フットランプのQ&A
ドア連動時とスイッチオン時で、フットランプの色を変えたい
フットランプDIYの応用技。ドア連動+スイッチ制御のフットライトで、「ドア連動時」と「スイッチ制御時」の点灯色を変えたいというリクエスト。どうすればできるのか?
ドアを開けたら水色、スイッチオンで白色に光るフットランプの作り方
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読者の方から頂いた、DIYフットランプの応用技についての質問です。
●レポーター:イルミちゃん
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ドア連動(ルームランプ連動)+スイッチ強制点灯のフットランプを作っている〈みーさん〉ですが、今度はそれに加えて、それぞれの動作時の色を変えたい、ということですね。
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おさらいですが、エーモンのRGB LEDシリーズは、赤・緑・青・黒の4本の配線コードが付いています。
●アドバイザー:エーモン 中塚研究員
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黒はアースなのでボディアースするとして「残りの3本に、どのように電気を流すか」で、発光色が決まります。
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赤に電気を流せば赤く光り、みどりに電気を流せばみどりに光るんでしたね。
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そうですね。赤とみどりに同時に電気を流すと、色が混ざって黄色に光ります。
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その組み合わせによって、7色の色替えができる。
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今回のみーさんの場合は、ドア連動で水色、強制スイッチオンで白色なんだから……
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ドア連動時はみどりと青に電気を流し、スイッチオン時は3色すべてに電気を流すと白色になります。
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ここまでは分かるんだけど……どうやれば、そうなるんだろ?
■ 質問
以前に、フットランプをドア連動+スイッチで強制点灯にする方法(※)を教えていただいた者です。今回は、以前の件の続き(?)みたいな内容の質問です。
※「フットライトを、ルームランプ連動(ドア連動)+スイッチで制御するには?」参照。
LEDは(エーモンの)RGBフラットLEDを使って……
>> ドア連動で光る時は、水色(緑+青)
>> 強制点灯の時は、白色(赤+緑+青)
このように(↑)光らせることは可能でしょうか?
質問者╱みーさん
エーモンRGB LEDを使った、フットランプの色替え配線
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今回は「フットライトを、ルームランプ連動(ドア連動)+スイッチで制御するには?」で解説した配線図をベースにして説明していきますね。
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参考までに前回の、単色でのドア連動+スイッチ連動だと、こういう配線図(↓)でした。
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「ルームランプ連動」の時点で、マイナスコントロールですので、LEDのマイナス側に5極リレー(1c接点リレー)をつなぐのは今回も同じです。
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フムフム。
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しかし、エーモンRGB LEDの場合は、プラス線が3本ありますので、ここは変わってきます。
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ふむ。
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今回のリクエストは「水色」と「白色」なので、どちらにしても、青線とみどり線には電気を流すことになります。
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前述の表の通りですね。
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そこでまず、LEDの青とみどりには常時電源を取ります。スイッチオンで強制点灯にするためには常時電源が必須ですから。
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なるほど、なるほど。
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それからLEDのマイナスは、前回と同じように5極リレーの赤(入力)につなぎます。
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残るは、エーモンRGB LEDの赤線ですね。
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この赤に電気を流せば、3本全てに電気が流れるので「白色」になり、流さなければ「水色」になります。
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つまり、この赤線がカギですな。
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スイッチオンにしたときだけ、この赤に電気を流れるようにすればいいわけですね。
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え~っと、え~っと……どうすればそうなる?
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もともとスイッチオンでフットランプを光らせるために、スイッチを使いますから、ひとつのスイッチで「リレーの切り替え」と「RGB LEDの赤に電気を流す」をまとめると……こうなります。
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ふおぉ~。
これが答えか。 -
こうすると、スイッチオンでリレーの接点が切り替わって強制オンになるし、RGB LEDには全ての線に電気が流れるため、「白色」となります。
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スイッチオン時だけ白色点灯! みーさんのリクエスト通りできた。
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ただし、注意点が2つほどあります。
※エーモンのコンパクトリレー(3234)使用。
使用するスイッチの容量不足には注意が必要…!
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ひとつ目の注意点はスイッチの選定です。
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フムフム。
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今回の組み方ですと、スイッチから出力した電気が「リレーのコイル」にも「RGB LED」にも流れます。
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そうですね。
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となると消費電流には注意が必要です。まずリレーコイルの消費電流が150ミリアンペア、それからRGB フラットLEDの赤が14ミリアンペア(全点灯時の合計は38ミリアンペア)です。
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なるほど、なるほど。
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ここでエーモンの貼り付けプッシュスイッチ(3223)などを使ってしまうと、使用可能電力が200ミリアンペアなので、LEDの数によっては容量オーバーとなる可能性があります。
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あー。ちょうど足りるか足りないかの、微妙なラインなんですね。
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ですので、基本的には今回の配線図では、同じ貼り付け型スイッチで、もっと容量の大きい貼り付けクリックスイッチ(3226)を使いました。これはマックス1アンペアまで対応しますので。
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複数のRGB LEDに分岐させるなら、こちらのスイッチのほうがいいですよ~ってことね。
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それから、もうひとつの注意点が、配線コードの太さの違いです。
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ふむ。
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貼り付けクリックスイッチの配線は0.2スケア、5極リレーの青い線は0.5スケア、RGB LEDの配線は0.2スケアと、太さが混在しています。
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あー。
ギボシ端子でつなぐとかはNGだ。 -
実際の配線では、配線図をベースに延長して頂くことになるかと思いますが、配線を接続したり、エレクトロタップで合流させる場面では、それぞれの適合範囲におさまるように注意して頂く必要があります。
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例えばRGB LEDの細線を、そのまま細線(0.2スケア)で延長してきて、リレーの青線(0.5スケア)にエレクトロタップで合流させようとするのは……ダメですね。
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その場合は、延長コードに0.5スケアを使って頂くほうがいいですね。あるいはリレーとスイッチの間も0.2スケアで延長して、0.2スケア同士で合流させるなど、やり方はいろいろですが。
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今回の配線図は、あくまでも電気の流れを示しているだけで、実際の配線作業時は、各接続ポイントに注意しましょう~! ってことですね。
エーモンの貼り付けクリックスイッチは3種類ある。
スイッチを選ぶときは「容量」にも注意しないと壊れるリスクがある、という話はDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しています。
DIY Laboアドバイザー:中塚雅彦
カーDIY用品メーカー・エーモン広報担当で、エーモンの顔と言える人物。端子や配線コードの仕様など細かいところまで深い知識を持っているので、DIYラボでは「電装DIYのきほん」に関する記事を担当。中塚ハカセ、とも呼ばれている。
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