5050 3チップLED(SMD)をハンダ付けするコツ
5050は、3チップ搭載が特徴のLED。メリットは、最強クラスに明るいこと。しかし片側3つずつ電極があるため、1個で6か所もハンダ付けが必要だ。自作でもよく使われる定番チップLED・5050の半田付けのコツをプロに聞いた。
5050は3チップなだけにハンダ付けが細かいのが難点
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1個のLEDの中に、3チップを搭載する5050(ゴーゼロゴーゼロ)は、明るさでは最強クラスのチップLEDです。
●アドバイザー:イルミスタ 野本研究員
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LEDパーツ自作でも定番のLEDですよね〜。
●レポーター:イルミちゃん
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イルミスタでも、明るいフットライトを作るときなどには5050を使います。
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ただ、この5050は、ちょっとハンダ付けが難しいんですよね。
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3チップなだけに、片側につき3か所ずつ電極がありますから……
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1個あたりで、6か所もハンダ付けしないといけない。
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ありがちな失敗例もまじえて、ハンダ付けのコツを紹介していきましょう。
5050 3チップSMD、などとも呼ばれる
他のLEDとの違いは、「チップLEDの種類と選び方」参照。
基板は「5050専用基板」を用意。コテ先は細く
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まずは、5050チップLED用の専用基板を用意します。
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今回は3つの5050が載せられる基板ですが、6LED基板や9LED基板などいろいろあるので、作りたいLEDパーツに合わせてチョイスします。
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それと、ハンダごてのコテ先。これは細いのを使ったほうがラクですよ。
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野本研究員がいつも使っているのは、C型のコテ先(↓)
ここで使ったのはエルパラの「5060(5050)RGB 3LED基板」。RGB用以外の単色5050の自作にも流用可能。
エルパラの「HAKKO 交換コテ先」の種類の中から、「T18-C1 1C型」というモデルを選ぶ。
5050の付け方
チップLEDの極性(向き)を確認しておく
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LEDをハンダ付けする前に、極性(向き)を確認しておきましょう。
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今回使う基板は、写真の上側がプラス側です。
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チップLED側には目印の切り欠きがありますが、切り欠き側がプラスなのかマイナスなのかは、LEDごとに違うので確認しましょう。
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同じ5050でも、その点はいろいろ(製造ロットによっても異なる)ですね。
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今回使う5050は、切り欠き側=カソード(マイナス)となっています。
基板側のランドの極性は、基板上のマークで確認できる。
つまりこういう向きで付ける
抵抗には極性はないので向きは関係ない。
基板側に予備ハンダを1点盛り
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まず、基板上のランドに予備ハンダを盛りますが……
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5050の場合は、1個あたりのスペースに6か所ありますね。
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そうなんですが、最初にハンダを盛るのは、1か所だけ。これは、チップLEDをハンダ付けするときのコツです。
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これ、どの一か所に盛るのか決まりはありますか?
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どこでもいいです。ただ、次の工程でチップLEDをハンダ付けする時、やりやすい向きになるようにしましょう。
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あー、なるほど。
そういう理由で決めているのか。 -
利き腕側にハンダごてを持ってハンダ付けすると思うので、利き腕側に予備ハンダを持っておけばいいですね。
まずは1か所だけで5050チップLEDを固定
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5050には6か所の電極がありますが、先に盛った1か所の予備ハンダだけで、先に位置を固定させましょう。
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先に盛った予備ハンダを溶かしつつ、チップLEDの電極(足)を当てて、付けます。
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コツとして、そもそもLEDにはなるべく熱を加えたくありません。
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素早くやらなくては!
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しかし焦ると、ハンダがしっかり溶けていない状態で付けてしまって、チップLEDが浮いているという失敗例につながります。
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どうすればいいのでしょうか?
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LEDを当てにいく前に、予備ハンダをしっかり溶かしているのがポイントです。
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で、LEDの電極を付けるときには、もうハンダごては離れています。こうすればハンダごてで直接LEDに熱を加えることなく、付けられます。
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同時に付けているわけではないんだ。
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「LEDを当てる」のと「ハンダを溶かす」を同時にやると、LEDを当てたことで熱を奪われて、ハンダが全部溶けない状態で付いてしまったりします。
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そうすると、どうなるんだ?
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下のほうのハンダまで溶けていなくて、チップLEDが水平ではなくナナメに(浮いて)付いてしまいますね。
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なるほどね。
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それと、そもそもLEDに余計な熱(ダメージ)を与えていることになります。寿命にも悪影響ですね。
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基板とハンダだけなら、安心して熱をかけられるんですね。
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そうです。LEDを打ち替えするときなどにも、同じことが言えますね。
5050の6つの足が、キレイに載っているか確認
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あとは、残った5か所をハンダ付けするだけですね〜。
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その前に「位置のズレがないか」をしっかりと確かめましょう。例えば、反対側の電極がズレていたとします。
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こんな風にLEDの電極(足)とランドの位置がズレていると、次にハンダ付けするときに、隣の回路につながってしまったりします。
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5050は、片側に3つの電極が並んでいるから……
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そうなんです。全6か所の電極(足)が、きちんと正しい位置に来ていることを確認します。
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ズレていたら?
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予備ハンダ1か所でハンダ付けしている時点では、まだLEDの位置修正は可能です。
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ああ。
そういうことね! -
これでビシっと付きました〜。
予備ハンダを溶かせばLEDの位置は修正できる
狭い電極(足)をハンダ付けする時のコツ
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あとは、残る5か所の電極(足)をハンダ付けするだけですね。
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5050の場合は、小さい電極が3つ連続で並んでいるので、隣の電極とくっつかないように注意です。
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ここが問題だ。
なにかコツは? -
ハンダを溶かす量が多いと、くっついてしまいますね。
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イモハンダなら当然くっついてしまう!
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そうですね。ここはなるべく、細い糸ハンダを使いましょう。
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野本研究員が使っているハンダは、0.6ミリです(↓)
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5050チップLED(SMD)をハンダ付けする時は、細いハンダで、チョンチョンとやっていくのがコツですね。
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LED加工のプロに教わった、5050ハンダ付けのコツ。ぜひお試しください。
野本研究員セレクトは「HAKKKO FS402-01」
DIY Laboアドバイザー:野本貴之
光ドレスアップの専門店・イルミスタ店長。LED加工や打ち替え、アンダーLEDを得意とする特殊なプロショップ。仕事ぶりは極めて職人気質で丁寧。部品のみの販売も行っている。●イルミスタ 住所:埼玉県三郷市上彦名540-3 営業時間12:00〜21:00 月曜定休(祝日の場合翌日)
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