足まわりコラム
タイヤ交換のよくあるトラブルに注意!
タイヤ交換のトラブルについて、まとめておさらい。タイヤ交換はDIYでできる(むしろできなければいけない)作業だが、やり慣れていない人や初心者にはハードルが高い面もある。DIYタイヤ交換の注意点を、今一度知っておこう。
ラニーニャ現象の影響で、馴れないDIYタイヤ交換が増えると……
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年末年始は年またぎで強い寒波がやってくるので、大雪に注意! そんなニュースが連日報じられています。
●レポーター:イルミちゃん
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今シーズンは、大雪のところが多そうだよねぇ。
●DIYラボ別館:ユキマちゃん
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そうなんです。今期はラニーニャ現象の影響もあって、何度も寒気が入り込みやすいと予想され……
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ニャニャーニャ?
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違う!
ラニャーニャ……あれ、ラナーニャだっけ? -
ニャハハ〜。
あんたにはお天気お姉さんは無理ね。 -
ムッ……。主題はお天気の話ではありません。今シーズン、いつも以上に心配されるのが、DIYによるタイヤ交換なのです。
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そうだ! ウチのあたりはいつもの冬は、ほとんど雪が降らないからやらないけど、今年はさすがにスタッドレスタイヤに交換しておこうかな〜。
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そこ!
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なによ。
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普段はやらない人が、たまにDIYでタイヤ交換するから、トラブルが起こるのです。
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縁起悪いこと言わないでよ。〈DIYラボ〉が、DIYのヤル気を削いでどうするのよ。
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いやいや、事実を言ったまで。ヤル気を削いだとしても安全第一。
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そこで、DIYラボとしましては「DIYタイヤ交換における注意点とよくあるトラブル」について、まとめておきたいと思います。
●アドバイザー:スパイス 佐藤研究員
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タイヤ交換のことは、これまでもプロである佐藤研究員にいろいろ教わりましたが、忘れている人も多いと思うので整理しておきましょう。
DIYタイヤ交換の注意点と、トラブル要因のまとめ
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まず、タイヤ交換するときは、平らなコンクリート地面でやりましょう。
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砂利、砂地でやるとジャッキが埋まりますよ。坂道も厳禁です!
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(キコキコキコ……)。
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ちょっと! なに勝手にジャッキアップしているのよ。
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ジャッキアップする前に輪止めを入れ、サイドブレーキをかけ、MT車はギアを入れた状態にします。
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ギアも入れておくんだ。
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AT車はパーキングに入れることでロックされていますが、MT車はギアがニュートラルで、サイドブレーキもかけていない状態で持ち上げると、ナットをゆるめる時に動いてしまいます。
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なるほど。
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それから、ジャッキポイントは確実に目で確認してから、当てるべし!
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なんとなくこのあたり!……という感じで当てて持ち上げると、ジャッキポイントのつぶれや歪みが起こります。
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ジャッキポイント潰しは、DIYタイヤ交換の超定番トラブルと言えますからね。
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ここまでは、ジャッキアップ時の注意点ですね。
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次はタイヤ交換のために、ホイールを外すときの注意点。
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まず重要なことから。ホイールナットをゆるめる時に違和感を感じたら、やめるべし!
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えー。
やめたらタイヤ交換できませんけど? -
しかし、違和感があるまま無理矢理ナットをゆるめようとすると、ねじ山がボロボロになって取れなくなる or 締められなくなります。
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そっちのほうが最悪のトラブルですね。
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ですから、その手前の段階で断念して、お店に車を持ち込むのが正解です。
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すでにDIYでのタイヤ交換に取りかかっているんだから、引くに引けない気もするけど……
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トラブル回避のためには、引くことも大切です。
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それから、ホイールに合ったナットを使います。純正ホイール(トヨタ、ホンダ、最近のニッサン)の場合は、純正ナットを使いましょう。
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純正ホイールは、社外ホイールのナットで締めたらダメなの?
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そうですね。ナットホールがダメになる or 締め付け不良の原因となります。
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それから貫通ナットの場合は、ナットの着座方向にも気をつけて! テーパー面をホイール側に付けましょう。
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「そんなの当たり前」「逆向きに付けるわけが無い」……と思うかもしれませんが、現実にそういうトラブルも目にしてきたので。
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スパイスはDIYユーザーの出入りも多いプロショップだけに、体験談がリアル。
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それからもうひとつ。
空気を入れましょう。 -
引っ張り出してきたタイヤの空気圧のことですね。
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そうです。履き替えてから一年近く経ちますから、空気は必ず抜けています。風船だって最初パンパンでも、日数が経つとしぼむのと同じで、タイヤの空気も抜けます。
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それから都市部では、雪が降らないからと空気圧を高めに入れている方も多いですが、雪道を走る際は適正な空気圧に戻しましょう。
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空気圧が高いとどうなるの?
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雪道でのグリップは、かなり落ちますよ。
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空気圧の不足はもちろん、高めも危ないんだ。
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それから、ホイールナットを締め付けるときのトルク管理は、しっかりと!
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車載レンチを足で踏んで締め付けるのは、絶対にNG! だからといって、手で軽く締めるだけも絶対NG! ホイールが外れて、大事故になります。
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一番いいのはトルクレンチを使うことですが……
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でも年に2回、スタッドレスタイヤと夏タイヤの交換をするだけの人は、持ってないと思う。
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不安な方は、付けた後にカーショップ・カーディーラーでトルクの点検をしてもらうという方法がありますよ。
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でもなぁ。タイヤ交換はDIYでやっておいて、トルク点検だけ頼むってなんかあつかましくない?
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そこは遠慮するんだ。意外ね〜!
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……。
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トルク確認は、タダでやってもらえるのが普通です。お気軽に行きましょう!
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それは心強い。以上、安全に関わる重要ポイントをまとめておさらいしてきました。
NGパターン!
✔ これの何が危険なのか分からない人は、「ホイールナット取り付け時は〈座面〉に注意!!」参照。
✔ 補充方法は「タイヤの空気圧点検・補充は〈どこで〉やればいいのか?」参照。
✔ 詳しい作業方法は「ホイールの締め付けトルク(規定トルク)は何キロが正解?」参照。
DIY Laboアドバイザー:佐藤峻一
元カスタムガレージスパイス代表。足回りに強く、得意技は勝負ツライチだが、実用性重視のセッティングも高いレベルで実現。ドレスアップ全般に明るく、不思議な包容力があってDIYユーザーにも人気。
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