LED自作コラム
LEDフットライト(足元照明)╱プロの作り方は?
車内の足元を照らすLEDフットライトは、実用的なLED技として超定番。既製品も多数あるが、ここでは光モノ専門店「イルミスタ」の施工方法を取材。LEDのプロのやり方は、いろいろと考えられていて、自作する人にも大いに参考になる。
LED加工専門店イルミスタ流のLEDフットライト作り
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LEDフットライト(足元照明)は、LED技としては超定番です。
●レポーター:イルミちゃん
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イルミスタでもLED打ち替えとフットライトは、よく依頼を受ける定番メニューです。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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ここでは、光モノ専門店「イルミスタ」での施工方法を解説していきます。つまりはプロのやり方。
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まずは、材料の解説からですね。
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LEDはなにを使うんですか?
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チップLEDを使って作っています。
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ちょ、ちょっと待った!
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なにか?
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LED打ち替えの場合はともかく、LEDフットライトなら、12V仕様のLEDが世の中にいくらでもありますよねぇ?
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ありますね。
LEDテープも、ほとんどは12V仕様ですよね。 -
そういうのを使えば、電源を取るだけで光りますよね? なぜ、わざわざチップLEDで作るんですか???
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理由はいくつかあります。
汎用的な12V仕様のLEDテープでは、寿命が縮まる可能性
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まず、根本的な話から。市販のLEDテープは、12V仕様で設計されているものが多いんですね。
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つまり、車用としてそのまま使える。
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いや。そこにちょっと誤解がある。車の電源電圧は、不安定なものなのです。一時的には13Vとか、車によっては15V近くまで上昇することもあり得ます。
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フムフム。
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だから、12Vピッタリに合わせて設計されたLEDテープだと、モノによっては車で使うと寿命が短くなることもありますよ。
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ほええ。
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理想を言えば、12Vよりももっと高い電圧……2割増しで14.4Vあたりを想定に入れた上で、抵抗計算して作るほうが、寿命の長いLEDフットライトになりますよね。
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それはつまり、流れる電流を控えめにすればいい。
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そうですね。14.4V程度まで一時的に電圧が上がったとしても、LEDにとって問題ない範囲の電流しか流れないようにする、ということですね。
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とすると、平常時の12Vでは、暗くなりませんか?
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だから、もともと明るいチップLEDを使った上で、最大スペックよりはひかえめな電流を流すようにするんです。
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な〜るほど。
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というわけで、イルミスタで車のLEDフットライトを作るときは、LEDと抵抗を組み合わせて、ゼロから作ります。
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さすが車のLED加工専門店なだけあって、イロイロ考えられています。
ポイントは抵抗の選び方にある。
5050チップLEDなら個性的な色のフットライトが作れる
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次に、使用するチップLED。フットライトの場合、打ち替えと違って制限がない(基板さえ用意できれば何でも使える)ので、5050 3チップSMDを使っています。
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3チップ搭載で、明るいチップLEDですね〜。
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5050チップLEDは、明るさの他にもうひとつメリットがあります。それは色の豊富さ。
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フムフム。
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たとえば、LED打ち替えでは最近「スカイ」が人気色ですよ〜という話(※)をしましたが、5050にもスカイの設定があります。
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打ち替えで使うのは、3528のスカイでしたね。
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そうです。フットライトの場合は、それよりも明るい5050スカイが使えるわけですね。
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ナルホド。
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スカイに限らず、アイスブルー、アクア、ピンク、すみれ、ろうそく色など、いろいろな色が選べます。
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例えば、内装パネルをトヨタ現行車風に水色LEDで打ち替えたから、フットライトも水色にしよう〜とか(↓)
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電球色よりもケルビン数が低くて濃い、ろうそく色のフットライトで高級感を出そう〜とか(↓)
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このように、色にこだわったフットライトが作れます。
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既製品のLEDフットライトだと、どうしても色は限られますからね〜。
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そうですね。ゼロから作るメリットは、色の選択肢が豊富な点です。
LED通販のエルパラで買える5050 3チップSMD
スカイ
アイスブルー
ピンク
ろうそく色
単色の5050チップLEDなら、明るさと個性を両立できる
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しかしですね、野本研究員。色の豊富さを言うなら、そもそもRGBフルカラーLEDを使えば、どんな色でも出せるのでは?
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もちろんRGBのチップLEDを使って、フットライトを作ってもいいのですが……
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しかし、もともと好みの色が決まっていて固定で使うなら、RGBより単色3チップのほうがいいですよ。
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ピンクがいいなー、とか決め打ちの場合ってことですね。
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それならRGBでピンクを作るより、ピンクの単色3チップを使うほうがオススメです。
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それはなぜ?
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RGBフルカラーLEDは、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3チップの発光具合を調整することで、色を調色しているのです。
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でも同じ3チップなら、単色のほうが3チップとも全てがピンクに光っているので、その分明るいのです。
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同じピンクでも、単色のほうが明るいんだ。
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そうなんです。RGBのメリットは、「色を変えられる」「変化させられる」ことです。
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なるほど。
逆に言えば、変化させる気がないのなら…… -
あくまでも単色チップLEDで作るのがベストです。
RGBテープLEDで採用されているLEDチップを、単体で買うこともできる。エルパラの5060(5050)RGBフルカラーLEDなどがそれ。
例:「赤」と「青」のチップを同時点灯させて「紫」にする
フットライトを取り付けする前に知っておくべき基礎知識・応用知識についてはDIYラボ〈動画部〉がYouTubeでも解説しているので、ぜひ見てね。
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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