純正フットランプ配線からの電源取り出しは、取り扱いに注意!!
フットランプ増設に関する、重大な注意点。例えば純正フットランプが前席には付いていて、リアにも付けたい場合、純正フットランプからの電源取り出しが定石だが、取り扱いを間違えるとダメージが大きいのだ。この話は知っておくべき。
純正フットランプの配線をショートさせると、「ヒューズが飛ぶ」では話が済まない!?
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人気が高まりつつある、リア(後部座席)フットランプ・増設の話題の続きです。
●レポーター:イルミちゃん
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前回、純正でフロントフットランプは付いている車の場合、その配線から電源取り出しして、リアフットランプを増設できると解説しましたが……
●アドバイザー:球屋 森田研究員
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しかし、純正フットランプの配線は、取り扱い注意な面があります。
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……と言いますと?
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それは、純正フットランプの配線は、ヒューズ無しでECUに直結している車が多いということです。
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ええっと……ということは、どういうこと???
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この線から分岐で電源を取り出した配線をショートさせたら、ヒューズが飛ぶのではなく、ECUが壊れるということですね。
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ぐは!?
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ECUを壊すと、何万円単位……いや、ヘタすると、今どきはそれ以上の出費になるかも。
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ぐはーッ!!!
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最近の車のコンピューター関連は、どんどん一個に集約する流れがありますからね。
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壊れたときの、ダメージが大きい。
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そうなんです。
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フットランプの配線を分岐させて、LEDを後付けするというのは……手法としてはフツーな気もしますが……
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だからこそ、この事故もありがちだと思われます。そこで注意喚起ですね。
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なるほど。
この連載が「重たい話」だってこと忘れてたな。
純正フットランプのプラス側は常時電源が流れている
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そもそもフットランプの配線は、ショートさせやすい理由もあります。
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どういうイミですか?
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純正フットランプ配線のプラス側は常時電源なんですよ。
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……つまりマイナスコントロールってことか。
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そうなんです。ECUとつながっていて、マイナスコントロールによって点灯制御されています。
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ということは、フットランプから分岐させたプラス線を車体金属にあてると……
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エンジンオフの状態で作業していても、即ショートですね。
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常時電源の取り扱いは、それでなくても注意ですが、この場合はECU直結っていうのがなお恐い。
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ただ、この手のショートは、本来は作業手順に注意すれば防げる話です。
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ふむ?
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電源を取るのは最後にすることです。
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基本中の基本ですね。
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先に純正配線につないでしまって、そのプラス線と、マイナス線をいっしょに取り回すとか、いちばん危険なやり方です。
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もしも、そのプラス線とマイナス線が接触したら、ECUがボボーン……です。
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ハンダ付けで分岐させる人は、1本ずつ被覆を剥いてハンダ付けして、しっかり絶縁して、1本が完成してから、もう1本の分岐作業に入ること。
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確かに作業中のショートは、やり方で防げますね。
✔ こういう場合に備えて、「バッテリーのマイナス端子を外して作業する」のが一番安全ではあるが、バッテリーのマイナス端子を外すこと自体にデメリットがあるので、現実的ではないケースもある。
純正フットランプの配線から、大量の電源を取るのはリスキー!
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フットランプからの電源取り出しで恐いのは、作業中のショートだけではありません。
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ムムム。
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ヒューズが入っていない可能性の高いフットランプ配線の分岐で、あまりたくさんのLEDを付けない方がいいです。
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たくさん付けるとどうなるの?
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ヒューズ無しでECUにつながっているパターンだと、ECUに過電流が流れることになるので、やはり壊れる可能性があります。
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そういうことかー。
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1発・2発のLEDならぜんぜん問題ないと思いますが、そこからの分岐でLEDを何十発も光らせたいなら、リレーを使ったほうがいいですね。
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純正フットライトの線は、リレーを動かすトリガーとして使うってことですね。
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別の場所から安定した常時電源を確保しておいて、電源としてはそれを使います。
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これなら、純正フットランプに流れる電流はごくわずかで済む。
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「リアフットランプ用に、1発だけLEDを増やす」レベルならそこまでする必要はありませんが、あっちにもこっちにも内装LEDを増やす……だとしたら、僕らも必ずリレーを使っています。
✔ この場合に使うのは、いわゆる4極リレー(a接点リレー)。「リレーの使い方入門╱回路のしくみ」参照。
配線の色分けは、エーモンの4極リレーを例にしたもの。
配線から常時電源を取り出すときのリスクについては他にもあります。下の動画(YouTube)の内容もチェックしておくことを強くオススメします(DIYラボ編集部)
DIY Laboアドバイザー:森田広樹
LED加工専門店・球屋代表。最先端かつデザイン性の高いライト加工技の探求者にして、アクリルづかいの若き老練者。純正風で分かりにくいまでにさり気ない、内装LEDイルミも精力的に提案。派手さより「完成度と質感」を重視する。
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