リアルなバッテリー電圧の測り方
バッテリー電圧の測り方。エンジンオフの状態で測るのか、それともオンで測るのか? 何ボルトなら正常と言えるのか? バッテリー電圧の具体的な測定方法とともに、正常・異常の判断の目安になる数値について解説する。
エンジンを停止した状態でバッテリー電圧が12.7V近く出ていれば正常
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「車のバッテリーは12V」なのは有名な話ですが……それって、正常なバッテリーの話ですよね。
●レポーター:イルミちゃん
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そうですね。
バッテリーが弱ってくると、電圧は下がりますので。●アドバイザー:CEP 服部研究員
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では、現状のリアルなバッテリー電圧は、どうやって測ればいいのでしょうか?
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サーキットテスターを持っていれば、カンタンに測れますよ。
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サーキットテスターを使った、バッテリー電圧の測り方は?
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もう、そんまんまですね。バッテリーのプラス端子とマイナス端子にテスターの棒を当てて調べればいいのです。
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エンジンは始動しておく? それとも停止しておくの?
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バッテリー電圧を測るときは、エンジン停止の状態で測ります。
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おや!? 12.63Vと出ている。
ちょっと、血圧高めですよ的な……? -
いいえ。車のバッテリーの電圧は、一般的には12Vと表現されますが、正確にいうと12.7Vなんで、12V以上の値が出ているのが正常なのです。
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そうなんだ~。じゃあ、この「12.6V」は問題ない正常値なんですね。
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そういうことですね。12Vより低いとなると、バッテリーが弱っている可能性が高い。
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なるほど。
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ちなみに今はエンジン停止の状態で測定しましたが、次はエンジンがかかっている状態で電圧を測ってみましょう。
✔ サーキットテスターの扱い方については「車の電圧の正しい測り方(テスターの使い方)」参照。
オルタネーターが正常なら、エンジンオンで14V位まで上がる
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エンジンをかけた状態でバッテリーの電圧を測ると、14Vくらいまで電圧が上昇します。
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あれ!?
なぜ上がるの? -
オルタネーター(発電機)が発生させる電気の電圧は、14Vくらいあるからですよ。
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車の電圧は12Vのはずなのに……オルタネーターが14Vの電気を発生させるのはナゼ?
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12Vのバッテリーを充電するのに、12Vしか発生しない発電機では充電できませんよ。
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12Vでは充電できない……?
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それこそ、前回解説した、電位差が必要です。
(↓) -
そういえば「電位差があるからこそ、電気が流れる」ということを教わりました。
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そうなんです。
だから充電電圧は、14Vくらいあるのです。 -
エンジンのオン・オフで電圧が変わるのは、そういう理屈ね。
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逆に、もしもエンジンを始動させた状態でバッテリーの電圧を測っても、あまり上がらない場合は……
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そんなこともあるの?
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オルタネーターが故障している可能性がありますね。
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……ムムム。
そういうことか。 -
反対に電圧が上がり過ぎる場合は、レギュレーター(オルタネーターで発電された交流の電気を直流に整流する部品)に、不具合が起きているかもしれません。
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電圧を測ることで、いろいろ診断できるんだ。
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バッテリー電圧の測定は、そもそも「オルタネーターがしっかり働いているか」「バッテリーが消耗していないか」などの、メンテナンス目的で行うものですからね。
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ナルホド。
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オルタネーターが発生させている電圧を正確に測るなら、専門的な工具や手法が必要になりますが、ざっくりと正常か異常かの判断ならば、バッテリー端子にテスターを当てるだけでも診断できます。
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それである程度は、オルターネーター診断もできるということですね。
DIY Laboアドバイザー:服部有亨
キーレス、オートライトをはじめとする車の電装カスタマイズで有名なコムエンタープライズ(CEP)で製品開発を担当。車の電装、プログラミングの双方に長けている。配線図大好き。●コムエンタープライズ TEL 079-230-2323 住所:兵庫県姫路市大津区天神町2-78
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