車検の知識

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10月1日以降の構造変更は、ブレーキチューンと重量増に要注意!!

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「総重量1.1倍以下ルール」がスタートすると、リアルに車検に落とされそうな車の話。実際に車検で重量を測定されるのは、どんなケースなのか。

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  「総重量1.1倍以下ルール」発動後……つまり10月1日以降の車検の問題について、ひき続き、車検のプロの見解を聞いていきます。

  ●レポーター：イルミちゃん

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  前回「継続車検では重量を測りようがないから、（対応としては）今までと変わらないのではないか？」と予想しましたが、今回は構造変更や中古新規（中古車の新規登録）の場合はどうなるのか？ という話です。

  ●アドバイザー：TIC 越川研究員

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  いわゆる普通の継続車検とは、事情が違う……？

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  そうですね。例えば今回の話とは、まったく関係ないことで、たまたま構造変更検査を受けようとしている車があったとしましょう。

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  今回の件を知らないまま構造変更を受ける車は、実際たくさんいそうです。

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  定番の例を挙げると、バネサス車にエアサスを付けたり、リアアクスルを交換（※）したから公認を取る、というようなケースですね。

  ※エアサスやアクスルは「高さ」の変更がなければ記載変更で済むことも。

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  構造変更が必要になるカスタマイズがどういうものかは、「構造変更とは？」の記事（↓）を参照してください。



構造変更のおさらいは、「構造変更とは？ 記載変更との違い」参照。

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  構造変更の場合は、必ず車の重量を測定する検査をしますので、今回の「総重量の1.1倍に収まっているか」をリアルに検討することになります。

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  アクスル交換の例だったら、重量増はほぼなさそうですが……それでも測る？

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  測ります。そこは、構造変更検査のルールですので。

  ※記載変更で済む場合で、重量まではチェックしないケースは別。

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  そうなのか〜。

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  今までも、構造変更とか、中古新規で変更のある車の場合は、重量を測定していましたから、測るのは今に始まったことではありません。

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  と言うことは……

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  「総重量1.1倍以下ルール」が、現実的に適応されてくることになるでしょう。

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  ……そして、その時に、ブレーキが換わっていたらどうなるか？

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  ブレーキは今まで普通に通っていたから、「問題なく通るだろう」なんて考えていたら、10月1日以降はそうはならない可能性がある、ということです。

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  しかし！ ですね、越川研究員。

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  ハイ。

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  構造変更検査の場合は「重量を測るからNGになる」ケースが、継続車検のときは「測らないから適応されないだろう」だなんて……これ、ヘンな話じゃないですか？

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  う〜ん。言いたいことは分かりますけどね、同じパーツでも検査の仕方で扱いが換わるケース、というのは実際にあることです。

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  そうなんですか？

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  例えばルーフキャリア。継続車検の時はそのまま通る。指定部品だからです。

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  フムフム。

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  しかし「指定部品だからなにも検討しなくてOK」なのは、あくまでも継続車検での話。ルーフキャリアが付いた車を中古新規の登録に持っていったら、それが付いた状態の「高さ」「重量」の車に変更する、という扱いになる。

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  同じ部品なのに、検査の仕方でずいぶんと扱いが違う。

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  『ダブルスタンダードじゃないか』というツッコミもありますが、こういうのは制度上の限界もある話なので、仕方がないのです。

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  まあ、確かに。じっさいの車検場の現場では台数をこなさないといけないし。

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  そういう意味では、指定部品のルールはよく出来ていて、ブレーキキャリパーやローターはもともとその枠組みに入っています。



✔ ひとくちメモ

ブレーキキャリパーやローターは指定部品なので、交換しても改造申請は必要なく、取り付け等に問題がなければそのまま車検に通る。
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  それが、今回の制度とどうぶつかるのかが気になりますね。

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  だから、これは僕の予想ですけど、今回のブレーキキャリパーやブレーキローターの話では、ルーフキャリアと似たような概念が生まれると思う。

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  なるほど、なるほど。

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  継続車検では重量も測れないから、スルーされる可能性が高いけれど、本来のルールからいくと「ブレーキが換わっていたら重量増が認められない」わけだから、構造変更などの検査では、リアルに落とされるだろうと。

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  車検業界に精通している、TIC・越川研究員のリアルな見立て、ですね。

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  もちろん、未来の話ですから、今日（2017年9月9日時点）ここで言っていることはあくまでも予想です。実際の運用がどうなるかは、10月1日以降にならないと分かりません。

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  近々、アクスル公認を取ろうとかエアサス公認を取ろう、というつもりで車を作っている人には、なおさらこの話を伝えてあげないといけませんね〜、どうあっても。

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  そうですね。あと1ヶ月弱しかありませんが、その間にできるだけ車業界に広まってほしいと思います。

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  DIYラボでは、10月の運用開始に向けて、引き続き「車両総重量1.1倍以下ルール」問題を追っていきます。