球屋が80ハリアーのパドルシフト化に成功…!
80ハリアーにはパドルシフトの設定はないが、ステアリングとしては同じ意匠の220系クラウンにはパドルシフトが付いていたりする。これはひょっとすると、ひょっとするかも?……と考えた、球屋の森田研究員の実験レポート。
220クラウンにはパドルシフトがあったのに、80ハリアーにはない。ここがポイント
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LED加工専門店の球屋が、パドルシフトの設定のない80ハリアーで、加工によってパドルシフト化を実現したもよう。早速レポートしてみたいと思います。
●DIYラボ:イルミちゃん
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これは、私の80ハリアーに対する、数少ない不満点のひとつから生まれてきた技なんです。
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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ハリアーびいきな面がある森田研究員ですが、不満点とは?
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それは「ステアリングが他のトヨタ車と同じ」点ですね。クラウンやカローラなど、最近のトヨタ車のステアリングはみんな同じ意匠(デザイン)なんですよ。
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あー。
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正確に言えば、作りがまったく同じわけではないです。骨組みの形状も違うし。しかし、ユーザー目線で見た場合の意匠としては同じなんです。
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なるほど。
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少し話はさかのぼりまして、以前に220系クラウンを開発車両用に保有していた時、ある気づきがありました。
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220系クラウンの時点でステアリングの意匠は、実はカムリといっしょでした。
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へぇ~。
そうだったんですね。 -
その時に「あー、これはもしかして、今後は全部コレになるのかも!?」と思っていたら、案の定そういう展開になりました。
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その流れが、最新の80ハリアーまで続いているんですね。
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コスト面など致し方ない面はいろいろあるんでしょうけど、80ハリアーオーナーとしては、不満が残るポイントです。
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なるほどね。
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でもね、それでふと気づいたんですよ。
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?
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220系クラウンのステアリングにはパドルシフトがあったよなぁ、と。
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……ほう。
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でも、同じ意匠の80ハリアーのステアリングには、パドルシフトの設定がない。
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ふむ。
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これはもしかして、もしかしないか?
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分かった! 220系クラウンのステアリングを、80ハリアーに移植しようっていう気か!
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いやいや。僕の発想はそれとは少し違います。最初に言った通り、同じステアリングに見えて、中身は同じではないんです。
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移植はできない?
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少なくともそのままポン付けは無理ですし、付けられたところで、クラウンのステアリングを部品として買ったら10万円を超えます。
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まあ、ヘッドライトよりは安いけどね。
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しかし、いくらなんでもパドルシフト化に部品代だけで10万円オーバーでは、カスタムの提案としても現実味がなさ過ぎる。
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それは……そうだなァ。
80ハリアーも後期になったらパドルシフトが付いても不思議はない?
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ここは必要な純正部品(220系クラウンのパドルシフトや関連ハーネス)だけを準備して、あとは80ハリアーのステアリングの加工で実現したいところです。
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できるのか、そんなことが!
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もちろん、やってみないと分からない。そこで220系クラウンのパドルシフトを用意しました。
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パドルシフトは、単体部品で調達できるんですね。ステアリング丸ごとアッセンブリー、とかではなくて。
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ただ、パドルシフトが付くステアリング背面の部品は、単体の部品としては設定がありません。
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その部分は、ステアリング本体を買わないと付いてこない部品なんだ。
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そうなんです。なので、そこは80ハリアー側のステアリングの部品を加工していきます。
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これが、80ハリアーのステアリングの背面カバーですね。
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そしてこっち(↓)が、220系クラウンのパドルシフトの部品です。
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ようは、これを、埋め込みます。
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ふむふむ。
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220系クラウンのパドルシフトの部品のカタチに合わせて、80ハリアーのカバーをくり抜いたらいいわけですよね。
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どうやってくりぬくの?
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超音波カッターで切ります。
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外科手術並に難しそうですけど……。
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ヘッドライト加工でインナーをくりぬいてアクリルを埋め込む作業よりはカンタンです。メッキがのっているインナーに比べたら、サクサク切れますので。
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森田研究員は難易度の比較対象がマトモではないので、差し引いて見届けます。
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ここからが加工屋の仕事です。超音波カッターで、80ハリアー側のカバーを切っていきます。
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でも、もともと80ハリアーにはパドルシフトが付いていませんから、位置決めにも迷いますね?
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いや、そうでもないんです。
ガイド的なものがありまして。 -
ほお。
ガイド? -
実は今回の技に挑戦しようとして、面白い事実が発覚しました。
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なんでしょう?
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80ハリアーのステアリングの骨組み側には、パドルシフトのスイッチを付けるネジ穴が開いていたのです。
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パドルシフトの設定がない80ハリアーなのに???
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そうなんです。カバーに穴はなくても、その奥の骨組みにはネジ穴がある。まあ、その部品が他車種と兼用というだけかも知れませんが……。
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なるほど。
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あるいは、もしかすると、80ハリアーも後期になったらパドルシフトが付くのかも知れません。……どっちのパターンかは分かりませんが。
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その予測、面白いなァ。
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「これ、後期で付くんちゃう?」っていうのは妄想ですけど、そういうこと考えるだけで楽しいですよね。
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では、今回の移植手術は、そのネジ位置を生かして220系クラウンのパドルシフトが付くように、ピッタリの位置で、80ハリアー側の背面カバーを超音波カッターでくりぬく、と。
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そうそう。
そういうことです。 -
口で言うのはカンタンだけど、やっぱり大変そう。
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……で、骨組みのネジ位置を見ながら、チマチマ慎重に切り進めて、ここまで辿り着きました。
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80ハリアーのステアリングに、220系クラウンのパドルシフトが付いたー!!
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いやー、加工屋で良かったな、と思いました。
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まったくだ。
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でも、この段階では、まだ付いたとは言えませんでした。
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え。
付いてますけど?
比較対象がコレ
✔ 興味のある人は「LED加工のプロが明かす! アクリルヘッドライト加工方法」参照。
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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