういう違いがあるのでしょうか？

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  FRPとは違い、フィッティングは良いですね。つい最近もヴァルドやエイムゲインのABS樹脂バンパーを取り付けましたが、その両者は品質が良かったです。全メーカーが良いとは言いませんが。


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  上の写真はヴァルドのABS樹脂エアロをハリアーに付けた例ですが、なんなら仮付けをしなくても問題ないくらいの精度でした。

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  へー！

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  ただし、FRP製のエアロとは別の注意点もあるので、そのあたりに触れておこうと。

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  と言いますと？

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  問題は、ABS樹脂のバンパーを切ったり、穴を開けたりしたときの処理ですね。

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  そもそも、なぜバンパーを切るの？

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  今回のハリアーを例にすると、マフラーを取り付けるからですよ。

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  マフラーを付ける場合はリアバンパーを切るんだ？

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  上で紹介したヴァルドのリアバンパーは、最初の状態だとマフラー部分が「フタされている」状態です。


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  マフラーを付ける人だけ、この部分を切ってくり抜いてくださいね～っていう作りなんです。

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  なるほど。
  マフラーを付けない人は、そのままでいいんだ。

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  そうそう。
  ……で、今回は切りました。

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  ABS樹脂バンパーでも普通に切れるのでしょうか？

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  切ることはできます。エアソーで切りました。


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  といってもギリギリでは切れません。ガイドに貼ったラインテープから、1～2ミリ残して切っています。写真は切ったばかりで、切り口が汚い状態ですが。

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  これを整えるんですね。

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  ハイ。切ったあとは、当然ながら切り口をキレイに整えないといけません。

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  それはどうやるのでしょうか？

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  まずはベルトサンダーでならしますが……ここからが、FRP製とは事情が違ってきます。

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  ABS樹脂は削るというより、「溶かす」に近い。プラスチックを削ると、溶けて、それが固まってバリになるのと同じで、バリができてしまう。

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  1回溶けたのがまた固まって、デコボコになるみたいな？

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  そうですね。だからABS樹脂のエアロは、切ったあと・削ったあとのバリがスゴイ。

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  FRPはどう違うの？

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  FRPの場合は、削ったら粉になります。


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  全部粉になって落ちてしまうから、溶けて残るようなことはありません。

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  その点では、FPRのほうが作業性は良かったんだ。

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  そうですね。ABS樹脂の場合は切りっぱなし・削りっぱなしではなく、必ずバリの処理をしないといけないので。

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  バリを削るってことですね。

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  このバリは、まあまあ荒いペーパー（紙ヤスリ）でないと削れません。ようはプラスチックのバリを削るようなイメージだから。

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  では何番くらいの番手を使いますか？

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  80番、あるいは60番とか。そのくらいの荒いペーパーでやらないと大変です。120番や180番ではキリがない。

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  ゴリゴリ削ってバリを落としたところ（↓）


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  しかしバリを削った目も粗いから、これで完成というわけにはいきません。

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  ふむ。

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  キレイに仕上げるなら、ここからパテを入れたほうがいいです。


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  このパテはなにパテですか？

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  いつも仕上げに使うポリパテですね。

✔「ポリパテとは？ その使い方と削り方」参照

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  そのあとパテを削って足付けしてから……


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  サフェーサーを吹く流れになってきます。


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  今回のような手順を踏めば、ABS樹脂バンパーやエアロでも切ることはできるんですね。

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  手間はかかりますができますよ。ただし、この手の加工をやるなら、未塗装品であることが大前提になります。

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  塗装するのは、補修したのちだから、当然そうなりますね。

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  しかし世の中には、塗装済みバンパー（エアロ）を販売している塗装業者もあって、ネットで調べれば安く売られているものがいくらでも入手できます。

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  ふむ。

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  ……ここに、ABS樹脂バンパーならではのトラップがあります。

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  あれ？ この話の流れ、もしや本題の注意点はここから？

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  そうです。単に「ABS樹脂バンパーの切り方」を説明しようと思ったわけではありません。