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純正部品の色替え塗装を、DIYでやるコツ
純正部品をDIYで塗装(色替え)するときのコツを、プロの板金塗装職人に聞いた。純正の部品は、社外FRPパーツよりはDIY塗装がやりやすいと言えるのだが、FRPパーツ塗装とは違う注意点もある。
純正部品の、元の塗装を剥がさないほうがいい!?
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前回は「中古の純正部品を買って、塗装(色替え)を依頼する人が多い理由」について解説しましたが、今日はDIYでやる人向きの話です。
●アドバイザー:ほんだ塗装 本多研究員
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シャークアンテナくらいの小さい純正部品だったら、缶スプレーで塗装しようとする人もいそうですね。
●レポーター:イルミちゃん
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この位の小物パーツならわざわざ送料をかけて板金屋に送らなくても、DIYで塗ってしまえばいいんじゃないかな……と僕自身も思ったりもしますので。
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DIYが好きな人ならそうかも。
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社外品のFRPパーツのように、バリや巣穴があるのが前提だと、補修や下地処理が大変です。しかし純正部品はその点はやりやすいですからね。
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確かに。ただ、それだけに純正シャークアンテナ塗装代も4000円位~(※ほんだ塗装の場合)と安めですが……
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でも塗装代が4000円位の純正パーツだったとしても、往復の送料などが入ってきたら、もっとかかりますから。
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まあね。缶スプレーのほうが安いのは間違いない。
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そこで、純正の小物パーツを塗装するときの注意点をお話しておきます。
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ふむ。
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中古の純正部品を買ってDIYで色替えするなら、足付けするときに下地を出さないようにやるのがコツです。
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下地を出さないってどういう意味?
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例えば前回の塗装モデルのシャークアンテナ。元の純正色はムラサキ色でした。
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このムラサキ色を完全に剥がすのではなくて、ムラサキが白っぽくなる位の軽い足付けにとどめるのです。
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ホホウ。
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純正の塗料が剥がれて下地が出てしまうと、その上から塗装したときにどうしても塗膜の段差ができる。すると、そこだけ塗料が引けてしまったりします。
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塗料が引ける?
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例えば次に塗るのがメタリックの入った黒だとしたら、部分的に黒くモワーンと斑点みたいになったり、そこだけ光の反射がないせいで、黒い線が出てしまったりします。
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下地が出た部分は、同じように塗装できていないんだ。
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塗膜と塗膜がうまくつながっていないような状況だから、そうなるんですね。
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ふーむ。
なるほど。 -
だから純正色を剥がすのではなくて、軽く足付けだけして、そのまま上から色を塗るほうがいいです。
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軽い足付けとは、どうやればいいのでしょうか?
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ほんだ塗装の場合は、スコッチブライト・ハンドパッドを使います。メッキの足付けなどにも使っています。
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もしサンドペーパーを使うなら1000番・1500番といった細かい目を使い、下地が出ないように削ります。
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ほとんど削れないようなペーパーを使うってことね。
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ただし足付けが弱いぶん塗料の密着性は下がるので、本番の塗料を吹く前にプライマーを吹くのは必須ですね。
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接着剤を吹くことで、足付けの弱さをカバーするんですね。
純正塗装が剥がれて下地が出ている場合の塗装方法
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ところで、注意していても純正部品の下地が出てしまったらどうしましょう?
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そのときは一回サフェーサーを入れないといけません。
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サフェーサーを吹いて、下地を平らにならすんですね。
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そういうことです。
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逆に言うと、上手いこと軽い足付けができて下地が露出していなければ、サフェーサーを吹かなくてもいけるってこと?
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ですね。補修の必要がない純正部品の色替えでパテも使っていないのであれば、サフェーサー無しでもいけることも多いですよ。
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社外品のFRPパーツの塗装に比べたら、純正部品の小物パーツの塗装ならDIYでもできそうな気がする!
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もちろんウチ(ほんだ塗装)に頼んでもらえるぶんには、喜んでやらせて頂きますが……わざわざ送料をかけてっていうのが、どうも悪いなぁと思って。
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なるほどね。それで自家塗装のアドバイスもしてくれたのね。
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例えば純正部品の塗装が何点もあるとか、車でほんだ塗装に直接持ち込めるよ、っていう人ならいいと思うんですけどね。
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自分で塗るか、送料と塗装代をかけてプロに頼むのか? そのあたりは人それぞれです。
✔ 自家塗装する人は、「缶スプレー・サフェーサーの吹き方と、失敗しないコツ」参照。
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ワンオフ加工と塗装のスペシャリスト。エアロパーツ取り付けも仕上がりにとことんこだわるタイプ。超がつくキレイ好きでもあり、安心して車を預けられる。●ほんだ塗装 TEL:0564-58-5808 住所:愛知県岡崎市坂左右町堤上101-3 営業時間10:00~21:00 水曜定休 メールはこちら
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